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ホーム > 刊行物 > 国立環境研究所ニュース > 9巻 > 2号 (1990年6月発行) > アスコルビン酸ペルオキシダーゼのcDNAクローニング

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研究ノート
アスコルビン酸ペルオキシダーゼのcDNAクローニング
久保  明弘

私たちの研究グループは,環境研究に分子生物学的手法や遺伝子工学的手法を活用しようとしている。これまでの研究から,オゾンが植物に被害を与える際に,活性酸素(O2-・)が関与していることなどが明らかになっている。葉緑体の活性酸素消去系に属するアスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)は,オゾンに接触した植物で活性が上昇するので,オゾンの解毒に積極的な役割を果たしていると考えられる。そこで,植物細胞内のAPXの量を遺伝子工学的に増加または減少させることにより,植物のオゾン耐性を変え,オゾン浄化植物やオゾン指標植物を開発することを目指している。このためには,まず,APXをつくる情報を持っているDNA(核の遺伝子,またはmRNAから作ったcDNA)を単離(クローニング)し,次に,それを改変して植物に導入しなければならない。

APXのcDNAクローニングを試みていたが,シロイヌナズナcDNAライブラリーを抗体でスクリーニングすることにより,APXのcDNAクローニングに成功した。この酵素は,植物,原生動物,ラン藻に存在しているが,これまで遺伝子やcDNAがクローニングされた例がない。そのため,得られたcDNAがAPXのものであることを証明するのに,既知のものとの比較という方法は取れなかった。図は,この証明を,すでに得られているホウレンソウAPXに対する単クローン性抗体(それぞれ特定の部位に結合する抗体)を用いて行った結果である。得られた3種類のcDNA(APm1-3)から作られるタンパク質をフィルターに固定したのち(gt11はcDNAなしのコントロール),それぞれの単クローン性抗体との反応を調べた。シロイヌナズナAPXにも反応しうる5種の抗体(1,3,4,6,8)のうち,4種の抗体(1,3,6,8)が反応したことから,APXのcDNAが得られたことが証明された。

今後,これをオゾン指標植物やオゾン浄化植物の開発のために利用していきたい。

(くぼ  あきひろ,生物環境部分子生物学研究室)

図  抗APX単クローン性抗体のcDNA由来タンパク質との反応(白黒)

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