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環境研究総合推進費による研究(未来環境創造型基礎研究)


2.化学物質による生物・環境負荷の総合評価法の開発に関する研究
―培養神経細胞における神経突起伸展を指標とした化学物質の毒性評価―


〔担当者〕

地域環境研究グループ 国本 学・中杉修身

〔期 間〕
平成9〜11年度(1997〜1999年度)

〔目 的〕
 本研究は,培養細胞を中心とした生物学的プロセスを利用して,生物学的指標による環境中化学物質の評価手法開発を目的としている。その分担課題として,培養神経細胞における神経突起伸展を指標とした化学物質の毒性評価法開発を試みた。

〔内 容〕
 株化神経細胞であるヒト神経芽細胞腫NB-1細胞は,培養下において自発的に神経突起を伸展するが,
dibutyryl cAMPの共存によってその突起伸展は著しく促進される。この突起伸展に伴って,神経軸索に局在し,特に成長円錐(伸展する神経突起の先端部分のアメーバ様構造体)に濃縮されている細胞膜裏打ちタンパク質440kD ankyrinBの発現が亢進する。そこで,神経細胞に特異的な機能・現象であるこの神経突起伸展並びに440kD ankyrinB発現を指標として,本年度は30種類の化学物質の毒性評価を試みた。検討対象物質でもあり,水俣病の原因物質としても知られる神経毒,メチル水銀の暴露では,生細胞数にほとんど変化の見られない濃度への暴露により,神経突起伸展が有意に抑制され,同時に440kD ankyrinB発現量も対照の50%以下に減少した。従って,少なくともメチル水銀様の神経毒性を有する物質は,本法によって検出可能と考えられるが,同様の毒性を有する物質の存在の可能性が示唆される。逆に,神経突起伸展を促進する活性の存在も明らかになりつつある。また,神経突起伸展状況の評価を位相差顕微鏡写真撮影とコンピュータ画像解析を組み合わせ用いて行っているが,多くの部分が依然として手作業による操作を必要としており,簡便により高度に行える自動化システムの開発が今後の課題である。


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