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Ⅱ 基盤的な調査・研究の年度評価
1.地球環境研究

1)研究の概要

地球環境の監視・観測技術に関する研究として、特に、リモートセンシングに関する研究として、遠隔計測データ中の地形及び分光特徴の自動認識に関する研究、分光法を用いた遠隔計測に関する研究、Intracavityレーザー吸収法と結合した時間分解フーリエ分光法の開発と応用、光通信用波長可変光学フィルタを用いた大気微量成分の高精度分光装置の開発を実施した。データベースの開発・高度化に関わる研究として、森林・草地・湖沼生態系に共通した環境監視システムと高度データベースの構築を行った。将来の地球環境に関する予見的研究や新たな環境研究技術の開発等の先導的・基盤的研究として、グローバルな森林炭素監視システムの開発に関する研究、成層圏突然昇温現象が熱帯対流圏に及ぼす影響、ガス交換的視点による東南アジア熱帯雨林の機能評価に関する研究を行った。また、根圏の有機物組成・分解過程の非破壊モニタリング手法の開発、大気・陸域生態系間の炭素収支研究における化学トレーサーの利用に関する基礎的研究、などを行った。

2)外部研究評価委員会による年度評価の平均評点  (評価実施要領へ)

平均評点  4.1点  (五段階評価;5点満点)

3)外部研究評価委員会の見解

[現状評価]

概ね中期計画目標に沿って的確に研究が進められている。地球温暖化に関する基盤的データを精度よく、効率的に取得するための研究が進展している。先を見据えた陸上での調査研究課題や移動体を用いたモニタリングなど、高いレベルの成果が得られており、地球環境研究の日本における高いレベルの拠点が確立されつつある。その一方で、全体としての計画の進捗状況が見えにくいという点が指摘される。

[今後への期待、要望]

研究者自身の興味を尊重し、ボトムアップの視点から地球環境問題に関する先導的な研究の芽を育てる仕組みは良く考えられており、今後もこのような研究手法を続けていって欲しい。しかしながら、各個の研究がどのように管理され、研究成果が全体としてどのように活用されるかを見えるようにして欲しい。

4)対処方針

基盤的な調査・研究は研究者自身の興味を尊重した研究課題の設定を基本としていることから、研究管理や成果をどう活用するかという点について分かりにくいものとなっていると思われる。個々の研究課題について、その成果を環境研究にどのように展開・活用していくかを意識しながら研究を進め、提示するようにしたい。

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