「第13回地方公害研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
光本 茂記
交流シンポジウムに引き続き2月23日の午後,中会議室において標記の検討会が行われた。これは国立環境研究所(以下国環研)と,地方公共団体の公害・環境研究所(以下地公研)との間の研究協力を有効に進めて行くために,毎年この時期に開かれているもので,第13回を迎えた。今回は,地公研側から全国公害研協議会(全公研)の土屋会長(東京都環境科学研究所長)はじめ,副会長,常任理事,支部長計13名(内2名代理)全員,国環研側からは市川所長はじめ13名の幹部職員に加え,今回初めてオブザーバーとして,地公研との共同研究に関わりの深い室長等5名の出席があった。
国環研所長,全公研会長,環境研究技術課の高木試験研究調整官からの挨拶の後,議事に入った。
議事は市川所長が議長を務め,以下のような議題で進められた。
1)国環研の概況について
2)環境研修の推進について
3)全公研協議会の活動状況について
4)部会・各支部から国立環境研究所への要望
今回の議事の特徴は,全公研の学術部会と4支部から国環研に対して,共同研究に対する予算措置,支部との交流の強化,研修の高度化等の要望がかなり率直な形で出されたことにある。これらについて国環研の方から共同研究の現状を説明し,その枠組みの中で可能な範囲で運用しているが,今後とも共同研究,交流の充実強化に務める旨の説明があり,また研修センターからは研修のあり方についての検討が開始されたとの説明がなされるなど,全公研側との間で率直な意見の交換があった。この議論は,その後の第一ホテルでの懇親会,さらに場所を変えての2次会でも続けられて大いに白熱した。
次の日の施設見学会には土屋会長をはじめ8名の参加があり,稲森総合研究官の案内で水生生物実験棟,青木企画官の案内で環境遺伝子工学実験棟,そして柴田室長の案内でICP-MS等の大型分析機器の見学を行い,なかなか好評であった。
目次
- 研究組織とはどんな組織か巻頭言
- 環境科学と行政論評
- 平成6年度国立環境研究所予算案の概要について
- アジア太平洋地域における温暖化対策の研究プロジェクト研究の紹介
- “Zooplankton community responses to chemical stressors: A comparison of results from acidification and pesticide contamination research” Karl E. Havens and Takayuki Hanazato: Environmental Pollution, 82, 277-288 (1993)論文紹介
- 地球環境問題における国家の態度はどのように決まるのだろう?研究ノート
- 春を待つチェサピーク湾のほとりから海外からのたより
- 第9回全国環境・公害研究所交流シンポジウム
- 国立環境研究所設立20周年記念行事
- 国立環境研究所環境情報ネットワーク(EI−NET)ネットワーク
- 表彰・主要人事異動
- 編集後記