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W 平成19年度終了特別研究の事後評価
3.鳥類体細胞を用いた子孫個体の創出

研究目的と実施内容

[研究目的]

希少野生鳥類の体細胞から始原生殖細胞(PGC;将来の精子、卵のもとになる細胞)を創り出す。このPGCを用いて生殖巣キメラ個体を作出、性成熟の後に体細胞由来の子孫個体を得る。

希少野生鳥類の体細胞の採取は生殖細胞を得るよりは遙かに容易で、加えて増殖培養も可能になった(Kuwana et al., 1996)。そのために、最も採取が容易な皮膚の一部から体細胞を取りだして培養し、これをもとにPGCを創り出すことができれば体細胞をもとに希少野生鳥類の個体増殖も可能となる。なぜならばPGCさえあれば、PGCの増殖培養、PGCを用いた生殖巣キメラ個体作製し、生殖巣キメラ個体を経て、移植したPGC由来の子孫を得ることが可能である。つまり、体細胞核を持つPGCを創り出すことができれば、体細胞由来の子孫個体も作出可能である。

[実施内容]

本研究の目標を達成し、野生希少鳥類の子孫個体を創出するために、以下のサブテーマと体制によって研究を推進した。

(1)生殖巣キメラ個体による子孫作出

本サブテーマは、培養体細胞核を導入した融合PGCを用いて作製する異種間生殖巣キメラ個体から得るための基盤技術となる異種間生殖巣キメラ個体作成法を開発、確立することを目的とした。

1) フィーダー細胞上での始原生殖細胞のin vitro培養

本研究全体の基盤技術を確立するために、ドナーPGCのin vitro培養系の開発を行った。これは、希少鳥類では始原生殖細胞を採取する機会が極端に少なく、その採取可能な細胞数も少ないためである。効率的な始原生殖細胞培養を可能とすることによって、一度採取した始原生殖細胞を用いた子孫個体作出を効率よく行うことが可能となる。

ここでは白色レグホーン系のニワトリ胚を用いて孵卵2日目の循環期にある始原生殖細胞(PGC)を単離し、予めマイトマイシンC(MMC)処理によって細胞増殖を阻止したフィーダー細胞上で培養を行った。KAv-1培養液を用いて約2週間後にはPGCは増殖してフィーダー細胞上でES細胞様の細胞塊を形成した。この培養PGCはアルカリフォスファターゼ活性陽性、PAS染色陽性、SSEA-1陽性であり、元々のPGCと同様の細胞特性を保持していた。この細胞を更に長期継代し、PGCとしての細胞特性を保持していることを確認するために、羽毛色が異なる横斑プリマスロック系のニワトリ胚(孵卵2日目)の血流中に注入移植して生殖巣キメラ個体を作成、性成熟を待って戻し交配によるキメラ率の検定を行った。その結果、長期に継代培養を行って増殖した培養PGCは次世代を作出する能力において無処理PGCと全く同様の能力を示し、高率に移植した培養PGC由来の子孫個体を得ることが出来ることを実証できた。

1.材料と方法

a) PGCの単離精製
白色レグホーン系の受精卵を38℃で50〜54時間孵卵し、st12-15を得た。この胚の血液を採取し、50ml遠沈管に5mlずつ重層した11%、5.5%ナイコデンツ溶液の上にPGC約1,000個のPGCを含む胚血液分散液を重層した。4℃・400×g・15分遠心し、11%と5.5%の境界周辺部分を回収し、これをKAv-1培養液で洗浄した後にPGCのみを双眼顕微鏡下で回収した。

b) フィーダー細胞の調整とPGC培養
SPFニワトリ受精卵を孵卵し、St16胚を得る。予定生殖巣部域と頭部、心臓部域を切除した後に、残りを細切してKAv-1培養液を用いて継代培養を開始した。30代以上継代し、継代間隔が36-48時間になったものをフィーダー細胞として使用した。
フィーダー細胞として使用する12-18時間前に、予め1%ゼラチンコートした48穴プレート・1ウェルあたり8.0-12.0×104となるように播種し、培養用密閉フィルムを用いて密閉して培養した。80-90%コンフルエントの状態で、10ug/ml MMCで3.0-3.5時間処理し、その後にKAv-1で3回洗浄した。
単離精製したPGCを1ウェルあたり500から1,000個で播種した。その後は、PGC細胞塊が大きくなる約2週間に1回継代を行った。継代の際にはピペッティングによりPGC細胞塊を回収し、顕微鏡下で細胞塊のみを回収した。トリプシン処理により単細胞のPGCあるいは小さなクラスターの状態になるまで分散し、PGC数を計測した後に、準備しておいた新しいフィーダー上にPGCを播種するという操作を繰り返した。

c) PGCの組織化学的同定ほか
アルカリフォスファターゼ(ALP)染色の際には、培養細胞塊をPBSで洗い、10%ホルマリンで10分間固定し、超純水で洗浄後に市販のALP染色キットを用いて染色した。また、PAS染色を行うために、培養細胞塊をPBSで洗い、10%ホルマリンで10分間固定し、超純水で洗浄後に0.5%過ヨウ素酸水溶液で室温・5分間処理した。超純水洗浄後にシッフ試薬で室温・5分間処理した。亜硫酸水で室温・1分処理後、超純水で洗浄し顕微鏡観察を行った。どう用にPGCの免疫組織学的同定法であるSSEA1免疫染色のため、培養細胞塊をPBSで洗い、ブアン固定液で20分間固定した。その後PBS洗浄、超純水を経て0.3%過酸化水素水で30分間処理し、超純水洗浄後PBSに5分浸した。抗SSEA1抗体を3%BSA/PBSで1/100に希釈し、これを4℃で一晩試料に反応させた。最終的にPBS洗浄後にABCキットとDABキットで呈色反応を行いSSEA1の存在を確認した。

d) 培養PGCを用いた生殖巣キメラ個体作出と後代検定
継代培養開始後16日、45日、93日、106日、218日、及び207日培養後に凍結保存した白色レグホーン系ニワトリPGC由来の細胞を雛の羽毛が黒色の横斑プリマスロック系の胚(孵卵52時間)の周縁静脈に注入移植した。継代培養したPGC由来細胞塊をトリプシン・EDTA/PBS(-)処理を行い単細胞にまで分散し、KAV-1培養液で洗浄後に200細胞/胚で注入移植を行って生殖巣キメラ個体を作出した。

2.結果と考察

PGCは培養開始後2日目に3-4細胞の細胞塊を形成し始め、日ごとに大きくなった。最も大きな細胞塊では4日目で8個、6日目で14個、8日目で36個、10日目で50個、12日目で70個、14日で120個のPGCから形成されていた。細胞塊が120個以上になると死滅したため、約2週間でリプシン処理により細胞塊を分散して継代して長期培養を行った。

各継代操作でのPGC数を培養0日のPGC数で割り、増殖率を求めたところ、培養当初はゆるやかだった増殖率が最初の継代後に増加し、2回目の継代後はさらに増加した。最も増殖率が高いものでは、培養40日で1,000〜2,500倍となった。

また、これらのPGC由来細胞はいずれの段階でもPAS染色陽性、SSEA1免疫染色陽性であったが、ALP染色に関しては陽性又は陰性を示し不安定であった。

上記の各培養期間のPGC由来細胞を用いて生殖巣キメラ個体を作成し、これらの生殖巣キメラ個体を性成熟まで飼育し、横斑プリマスロック系との戻し交配の結果、継代培養16日では18-27%、45日では50%、93日では64%、106日では50%、218日では44%、更に207日培養後に凍結保存していた細胞由来の子孫は33%であった。

これによって、本研究の培養条件で長期培養したPGCはその細胞特性を保持し、生殖巣キメラ個体を介して培養PGC由来の子孫個体を作出する能力を持っていることを実証できた。通常はPGCを長期培養するとEG細胞もしくはES細胞のようなより未分化な細胞へと脱分化を起こすと考えられていたことから、本研究の成果は細胞特性を変化させることなくPGCを長期培養出来た世界初の成果である。

この他にも無細胞系でのPGC培養系を開発したものの、この条件での培養PGCから子孫個体を得ることが出来ないために、何らかの分化が起こってPGCとしての細胞特性が失われた可能性がある。今後は遺伝子解析等の詳細な検討の予定。

2) 異種間生殖巣キメラ作製法の開発研究

鳥類間での異種間生殖巣キメラ個体を、ニホンキジ、ライチョウのPGCをニワトリ胚とウズラ胚に、ニワトリPGCをウズラ胚へ移植して異種間生殖巣キメラ個体を作製し、それらの性成熟を待って、後代検定を行い、受精卵、発生停止胚、雛のDNAを調整し、キメラ効率を調べた。

1.材料と方法

a) 異種間生殖巣キメラ作出
ライチョウPGCをニワトリ(チャボ)胚へ生殖巣キメラ作出法に則り移植した。移植胚10のうち4羽孵化した。1羽が雛の時期に死亡し、DNAから♂であった。現在、残る3羽(♂1と♀2羽)で後代検定を行った。
ニホンキジPGCをニワトリ胚78(白色レグホン12、チャボ66)へ移植し、白色レグホン4羽チャボ17羽が孵化した。現在、14羽(雄10、♀4)で後代検定を行った。
ニホンキジPGCをウズラ胚85へ移植、32羽が孵化し、現在20羽(♂13、♀7)で後代検定中。
ニワトリ(白色レグホーン)PGCをウズラ胚41へ移植、8羽が孵化(♂4、♀4)で、後代検定中。

b) 異種間生殖巣キメラ個体の後代検定
異種間生殖巣キメラ個体を飼育して性成熟させた。キメラ個体が雄の場合は、ドナー種の雌にキメラ個体の精液を用いて人工授精あるいは自然交配にて受精卵を得、これを孵化させてキメラ個体のキメラ効率を評価した。また、キメラ個体が雌の場合は同じくドナー種の雄からの精液を用いて人工授精、自然交配を行い、受精卵を得、これを孵化させてキメラ効率を評価した。

c) DNA配列による異種間 生殖巣キメラの評価
作出した異種間生殖巣キメラ個体の性成熟を待って♂ではその精液内の精子、♀では放卵した種卵を孵卵し雛を得た。孵化しなかった卵について、未受精卵、発生停止胚、死籠もり胚などからDNAを調整し、ドナー寄与率を検定した。DNAによる種判別法は、同じ遺伝子のDNA配列二種特異的な相違点をPCRによって増幅して検知するものである。遺伝情報としては、ゲノムDNAと、ミトコンドリアDNAに大別されるが、ゲノムDNAのMet proto-oncogeneの一部配列と、mtDNAのND2配列の全長を決定、比較して種特異的と考えられる配列に基づき、プライマーを設計作製した。これを用いて生殖巣キメラ個体の精液中のドナー精子をPCRで識別した。同様に、卵巣に関しても識別を行ってドナーPGC由来の卵細胞の存在を評価した。

2.結果と考察

ライチョウPGCをニワトリ(チャボ)へ移植したキメラ胚のうち死亡胚4例から遺伝子を調整して調べたところ、4胚中の3胚がキメラであった。生存している♂キメラ精液ではライチョウ遺伝子を検知できなかった。♀キメラ2羽のうち1羽はこれまで264個産卵し、238個からDNAを調整、PCRの結果、すべてからライチョウ遺伝子を検知することができなかった。ニホンキジPGCをニワトリ(チャボ)へ移植し作成したキメラ♂14羽の精液からのDNAから、7羽にニホンキジのDNAを検知した。キメラ♀4羽のうち3羽が産卵している。
61個のうち24個からDNAを調整、PCRを実施したが、ニホンキジDNA派遣地できなかった。ニホンキジPGCをウズラに移植したキメラ♂での精液の検査はまだ行っていない。キメラ♀7羽では、それぞれがすでに100個以上の産卵をみている。このうちの6羽について各ほぼ半数の40〜50個を調べた結果、これまでにキジの遺伝子を検知することができなかった。
精液中の精子は、億単位の細胞数があるため、キメラ検定が1回のサンプルリングでも評価することは可能であるが、♀では産卵数はよくて毎日1個(細胞)であるため、キメラ率の検定は困難とおもわれる。

3.DNA配列による異種間生殖巣キメラの検出・評価(今里栄男)

上記1.で作製する異種間生殖巣キメラ個体の性成熟段階で精子、卵巣のドナー寄与率を検定する。具体的にはドナーとホスト側のゲノムDNA(Met proto-oncogene)の一部配列と、mtDNAのND2配列の全長を決定、比較して特異的プライマーを作製した。これを用いて生殖巣キメラ個体の精液中のドナー精子をPCRで識別した。同様に、卵巣に関しても識別を行ってドナーPGC由来の卵細胞の存在を検出・評価した。
また、異種PGCsは微量に生殖巣内に存在しない可能性があるため、通常のPCR法より高感度・確実な方法として、種特異的に増幅した配列内部に種特異的なプライマーを設計した2nd PCRによる入れ子式のPCR法を用いた判別も試みた。
この様な検出手法を用いて生殖巣キメラ個体の評価を行った結果、雌雄共に精子、卵巣にドナー細胞の存在が証明された。また、一部ではあるがドナーPGC由来の細胞が大量に含まれることを示唆するデータ燃えることが出来た。

(2)ドナー体細胞の増殖培養と標識遺伝子の導入(川嶋貴治、桑名 貴、橋本光一郎、今里栄男)

モデルとして、ニワトリの体細胞(st27胚由来)を選び、特に単離した際に細胞径が小さい(10μm程度)となるものを選抜した。この細胞に非ウイルスベクターを用いてGFP遺伝子を導入し、GFP発現によってpEGFP-N1をリニアーで使用し、リポフェクションを行った。試薬はリポフェクトアミン2000、Fugene6を使用した。試薬と遺伝子の混合比は最終的には2:3とした。細胞数は105と106を検討し、生存数の多い106個を用いて遺伝子導入を行った結果、使用した試薬による導入効率に特に差はなかった。薬剤耐性による選別で細胞系統の樹立が困難であったために、結局は蛍光顕微鏡下でGFP陽性細胞を選別して2系統の細胞株を樹立することができたため、その後はこの細胞系統を研究に使用した。

(3)体細胞核を持つPGCの創出(川嶋貴治、橋本光一郎、今里栄男、桑名 貴)

本サブテーマでは、PGC核の不活化条件の検討と細胞融合条件の検討を行って体細胞核を導入したPGCの創出法の開発にあたった。

1) PGC核の不活化条件の検討と細胞融合条件の検討
1.材料と方法

条件設定の再現性の高い紫外線照射処理によるPGC細胞核の不活化条件(波長及び線量条件)を検討して、細胞質及びミトコンドリアへの損傷を最小限に留めながら細胞核を不活化するための条件を検討した。
始原生殖細胞(PGC)の核が細胞質に対して大きく、PGCの平均直径が約16μm前後と哺乳類細胞と比較しても小さいために、マニピュレーターを用いた物理的除核は困難で、生存生の面からも非現実的である。また、ミトコンドリアDNAの不活化も期待するために、物理的除核以外の方法の検討が必要であることから、本課題では紫外線照射による除核条件を検討・確立する。この条件検討に際しては、PGC細胞核のDNA損傷度をSCG法(コメットアッセイ)を用いて評価した。
また、in vivoでの判定のために、白色レグホーン2.5日胚から血液を採取し、血液循環期のPGC(cPGC)を単離した。UV照射装置は、PGCの位置で1μW/cm2あるいは200μW/cm2となるように設置し、UV照射時間10秒と120秒を照射した。また、対照群としてUV未照射のPGCを用いた。
未照射あるいは照射したcPGCは、いずれもPKH67で蛍光染色を行った後、白色レグホーン2.5日胚の血管中に注入移植して3日間孵卵した。5.5日胚の時期に胚を採り出し、蛍光実体顕微鏡下で観察した。

2.結果と考察

UV照射を行って後にSCG法でDNA不活化を判定したところ、明らかに細胞死が起きるはずの照射量でも細胞死を捉えることが出来なかった。これは照射直後ではDNAの破壊が未だ進んでいないためと考えられたために、生殖巣への到達能および細胞の生死判定を以下のように、in vivoで行うことにした。
In vivoでの判定では、移植後1日目での観察では各実験群共に対照群との相違は認められず、いずれも蛍光を発する移植PGCが生殖巣に到達していた。
移植後3日目での生殖巣の観察を行うと、1μW/cm2の強さで10秒照射群と未照群では、蛍光を発する移植cPGCの生殖巣への能動的移動能に違いは認められず、多くの細胞が生殖巣内へ移動していた。これに対して、照射秒数を120秒とした場合、200μW/cm2の強さで120秒照射群と同様に、蛍光を放つ移植cPGCは生殖巣とその近傍にはほとんど認めることができなかった。このことから、cPGCの生殖巣への移動能を保持しつつ細胞核の機能を破壊する条件は1μW/cm2、120秒照射条件で十分であることが判明した。

2) 細胞融合条件の検討(橋本光一郎、川嶋貴治、桑名 貴)

まず、血球(体細胞系)とPGCの電気融合の条件検討を行って低率ながら成功しており、この条件を更に改良することで線維芽細胞とPGCとの効率的融合条件を開発するとともに、PEG(ポリエチレングリコール)による細胞融合条件も合わせて検討して融合PGCを作製した。

3) 体細胞由来PGCの生体内移動能の評価(桑名貴、川嶋貴治)

融合PGCの細胞学的特性を検討するために、少数ではあるが得ることの出来た融合PGCを用いて胚への注入移植実験を行い、生殖巣原基への到達を観察したところ、数例ではあるが移植融合PGCが生殖巣原基に到達していることが確認できた。体細胞では生殖巣原基への移動は起こらないことから、融合PGCでもPGCとしての細胞特性を保持していると考えられる。

4) 体細胞由来の生殖巣キメラ個体の創出(桑名 貴)

融合PGCをホスト鳥類胚に移植することによって生殖巣キメラ個体を作出する予定であったが、融合PGCの作出効率が極めて低いために現状では生殖巣キメラ個体を作出するに至っていない。早急に融合PGC作出効率を向上させて生殖巣キメラ個体を作成予定である。

研究予算

(単位:千円)
  H17 H18 H19
サブテーマ1 12,000 11,000 8,000
サブテーマ2 5,000 5,000 8,000
サブテーマ3 3,000 3,000 3,000
サブテーマ4 0 1,000 1,000
合計 20,000 20,000 20,000
総額 60,000 千円

研究成果の概要

  • 鳥類始原生殖細胞(PGC)の大量培養法を開発した。
  • 長期培養後のPGC由来細胞が細胞特性を保持してPGCと全く同じように子孫個体を作出することを実証した。
  • 異種間生殖巣キメラ個体では種を越えて精子、卵が生殖巣内で分化することが確認できた。
  • 細胞融合による始原生殖細胞が、ホスト始原生殖細胞の生殖巣への移動能を確保しながら細胞核を不活化するUV照射量を確定できた。
  • ホスト始原生殖細胞と体細胞との融合は低率ながら成功した。
  • 融合始原生殖細胞が生殖巣へと到達することが確認できた。