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 平成8年度政府予算案の中で,科学技術振興費は10%も伸びたようです。不況風の吹く中で随分景気の良い話ですが,こちらも負けじと「国環研の『研究費』も11%も増えたのよ!」と独り言を言ってみます。

 昨年以来,研究をとりまく環境が大きく変化しつつあります。通産省,科学技術庁などが中心となって,「課題公募型研究」として新たな研究システムの開拓が進められており,これまでわが国では比較的地味に行われてきた研究の分野において,「戦略的基礎研究」を始めとして「戦略」の字が飛び交っています。「古い革袋に新しい酒」ではありませんが,新たな刺激を加えると古い入れ物も少しは変わるんじゃないかというのがその趣旨かもしれません。仏に魂が入るか否か,注視する必要がありそうです。

 環境研究の分野においても,研究費を獲得するための近視眼的戦略を超えた,総合的な研究ストラテジーが今後要求されそうです。当研究所も現状はさておき,環境研究の使命を課せられた国立研究機関としての期待に応えられるよう努力していきたいものです。(K.Y.)