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環境研究のさらなる進展に向けて

巻頭言

国務大臣 環境庁長官 愛知 和男

あいちかずおの写真

 環境問題に対する世界の関心が今ほど高まっている時はないでしょう。地球の温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨などの地球環境問題は、様々な国際会議の場で常に取り上げられており、1992年6月には、「環境と開発に関する国連会議」がブラジルで開催されます。

 先の湾岸危機に際しては、原油の流出による海洋汚染、油井の炎上による大気汚染など、地球環境へ及ぼす影響について大変憂慮される事態が生じました。環境庁では、関係省庁とも連携をとり、いち早く政府環境調査団を現地に派遣するなど、積極的に対応しております。

 今日の環境問題の解決のためには、地球の生態系の維持と人の経済社会活動との両立が図られるよう、経済社会活動に関する諸政策と環境政策の密接な連携の下に、経済社会及び人々の生活様式を環境に配慮したものに変革し、「環境保全型社会」を地球規模で形成していかなければなりません。

 環境研究は、環境政策を進めるための科学的基礎を提供するものであり、その重要性は今さら申すまでもありません。

 国立環境研究所は、これまで幅広い分野の研究者の協力のもとに、我が国の環境研究の進展に多くの成果を挙げてきました。私も、去る1月22日、研究所を視察し、研究者の皆様が様々な課題に真剣に取り組む姿に接し、また日頃の研究の成果を拝見し、環境研究のさらなる進展を確信したところであります。

 人類の生存の基盤をゆるがしかねない環境問題に対処するためには、我が国の環境研究の中枢機関である国立環境研究所が、地球環境研究センター等を活用し、国際的な研究協力の拠点としても積極的役割を果たすことが求められています。

 国立環境研究所の皆様の一層のご活躍を期待しております。

(あいち かずお)