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 受賞者氏名:西澤智明
 受賞年月日:2010年9月10日
 賞の名称:広野賞 (レーザ・レーダ研究会)
 受賞対象:次世代大気モニタリングネットワーク用多波長高スペクトル分解ライダーの開発 (2) (第28回レーザーセンシングシンポジウム、同予稿集、28-31、2010)

 受賞者からひとこと:
 第28回レーザーセンシングシンポジウムにおいて広野賞(若手研究者を対象とした奨励賞)を頂きました。受賞研究は、杉本伸夫・松井一郎(国環研)両氏と共に開発している次世代大気エアロゾルモニタリング用多波長高スペクトル分解ライダー(HSRL)に関するもので、環境研究総合推進費(H20-H22)の助成のもと進めています。国環研では2波長偏光Mie散乱ライダーを用いた地上ネットワーク網をアジア域で構築し、黄砂と大気汚染粒子の動態を長年にわたり観測してきました。そこで本研究では、エアロゾル種のより詳細な分類とより精緻な光学特性の測定を主眼としたネットワーク観測用ライダーの開発を行いました。具体的には、大気汚染粒子の分類測定(煤と硫酸塩粒子に分類)を可能にするHSRL技術を導入し、その多波長測定技術の開発を行いました。また、この多波長HSRLで測定される7チャンネルデータを有効活用することで4種エアロゾル(黄砂、煤、硫酸塩、海塩)を分離推定するデータ解析手法の開発も行いました。このデータ解析を含めた多波長HSRLによるネットワーク観測は、大気中に混在する主要なエアロゾル種ごとの動態や光学特性の変動の解明と供に、気候影響評価に欠かせない数値モデルの検証や同化に多大なインパクトを与えることが期待されます。


 受賞者氏名:成岡朋弘、山田正人
 受賞年月日:2010年11月5日
 賞の名称:第21回廃棄物資源循環学会研究発表会優秀ポスター賞
(一般社団法人廃棄物資源循環学会)
 受 賞 対 象:RO膜による廃棄物最終処分場浸出水中のホウ素およびフッ素等の除去に関する研究 (第21回廃棄物資源循環学会研究発表会、同予稿集、2010)

 受賞者からひとこと:
 第21回廃棄物資源循環学会研究発表会において優秀ポスター賞を授与されました。対象となった研究は、東レ株式会社地球環境研究所との共同研究であり、排水に含まれるホウ素等の処理を目的として行った、新規RO膜の開発とそれを用いた浸出水処理の実証試験の結果をまとめたものです。新規開発したRO膜によってホウ素等について一律排水基準を満たす水処理が可能であることが示唆されましたので、今後は、総合的な処理システムの構築を目指すとともに、東レ株式会社による事業化を期待するところであります。


 受賞者氏名:土井妙子
 受賞年月日:2010年11月8日
 賞の名称:文部科学大臣賞 平成22年度原子力・放射線安全管理功労表彰 (主催: (財) 原子力安全技術センター、(財) 日本分析センター、(社) 日本アイソトープ協会、(財) 核物質管理センター、協賛:放射線障害防止中央協議会、後援:文部科学省)
受 賞 対 象:国立環境研究所の放射線安全管理業務において放射線安全管理に関する研究者や学生への技術的な指導、筑波地域の放射線管理担当者とともに安全教育への尽力など、安全確保への貢献

 受賞者からひとこと:
 「放射線安全管理功労者」として文部科学大臣賞を受賞いたしました。国立環境研究所において放射線管理を31年間、この間29年間選任放射線取扱主任者を務め、長年安全に放射線管理を行ってきたことが今回の受賞となりました。その他、所外において筑波地区の放射線施設同士が相互に研鑽を積み技術情報を交換することにより安全な管理を行うために設立された「筑波放射線安全交流会」の運営に参加してきたこと、また、(社)日本アイソトープ協会の主任者部会委員として安全教育等に携わったことも受賞の対象となりました。なお、今回の受賞は国立環境研究所の放射線施設の安全管理に対する受賞でもありますので、これまでの関係者及び所外の多くの方々の指導・協力・支援の賜物であると、皆様には心より感謝の意を表したいと思います。


 受賞者氏名:斉藤拓也
 受賞年月日:2010年11月18日
 賞の名称:大気化学研究会奨励賞 (大気化学研究会)
 受賞対象:揮発性有機化合物の放出・輸送・変質に関する研究

 受賞者からひとこと:
 本賞の対象となった研究は、揮発性有機化合物(VOC)の大気への放出過程や大気中における輸送及び変質過程の解明を目的として行ったものです。本研究ではVOCの濃度や安定同位体比の大気観測に基づく解析を行った結果、(1)光化学オキシダントの前駆体として作用する非メタン炭化水素の発生源域上空における分布が、主に光化学的な年齢の異なる空気塊の鉛直混合によって規定されていること、(2)強力な温室効果気体であるパーフルオロカーボンが東アジア域から大量に放出されていること、(3)熱帯林生態系が、成層圏オゾン破壊物質である塩化メチルの主要な発生源域であり、その中でも熱帯植物が最大の発生源であることなどを明らかにしました。これまで本研究にご協力いただいた共同研究者や関係者の皆様に深く感謝すると共に、今回の受賞を励みに、今後もVOCの関わる地球環境問題の解決に向けた研究を進めて行きたいと考えております。