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Ⅳ 平成17、18年度終了特別研究の事後評価
1.大陸規模広域大気汚染に関する国際共同研究

  • 更新日:2007年7月23日

1)研究の概要

中国での航空機観測を4回行い、これと同期した地上観測を行った。これにより発生源地域の汚染物質の濃度分布を詳細に解析することができた。また、中国での飛行機観測に対応した数値シミュレーションを行い解析した。

アジア地域を対象としたSO2排出強度マップを作成し、大気モデルへの入力を行った。また発生源の解析と発生量の将来予測を行い、中国ではエネルギー集約型産業の立地が促進すると予想された。

奥日光前白根山において、オゾン濃度を測定した結果、夏季には首都圏からの光化学オゾンが卓越するが、秋には自由対流圏中をアジア大陸から輸送されるオゾンが中心的になることが分かった。

外部研究評価委員会事前配付資料抜粋(以下、PDF [224KB])

研究目的と実施内容

研究予算

研究成果の概要

2)研究期間

平成13〜17年度(5年間)

3)外部研究評価委員会による事後評価の平均評点

4.3  点

4)評価結果の概要

本研究では、はじめて中国との共同航空機観測を実施し、ガス成分・エアロゾルの化学組成を明らかにすることに成功している。この成果は、科学的な貢献度に加えて、今後の政策立案への高い貢献度があると評価できる。今後とも共同研究を継続し、観測データを蓄積して、将来の日本への影響予測についての定量的な評価の研究を継続してほしい。また、時期によって発生源・発生量が変動することを考慮した測定およびモデルを作成し、大気成分の拡散様式についての予測精度が高まることを期待する。さらに今後は、本研究で得られた貴重なデータを国際誌に発表するとともに、中国との結果/結論の共通認識が醸成できるような環境を生みだし、関係分野への影響を強めていく努力が払われることを望む。

5)対処方針

本特研はアジア自然共生研究グループのプロジェクトに発展的に継承されており、中国における共同観測研究も継続されている。また、これらの観測データを活用し、発生量の時間変動を考慮したモデル開発にも取り組んでいる。これまでも国際学会誌に論文を発表してきているが、今後も継続して成果を国際的にアピールする。また、研究チームのメンバーはほぼ毎年中国の大気環境学会(中国環境保護総局の官僚も出席している)に招かれて講演をしており、研究成果は中国の公的な場で公開し、結果/結論が共有されつつあるが、今後もその更なる進展を図る。

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