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国立環境研究所ニュース読者アンケートの結果について

ニュース編集小委員会  委員長 田村 憲治

 ニュース編集小委員会では,今後の『国立環境研究所ニュース』(以下ニュースとします)編集の参考とするため,本年1月に読者の皆様にアンケート調査を実施しました。

 アンケート用紙は,平成17年12月号のニュースを郵送している方に同封させていただくとともに,研究所ホームページのニュースのコーナーからも回答できるようにしました。

 郵送数1257通に対して,269人から回答をいただき,このほかにファックスとHPからそれぞれ18人,11人,合計298人の回答をいただきました。

 主な郵送先は国・地方公共団体等(約320機関),衆・参議院の環境委員及び客員研究員・研究所OB(約530名),国立環境研究所「友の会」会員(約400名)などですので,回答者の方も大学や研究所の方が37%,次に行政,会社員の順となっていました。また,環境問題との関わりは,「業務,研究,学業に従事」している方が67%と最も多くなっていました。回答者の年齢層は50歳代が最も多く,20歳代では男性より女性の方が多くなっていましたが,85%が男性でした。

 設問ごとに自由記入欄を設けましたが,半数近い129人の方が具体的な感想や要望等をご記入下さいました。ご協力いただき,まことにありがとうございました。

読者の関心に応えられているか

 主な質問項目は3点あり,最初に編集委員として最も気がかりな「お手許に届く『国立環境研究所ニュース』をお読みいただいているでしょうか?」という質問をしました。「ほとんど読む」が28%,「ぱらぱらめくって面白そうなものだけ読む」が69%で,「ほとんど読まない」は3%にとどまっていました(図1)。アンケートにお答えくださる方という「偏り」があることは承知の上で,一通り目を通していただいている方がほとんどであったことは一安心ではありました。

ニュースの読み方の回答数別グラフ
図1 ニュースの読み方は?

 次の「近頃の『ニュース』の研究報告には,興味のある内容が多かったですか」という質問では,「多かった」という回答が「少なかった」の2倍近くありましたが,まだまだ改善の余地が多いことを意味する結果でした(図2)。

興味のある内容は多かったどうかの回答数別グラフ
図2 興味のある内容は多かったですか?

 この質問に続いて,「特に興味のある記事がありましたら,具体的にご記入ください。」とお願いしたところ,「生態系のコンピュータシミュレーション」,「ディーゼル排気微粒子と肺炎」など,12月号の研究報告以外に,リモートセンシング,ダイオキシン,地球温暖化などあらゆる分野の研究報告があげられていました。また,「老人の世界観」(大井玄元所長)「見逃さない,放置しない,慌てない」(合志陽一前理事長)の随想や,毎号の巻頭言にも関心が集まっていました。同じ号の中ではなるべくテーマが偏らないように心掛けてはいますが,このような多様な関心をお持ちの読者の要求にどこまで応えられるかがいつも頭を痛めています。

わかりやすい紙面作りはできているか

 「近頃の『ニュース』の研究報告には,わかりやすい内容が多かったですか。」という質問では,「多かった」が「少なかった」の3倍でしたが,半数以上は「どちらともいえない」という回答でした(図3)。

わかりやすさの回答数別グラフ
図3 わかりやすい研究報告は多かったですか?

 具体的に「特にわかりやすかった記事」をあげていただいたところ,12月号の記事以外に「生き物を数える」など各号の「環境問題基礎知識」が多く上がっていました。

 逆に「特にわかりにくかった記事」としては,シミュレーション,リモートセンシング関連が比較的多かったですが,いずれも読みやすかったという記事にも上げられていました。多様な読者の専門性ゆえ,当然の結果ではありますが,詳しくかつ分かりやすくという課題は一層心掛けたいと思います。

ご指摘を今後の編集に活かします

 最後に,「『ニュース』をよりよいものとするために,記事の書き方へのご要望や,こんな情報も載せてほしいなど,ご提案があれば是非お聞かせください。」とお願いしました。

 具体的な提案としては,ポンチ絵,グラフ,写真など視覚に訴えるものを多くし,かつ丁寧な説明を付ける。さらに詳しく知りたい読者のために参照すべき文献やwebsiteを紹介する。要望としては,研究課題と身近な環境問題とも関わりを明確に,社会的に関心の高い課題をタイムリーになどがありました。国環研全体の動きが読みとれる構成を,研究者の顔が見えるように,などいずれも貴重な指摘です。編集会議では,「高校で学ぶ知識で理解できる程度のわかりやすさで,簡潔に」という観点でコメントを付けて,筆者に改訂をお願いしています。図を多くする,筆者プロフィールを付けるなど,これらの点について配慮して編集してきましたが,まだまだ努力不足のようです。読みやすさという点では,本号に初めてインタビュー形式の記事を載せましたが,この試みはいかがだったでしょうか。テーマ別の広報誌としては「環境儀」がありますので,読者の皆様にはニュースと「環境儀」をあわせてお読みいただき環境問題と環境研究所の活動の理解を深めていただければ幸いです。

 なお,「『ニュース』は国立環境研究所ホームページでも閲覧できますが,今後も配布の継続を希望されますか。」という問いに希望しないという回答は,郵送およびFAX回答者の8.7%でした(継続を希望される方には引き続き郵送致します)。国立環境研究所では,環境問題に関心をお持ちのすべての皆様によりいっそう環境問題の理解を深めていただくため,ホームページの充実をはかっております。ニュースについても過去のニュース記事が読めるだけでなく,テーマ別に記事を検索できるなど活用しやすくなっておりますので,あわせてご活用下さい。

 今回のアンケートに寄せられた貴重なご意見を今後の編集に活かしていきたいと思います。

(たむら けんじ,環境健康研究領域)


*ニュースに対するご意見はFAX,メールで随時受け付けておりますので,今後ともお気づきの点がありましたら,お知らせ下さいますよう願い致します。

執筆者プロフィール:

昨年まで中国で大気汚染の健康影響調査研究を行ってきました。その様子は7月発行予定の環境儀21号に載る予定ですが,中国の現地調査で気を付けねばいけないことは食べ過ぎ,という結果が顔に出ていました。 ニュース編集小委員長も3期目。研究所の新体制スタートには間に合いませんでしたが,この1年,少しずつでもよい誌面作りを進めたいと思います。