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Ⅴ 平成21年度新規特別研究の事前説明
4.発生工学を用いた新規の鳥類人工繁殖手法

1)研究の概要

鳥類体細胞を始原生殖細胞とするための基盤技術を開発して生殖巣キメラ個体からの子孫個体作出法を開発する。またこれと並行して、絶滅危惧鳥類細胞(始原生殖細胞及び体細胞)を採取・培養し、これらを用いた生殖巣キメラ個体から、次世代個体の創出を行う。

[外部研究評価委員会事前配付資料抜粋]

研究目的  /  研究予算  /  研究内容

2)研究期間

平成21〜23年(3年間)

3)外部評価委員会の見解

(1)研究内容

[内容評価]

きわめてユニーク、かつ学術的に重要で意義のある基礎的な研究課題である。発生工学のレベルアップに貢献し、かつその卓越した技術を継承することは高く評価される。

ただ、具体的にどの生物種に利用したいのかなど必要性や目的がよく理解できなかった。これが不明確だと、種毎の最適条件がかなり異なるなかで、実用の際に問題があると思われる。競合相手・技術との間における優位性も分かりにくい。

[提案、要望]

国環研として、また環境省として、絶滅危惧鳥類の保存戦略の中でこのような研究をどのように位置づけるのか、さらには国際協力、国際協調等の面でどのように進めるのかの戦略を明快に示してほしい。

[対処方針]

本研究が、生息域の保護や復旧が前提となる先端技術開発研究であることを充分に考慮しつつ、本研究と並行して他の保護研究も進めていく予定。また、希少動物の細胞保存を推進している環境省との協議も踏まえて、本研究の位置付けを明らかにする努力を行うと共に、開発技術の移転も含めて国際共同研究の可能性も検討する予定である。派生的に発生する知的財産権に関する取扱いを事前に検討し、関連共同研究機関とも調整を行うことに充分留意する。

(2)研究の進め方・組み立て

[内容評価]

培養技術を東南アジアに技術供与する、という発想であり、共同研究のネットワークを構築するという点に将来を見据えた戦略がある。

[提案、要望]

すばらしい技術であるために、この技術がもしかすると新規な家畜(絶滅危惧種のなかから得られる可能性も否定できない)の創生に結びつく可能性があると思うので、知的財産に関しても関心を持って進行すべきであろう。

今後における当該研究領域における国際的な協同のあり方や、わが国の国際貢献のあり方を踏まえたうえで、一層明確な研究体制の構築が必要ではないかと思います。

[対処方針]

知的財産権の確保及びノウハウの蓄積によって将来的な我が国のリーダーシップ確立を目指すことに充分留意したい。特に開発技術のもたらす予想される波及効果が広範であることから、成果の社会還元の可能性や国際貢献への寄与を積極的に行う予定。研究推進と並行して順次研究体制の見直しも含めて目標達成のための効率化を図りたい。

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