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経常研究


社会環境システム部


研究課題 1)環境問題における基本的課題に関わる研究
〔担当者〕 大井 紘
〔期 間〕 平成7〜12年度(1995〜2000年度)
〔内 容〕 (1)環境学の形成の準備として,環境社会学の研究のあり方について検討し,環境社会学が一つの連字符社会学となることなく,社会学というディスプリンに拘束されない社会的問題としての環境の研究を行うべきことを指摘した。(2)サウンドスケープ思想を検討し,サウンドスケープの考え方における次の特徴を明らかにした:a)意味論的環境観がとられており,通常の分析的科学における機械論的環境観との対照を示している。b)問題認識における理論負荷性が明確に意識されていて,前項のいずれの環境観によって見るかによって,環境の説明の仕方が規定されることを指摘する。c)人が音との間に持つ関係性に規定された「環境イメージ」によって音の認識が形成される(ニコライ堂効果)ことの重視が見いだされる。これらのことは,音環境に限らず,環境認識の形態を考察するとき,従って環境研究における問題認識において重要である。
〔発 表〕 C-4,5

研究課題 2)環境問題にかかわる質的情報の取り扱いに関する基礎的研究
〔担当者〕 大井 紘・須賀伸介・近藤美則*1 (*1地域環境研究グループ)
〔期 間〕 平成7〜12年度(1995〜2000年度)
〔内 容〕 (1)住工混在地域において環境意識調査を自由記述法によって行い,「住みよさ」に関する回答を交通・買い物などの主題別に集計し,回答者群が回答主題によってクラスター分析で鮮明に分離されることを示した。(2)東京湾の沿岸住民に対する,刺激語を「東京湾」「海」とした自由記述法による意識調査について,回答を単語に分析して,その出現頻度の分析とクラスター分析を行って海に関する印象の構造を明らかにした。(3)「聞こえる音」に関する自由記述法と選択肢法とによる2群の調査結果を比較し,自由記述法による回答の分析結果から,選択肢法において設定すべき選択項目を改良する方向を見いだした。(4)大規模開発に関して,地域住民に対して選択肢法と自由記述法との併用によって環境意識調査を行ったところ,選択肢法の設問においてほぼ同じ回答を与える回答者群が,自由記述法の回答において,多様な意識を表出することを見いだした。
〔発 表〕 c-6,16

研究課題 3)環境問題の社会経済的側面の分析と環境保全施策に関する基礎的研究
〔担当者〕 後藤典弘・後藤則行・青柳みどり・日引 聡・川島康子・森田恒幸*1 (*1地球環境研究グループ)
〔期 間〕 平成8〜10年度(1996〜1998年度)
〔内 容〕 家計のエネルギー消費について,全国消費実態調査等の統計を用いた分析を行い,エネルギーと環境との関連性及び環境保全政策について明らかにした。さらに政策の問題点の分析から,その望ましい方向性を検討した。また,人々の環境保全行動の促進・阻害要因となる環境知識や認識の程度の現状を調査し,それらに与えるメディア等の影響を分析した。
 一方,事業者等の行う環境負荷低減に向けての各種方策については,廃家電製品の一部や特定の容器包装廃棄物の事業者の引き取り方策を“拡大された事業者責務”として検討・評価した。さらに,産業エコロジーの観点から,我が国での主要な取組みをまとめた。
〔発 表〕 K-52,C-2,3,16,17,19,21,c-1〜5

研究課題 4)地球環境保全のための国際協調の可能性に関する研究
〔担当者〕 後藤則行・川島康子・森田恒幸*1 (*1地球環境研究グループ)
〔期 間〕 平成6〜8年度(1994〜1996年度)
〔内 容〕 地球環境問題の中でも特に重要とされている気候変動枠組条約に関する国際交渉を取り上げ,炭素税や排出権売買の導入,2000年以降の先進国の排出量の目標設定など,解決に向けた国際的枠組みの創設につながるようないくつかの具体的な方策について,その経済的効果や合意可能性を検討した。(1)公平性のさまざまな基準を整理し,これらの基準に基づいて二酸化炭素排出量(CO)削減量を各国に割り当てる方法を比較検討した。この結果,基準を増やすほど一律削減に近づき安くなることを示した。(2)CO排出量を削減するために,先進国で共通の炭素税やエネルギー効率基準を導入したときの経済的効果を推計した。この結果,基準設定と炭素税を組み合わせることにより,炭素税率を低く押さえたままでより効果的に排出量が抑制されることが示された。
〔発 表〕 C-11〜15,c-11,12

研究課題 5)環境政策が経済に及ぼす影響の分析
〔担当者〕 後藤則行・日引 聡
〔期 間〕 平成6〜8年度(1994〜1996年度)
〔内 容〕 運輸部門からのCO排出削減可能性の検討のために,荷主にとってのモーダルシフトの容易さの程度(具体的には,モード間の代替弾力性)を推計し,炭素税導入がモーダルシフトを通してCO削減に及ぼす効果を検討した。具体的な内容は次のとおり。(1)1963年から1993年のデータを用いて,日本の貨物輸送の費用関数(トランス=ログ関数を使った)をSUR推定し,貨物輸送の計量経済モデルを構築した。(2)上の結果から,モード間(自動車,鉄道,船舶)の代替弾力性を推計した。この結果,鉄道と自動車及び自動車と船舶の代替は年々容易になっているが,鉄道と船舶のそれは容易でなくなっていることが分かった。(3)費用関数から,各モードの輸送需要関数を導出し,炭素税の導入によるCO排出量削減について分析した。この結果,貨物輸送からのCOを1%削減するために必要な炭素税は,14,755円/炭素トンと推計された。
〔発 表〕 C-35〜42

研究課題 6)水資源の開発に伴う環境影響の解析
〔担当者〕 乙間末廣・森 保文
〔期 間〕 平成7〜11年度(1995〜1999年度)
〔内 容〕 環境資源の開発行為が自然・社会に与える影響について,データを収集し,将来環境に配慮した開発を行うための予測モデルや政策支援システムの構築を目指した研究に着手した。また,環境影響データの新しい収集方法として,市民参加型の環境モニタリングを取り上げ,その利用方法などを検討した。
 具体的には,水資源開発と水環境の関係について調査研究を実施した。富栄養化した水源から水を取水し,広域に水を分配する事業では,(1)用水システム内での水質の変化,(2)汚濁した水を受け入れる農地への影響,(3)地域の水環境の変化などが問題となる。これらについて調査検討した。

研究課題 7)資源の循環利用による廃棄物の減量化とその社会・環境影響に関する研究
〔担当者〕 後藤典弘・乙間末廣・森 保文・寺園 淳
〔期 間〕 平成4〜8年度(1992〜1996年度)
〔内 容〕 資源採取,生産,使用・消費,廃棄という製品の一生を通した環境負荷を評価するライフサイクルアセスメント手法の確立をめざし,具体的な事例研究に着手し,ヒヤリングと文献調査によりデータを収集した。事例として素材の異なる飲料容器をとりあげ,各過程でのエネルギー使用量・二酸化炭素排出量,容器のリサイクル効果,処理・処分方法の影響を定量的に解析,評価する基礎を得た。また,ごみ発電を対象に,焼却・発電プラントの生産エネルギー,ごみ収集エネルギー及び発電回収エネルギーに関するデータを収集した。特に,メーカーの協力により,焼却・スーパーごみ発電プラントの生産にかかわる詳細なデータが得られ,解析,検討した。
〔発 表〕 K-50,C-6〜10,20,27,29,30,c-7〜10,24,26,27,29,37

研究課題 8)地域特性を考慮した環境計画の基本モデルに関する研究
〔担当者〕 原沢英夫・青木陽二・高橋 潔
〔期 間〕 平成7〜11年度(1995〜1999年度)
〔内 容〕 自治体レベルの環境基本計画づくりでは,地域特性を活かし,住民参加による計画づくりが課題となっている。本年度は,前年度に引き続き自治体レベルでの基本計画策定プロセスに参画することにより問題点の把握と整理を行った。
 地方自治体レベルで地域特性を考慮した環境基本計画を進めるにあたって抽出された問題点は,環境基本条例の役割と位置づけ,環境権のあり方,環境アセスメントの実効あるシステムなど基本方針にかかわる諸点とともに,庁内調整や計画のフォローアップのメカニズム,住民関与のあり方と情報提供などが重要な点として挙げられる。T市の環境基本計画の策定に参画したが,計画策定段階で積極的に住民参加を位置づけるとともに,自然環境マップなど地域の情報を効果的に用いることにより,関連主体の合意をはかりながら計画策定することが可能となることが分かった。また計画策定に関与したT,G県における環境基本計画は決定して公表された。
〔発 表〕 C-31

研究課題 9)地理・画像情報の処理解析システムに関する研究
〔担当者〕 田村正行・須賀伸介・清水 明・山形与志樹・安岡善文*1・宮崎忠国*1 (*1地球環境研究センター)
〔期 間〕 平成7〜10年度(1995〜1998年度)
〔内 容〕 広域化,多様化している環境問題に対処するためには,環境の監視,評価に際して,測定点において得られる汚染質濃度等の数値情報に加えて,人工衛星データ,地図データ,景観写真データなどの地理,画像情報を有効に活用することが不可欠である。本研究では,様々な画像情報を利用して,環境を解析し評価するための手法及びシステムを開発することを目的とし,平成8年度は,(1)人工衛星NOAAからの信号受信,処理システムの構築,(2)NOAA AVHRR画像のアジアモザイク画像および植生指数図作成手法の開発,(3)人工衛星データからの水質計測手法,土地被覆分布計測手法の開発,(4)人工衛星データと地理データの融合処理手法の開発を行った。
〔発 表〕 C-23,24,43〜47,c-13,17〜21

研究課題 10)環境評価のためのモデリングとシミュレーション手法に関する研究
〔担当者〕 須賀伸介・田村正行・清水 明・山形与志樹
〔期 間〕 平成7〜10年度(1995〜1998年度)
〔内 容〕 環境を定量的に評価する立場から,種々の環境現象に対するモデルの構築及びそのシミュレーションに関する基礎研究を行った。特に,環境現象のモデル解析でしばしば現れる数値解析手法,シミュレーション手法等について検討を行い,以下の結果を得た。(1)壁面における音の反射特性をモデル化し,境界要素法を用いて音場をシミュレートする手法を開発した。また,(2)現象を離散化する手法として,ウェーブレット変換の有効性を検証した。さらに,(3)シミュレーション結果を三次元コンピュータ・グラフィックスを用いて可視化するためのシステムを開発した。
〔発 表〕 C-25,26

研究課題 11)人間社会的尺度から見た景観価値の解明
〔担当者〕 青木陽二
〔期 間〕 平成8〜12年度(1996〜2000年度)
〔内 容〕 本年度は,過去に報告された欧文の景観評価研究について,年代順に研究テーマと方法論の変化について調べた。また江戸から明治にかけての外国人の日本の風景に対する評価に関する文献を収集した。環境計画の一分野として考えられる風景地計画に関する知見を集めるため,国内の自然風景地利用行動の計測方法に関する研究成果について,ヒヤリング,アンケート調査を行った。また利用行動を通した風景地評価の方法を探るため,奥日光湯滝駐車場の利用変動を分析した。
〔発 表〕 C-1

研究課題 12)国際政治的コストを含めた地球温暖化対策費用の推定(奨励研究)
〔担当者〕 川島康子
〔期 間〕 平成8年度(1996年度)
〔内 容〕 気候変動に関する今後の予測を行うためには,その背後にある政治経済的な動向を含めた予測が必要である。そこで,政策決定者へのアンケート及びインタビュー調査によりシナリオを段階的に収束させるシナリオ作成法を用いた調査を行った。その結果,回答者の予想は2つの異なるシナリオに収束した。「先進国・途上国協調型シナリオ」では,排出権取引等の制度を活用し,先進国の技術や資金で途上国の排出量を抑制する。ここでは,先進国の義務放棄ではないかという途上国の不信感の除去にかかる費用が政治的コストとなる。一方,「先進国の技術開発主導型シナリオ」では,先進国が省エネ,新エネ技術開発の契機と考え,CO排出量交渉には,技術交渉が反映される。ここでは,これらの技術を途上国に移転するのにかかる費用が政治的コストとなる。国際協調には,これらの国際政治的コストを負担するという意識が必要である。

研究課題 13)有害物質としてのアスベストのライフサイクルアセスメント(奨励研究)
〔担当者〕 寺園 淳
〔期 間〕 平成8年度(1996年度)
〔内 容〕 ライフサイクル・アセスメント(LCA)における有害物質の評価方法に関する問題点の所在を明示・整理し,LCAにおける有害物質一般の取扱い方や評価方法の検討に基礎事例を提供することを目的として,断熱材であるアスベストに対してLCAを試みた。
 吹付けアスベストのライフサイクルにおける環境影響として,エネルギー消費,及びアスベスト飛散による健康リスク(処理処分段階のみ)を試算した。この際,LCAより健康リスク評価を行う時の課題であるパルス-フラックス問題と,その解決のための環境モデルの必要性が示された。処理処分段階においては溶融と埋立のシナリオに対し,エネルギー消費と健康リスクに関するトレードオフの事例を示した。このトレードオフに対して既存のライフサイクル・インパクトアセスメント手法の適用を検討しながら,有害物質の評価に必要な要件の整理を行い,望ましい評価方法に向けた方向性を提示した。
〔発 表〕 c-23,25,28

研究課題 14)NOAA画像検索システムの開発(奨励研究)
〔担当者〕 清水 明
〔期 間〕 平成8年度(1996年度)
〔内 容〕 (1)NOAA衛星の受信画像データの検索を,人による目視作業を介在しないで自動処理する方法について,当初考えていた作動原理に基づくシステムのプロトタイプを製作して実験した結果,実際に稼働可能なシステムが構築できることを確認した。(2)本システムの特徴である,データを予備処理して目的別の2値画像データセットを作りこれを検索する方式によれば,少ない記憶容量で長期間のデータ管理が可能であり,規模の小さなシステムでも高速な処理ができることが明らかになった。(3)全体の設計に際し,大きな記憶容量が必要なオリジナル受信データをはじめとして,各種情報が要約された2値画像まで一連の処理段階のデータを階層的に整理し直した結果,今後の課題であるネットワーク上で運用するための受信データ検索システム構築における,検索機能とネットワーク負荷の合理的な配分についての見通しが明らかになった。
〔発 表〕 c-13

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