「第22回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
酒巻 史郎
地方環境研究所(以下,地環研)と国立環境研究所(以下,国環研)との協力関係をより一層深め,発展させることを目的として,「地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」が平成15年2月22日に国立環境研究所において開催された。第22回を迎えた今回は,地環研側から全国環境研協議会(全環研)の谷川会長(新潟県保健環境科学研究所所長)をはじめ,副会長,支部長及び常任理事計12名(内代理5名),オブザーバーとして次期会長県の埼玉県環境科学国際センター所長,国環研側からは合志理事長をはじめ幹部職員15名の出席があった。
検討会では,国環研理事長,全環研会長,それに来賓を代表して環境省総合環境政策局総務課環境研究技術室の徳田室長から挨拶があった後,議事として国環研の概況説明,環境研修センターの概況説明(環境省環境研修センター中崎所長)とそれらに対する質疑が順次行われた。その後,全環研からの要望事項6項目(a.標準試料の提供 b.ダイオキシン類の分析条件等の公開 c.土壌中の不法処分廃棄物の特定に関する研究指導・情報提供 d.共同研究への財政支援の充実 e.酸性雨全国調査データの解析 f.環境研修の充実)についての国環研及び環境研修センターからの回答とそれらに対する率直な意見交換が行われた。本検討会を通して地環研と国環研が相互理解を深めることができたことは,今後の環境研究を共同して発展させて行く上で大きな意義があろう。
翌日の見学会では,地球温暖化研究棟を始め,新施設の循環・廃棄物研究棟,環境生物保存棟や環境ホルモン総合研究棟を見学していただいた。
(さかまき ふみお,前研究企画官)
目次
- 水面下の環境問題
- 温室効果ガスの収支を数百km規模で推定することは可能か?─大気中の濃度観測からのアプローチ─シリーズ重点特別研究プロジェクト:「地球温暖化の影響評価と対策効果」から
- 化学輸送モデルとILASデータによる極渦崩壊後の成層圏大気の混合の研究シリーズ重点特別研究プロジェクト:「成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解明」から
- 低濃度有害化学物質の刺激作用研究ノート
- 「環境・脳・記憶」環境問題基礎知識
- 研究船「みらい」で迎えた新年海外調査研究日誌
- 「第18回全国環境研究所交流シンポジウム」−廃棄物・リサイクル研究の現在と未来−
- 新刊紹介
- 表彰・人事異動
- 編集後記
- 国立環境研究所ニュース22巻1号