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所長 小泉 明

こいずみあきらの写真

 平成2年7月1日を期して、研究所名の改称を伴う大幅な組織改編が行われてから、やがて1年になろうとしている。この間、研究部門、研究支援部門を問わず、研究所全員の一致した協力と並々ならぬ努力の甲斐があって、新しい研究体制が軌道に乗り、すでにその成果も上がりつつあることは、慶賀に堪えない次第である。

 思えば実に大きな改組であった。それまでの特別研究のプロジェクト体制をそのまま研究所組織に組み込んだ総合研究部門(地球ならびに地域環境研究グループ)、分野別研究の役割を明確にした基盤研究部門(6研究部)、時代の要請に応える環境情報センター、旧公害研修所から研究所の組織と一体化した形に改められた環境研修センター、そして10月1日に発足した地球環境研究センター、それぞれが互いに連携を取りながら、その使命を全うしている姿がすでに定着している。

 現在の新しい研究体制の構想は、実はすでに開設時に研究所の指針を示された茅レポート(国立公害研究所設立準備委員会報告書、昭和48年3月)に盛られていた。この茅レポートの趣旨を生かしてまとめられたのが国立公害研究所評議委員会提言「国立公害研究所における今後の研究体制の整備等のあり方について」であり、それを受けて実施されたのが今回の大改組である。

 いま茅レポートの理念に基づくプロジェクト研究の体制は強化されたといえよう。しかしここで忘れることも、軽視することもできないのは、基礎研究の重要性である。基礎研究なくして環境研究は成り立たない。環境研究を推し進めるエネルギーは基礎研究である。また、次代のプロジェクト研究を生み出すのも、実は外ならぬ基礎研究である。