Ⅰ 重点研究プログラムの年度評価
2.循環型社会研究プログラム (平成18年度〜22年度)
- 更新日:2007年7月23日
1)研究の概要
今後の「循環型社会」を形成していくうえで達成目標を明らかにして集中的に取り組む必要のある目的指向型の研究課題として、重点プログラムのいわば顔となる「中核研究プロジェクト」(以下、「中核PJ」)として、以下の4課題を編成した。
- 近未来の資源循環システムと政策・マネジメント手法の設計・評価
- 資源性・有害性をもつ物質の循環管理方策の立案と評価
- 廃棄物系バイオマスのWin-Win型資源循環技術の開発
- 国際資源循環を支える適正管理ネットワークと技術システムの構築
中核PJ以外の研究活動として、廃棄物の適正な管理のための研究を着実に進めるため、「廃棄物管理の着実な実践のための調査・研究」という区分をプログラムに設け、“循環型社会に対応した安全・安心な適正処理・処分技術の確立”などの4課題を位置付けている。また、循環型社会・廃棄物研究センター以外の研究ユニットの研究者が主体となって実施する「関連プロジェクト」として、“循環型社会形成のためのライフスタイルに関する研究”をはじめとする3課題、廃棄物管理分野の「基盤型な調査・研究」として、“廃棄アスベストのリスク管理に関する研究”等の研究課題にも取り組む。
外部研究評価委員会事前配付資料抜粋(以下、PDF [444KB])
実施体制
研究の目的と今年度の実施概要
研究予算
平成18年度研究成果の概要
平成19年度の研究展望
2)外部研究評価委員会による年度評価の平均評点
4.2 点
3)外部研究評価委員会の見解
それぞれ質の高い4本のプロジェクトが順調に研究を進めており、多数の成果も見られる。研究対象が多様な面もあり、産官学・府省連携の共同で行うべき研究開発も多いので、課題の優先度を明確にし、研究全体のロードマップの中に位置づけることが必要である。また、循環型社会形成に向けた技術開発については、資源循環を前提とするシステム作りを目指して欲しい。さらにこの分野での国際的な資源循環の視点は重要であり、特に環境に関する全体的なアジア戦略と関連して、現状調査のみではなく如何にあるべきかを議論して欲しい。本プログラムは現実の問題解決のための提言が重要であり、政策分野も視野に入れた情報発信を期待する。このような視点をプログラムに取り込むことにより、個別の研究も、より大きな意味を持ってくるであろう。
4)対処方針
研究の進捗状況及び成果について一定の評価をいただいたこと、また、的確な指針及び助言をいただいたことに、まず感謝したい。「現実の問題解決のための提言が重要」とのご指摘は、本研究プログラムが、前中期計画では“政策対応型調査・研究”と位置付けられていた研究課題を継承・発展している経緯もあり、まさに従前より重要な使命として意識してきたことである。今後も、「政策分野も視野に入れた情報発信」につながる成果が着実かつタイムリーに挙げられるように努めたい。そのためにも、「課題の優先度を明確にし、研究全体のロードマップの中に位置づけること」によりプログラム全体としての所期の成果に結びつけるべく、各課題のボトムアップにとどまらない進行管理に留意したい。とくに、「資源循環を前提とする」技術開発・システム作りに各プロジェクトが一層連携し取り組むとともに他機関との連携を深めること、「国際的な資源循環の視点」を踏まえアジア各国も視野に入れた資源循環の将来ヴィジョンを構築していくこと、に留意しつつ取り組んでいきたい