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科学技術振興調整費による研究


1.総合研究


(1)バイカル湖の湖底泥を用いる長期環境変動の解析 に関する国際共同研究

〔担当者〕

化学環境部 河合崇欣・柴田康行・ 田中 敦・相馬悠子
水土壌圏環境部 高松武次郎
地球環境研究グループ 功刀正行・森田昌敏
科学技術特別研究員 南 浩史

〔期 間〕
平成7〜11年度(1995〜1999年度)

〔目 的〕
 世界最古のバイカル湖湖底堆積層の不攪乱柱状試料を採取し,物理・化学的,陸水学的,生物・生態学的測定及びデータの解析によって,ユーラシア大陸北東域の長期(〜1000万年)気候・環境変動を再現する。科学情報として極めて不十分な状態にある内陸域古環境変動に関する緻密で連続性の良い情報を得ることによって,氷床柱状試料・海洋底柱状試料等によって検討されてきた地球環境変動の議論を補完する。ここでは,主として不攪乱柱状試料採取,化学分析及びデータベースの構築を行う。

〔内 容〕
 平成9年度は,バイカル湖の湖底堆積層から採取した200mの不撹乱柱状試料を測定・分析し,過去500万年程度のバイカル湖地域の気候や環境の変化を再現するための解析の準備を進めた。また,600m柱状試料の採取に成功した。地球の気候変動に与える地表条件の影響を考察する目的で,ミランコビッチサイクルの検証や生物相変動(花粉,有機化合物,光合成色素など)についても解析を進めた。
 具体的には,以下のような研究課題を他省庁研究機関,各大学と共同で設定するとともに,ロシア・アメリカ・ドイツの研究者との共同研究で総合的な測定・解析を行っている。
 1)不撹乱柱状試料の採取及び現場測定
 @掘削地点の選定に関する研究
 Aドリリング
 B物理検層及びガス成分分析 2)堆積年代決定法に関する研究
 @14C加速器質量分析法による堆積年代決定に関する研究
 A10Be加速器質量分析法による1千万年絶対年代決定法の実用化に関する研究
 B古地磁気・岩石磁気年代測定などによる堆積年代の高密度測定(実用)
 3)環境情報解読に関する研究
 @堆積物の物性測定による環境変動解析に関する研究
 A堆積物中の有機化合物を指標とした環境変動の解析に関する研究
 B堆積物中の無機元素変動と環境変化に関する研究
 C生元素安定同位体自然存在比測定による物質循環系の構造解明に関する研究
 4)古生物情報解析に関する研究
 @植生変遷史に関する研究
 A植物化石花粉の葉緑体DNA分析による植物分子系統進化に関する研究
 B水域環境変化と微化石群集変動に関する研究
 5)バイカル湖流域条件及び流域条件の変化に関する研究
 6)バイカルデータベースに関する研究


(2)成層圏の変動とその気候に及ぼす影響に関する国際共同研究
  @オゾンに関わる光化学基本モデルの開発

〔担当者〕

地球環境研究グループ 秋吉英治

〔期 間〕
平成7〜9年度(1995〜1997年度)

〔目 的〕
 大気中の二酸化炭素の増加や火山性エアロゾルの増加によって引き起こされる温度,オゾン,その他の化学微量成分気体濃度の変動を,光化学過程,放射過程,輸送過程の間の相互作用を考慮に入れた総合的立場から正確に理解するために,1次元光化学−放射結合モデルを開発し,数値実験を行い,結果の考察を行う。また,本研究で開発した1次元結合モデルの光化学スキーム及び光化学−放射結合スキームを,東京大学気候システム研究センター/国立環境研究所共同開発3次元大気大循環モデル(GCM)に導入する。この3次元光化学モデルは,光化学−放射−輸送過程が複雑に絡んだ大気の変動(温室効果気体の増加とオゾン層の変動など)に関する研究に近い将来有用なものとなるであろう。

〔内 容〕
 1次元光化学−放射結合モデルの開発を引き続き行った。Ox,HOx,NOx,CHOx,ClOx物質の吸収断面積や化学反応係数のデータなどをJPL-97により最新のものに変え,若干の光化学反応式の追加を行った。このモデルを用いた二酸化炭素突然倍増実験と,ピナツボ火山爆発による成層圏の硫酸エアロゾル増加実験の結果に関して,前年度までに得られた結果とほぼ同じ結果が得られた。
 1)二酸化炭素増加実験では,成層圏上部の温度低下によりオゾンが増加し,それによって,成層圏下部に届く紫外線が減少し,O(1D)の生成が減少し,それが成層圏下部のNOxやオゾンを数年のオーダーでゆっくり変化させる。
 2)ピナツボ火山爆発による成層圏硫酸エアロゾルの増加実験では,25〜33kmの高度でオゾンが最大3%増加,25km以下で最大約5%減少という,観測事実とよく似た結果を得た。硫酸エアロゾル上で起こる不均一反応により,NOxが減少したため,二酸化炭素増加実験で示されたような紫外線とO(1D)とNOxが介在した光化学−放射相互作用によるゆっくりとしたオゾン変動はほとんど起こらず,オゾン減少の最大は,ほぼエアロゾル量の最大の時期に現れ,約5〜6年後に元のオゾン量に回復した。この1次元モデルで開発した光化学スキーム及び光化学−放射結合スキームは,スペクトル平均吸収断面積データなどの光化学計算に必要な基本データベースを3次元モデル用に再計算して,東京大学気候システム研究センター/国立環境研究所3次元大気大循環モデルに導入された。オゾンをはじめ,種々の光化学微量成分の空間分布・季節変動ともよく再現されている。

[発 表]A-3〜6,a-2〜8


A成層圏オゾンに影響を及ぼす臭化メチル等の発生起源に関する研究

〔担当者〕

化学環境部 横内陽子

〔期 間〕
平成7〜9年度(1995〜1997年度)

〔目 的〕
 北半球高・中・低緯度域における臭化メチル,塩化メチル,ヨウ化メチルの大気濃度変動を測定して,これらハロカーボンの発生量,現存量変動を解析するための基礎データを集積する。

〔内 容〕
 波照間(北緯24°37’),北極域のアラート(北緯82.5°),北太平洋(北緯40-52°)における定期大気サンプリングを継続した。アラート,北太平洋上における塩化メチルは夏にやや低濃度となる季節変化を示した。波照間ではしばしば700pptを上回る塩化メチルが観測されてこの化合物の発生源が沿岸域であることを強く示唆した。また,短寿命であるが効果的なオゾン破壊物質であるヨウ化メチルは北太平洋上において夏に最高濃度となり,外洋の植物プランクトンによる生成が示唆された。アラートでは光分解速度が大きくなる夏にヨウ化メチル濃度が最低となり,発生源から遠いことが示唆された。臭化メチル濃度については塩化メチル同様,夏に低くOHラジカル反応による消失を反映するものと考えられた。

[発 表]D-39,d-43


B成層圏変動の気候への影響に関する解析及びモデルを用いた研究−衛星データ等を用いた解析的研究−衛星データ等を用いた極渦構造の力学的解析−

〔担当者〕

地球環境研究センター 神沢 博
地球環境研究グループ 笹野泰弘
大気圏環境部 菅田誠治

〔期 間〕
平成7〜9年度(1995〜1997年度)

〔目 的〕
 成層圏極渦の構造,極渦の孤立性の機構を力学的解析によって理解することである。極渦の構造は,オゾン,温室効果ガス等の分布を決める大きな要素であり,それらの分布は,直接的には放射過程を通して,間接的には,放射過程によって規定される成層圏の温度分布,さらには,温度と密接な関係がある風の分布を通して,気候へ影響を及ぼす。
 成層圏の温度分布は,基本的には,オゾンによる紫外線の吸収加熱と二酸化炭素,オゾン,水蒸気の赤外放射冷却のバランスによって定まっている。大気の運動による力学的な熱の輸送,さらには,オゾン等の物質の輸送が,その温度分布を変化させる要因となる。成層圏の極渦とは,冬季に西から東に吹く強い風(極夜ジェットといわれる)が低温の極域を取り巻くように流れている様をいう。極の真上からみれば,北半球では左回りの渦,南半球では右回りの渦ができている。秋から冬にかけて発達し,南半球においては春,11月頃まで持続する。北半球においては,通常3月頃まで持続する。南半球の極渦の方が強く,かつ,持続期間も長い。南極域においてオゾンホールが発達するのは,この極渦の性質のためである。

〔内 容〕
 問題意識:極渦の空気の入れ替わりの機構及びタイムスケール(極渦の孤立性)を特定する。その際,上下方向の交換(成層圏対流圏間の空気粒子交換)および緯度方向の交換の両者に着目し,両者を統一的に理解する。また,「極渦の孤立性が高まる」ことは,「極渦内の空気と低緯度の空気との混合が小さい」ことを意味し,以下の2つの過程が働くことを意味する:「低緯度からの熱輸送が小さい→低温→オゾン破壊」;「低緯度からのオゾン輸送が小さい→低温」。両者の過程とも低オゾン低温度の状態を招き,極渦の孤立性がさらに高まると考えられる。この両者の過程の寄与の大きさを評価する。
 本年度の研究内容:1996/1997年北半球冬においては,極渦が非常に安定で異常に長期間持続した。そのことと関連し,北極の春のオゾン量が異常に低かったことが,衛星センサーTOMSのオゾン全量データ等からわかっている。1996/1997年北半球冬の期間に環境庁開発のILASセンサーにより取得されたデータを解析し,極渦内で以下の特徴を見いだした。空気運動のトレーサーとなる長寿命不活性気体N2O,CH4が少なく,極渦内で下降運動が起こっていることを示唆する。さらに,同期間につき,N2Oのデータが等混合比の値を取る高度を日々追跡することにより,極渦内で確かに下降運動が起こっていたことを見いだした(約1km/month)。定量的に確信を得るためには,さらなるデータ質評価が必要である。また,気象データを使用した多数の空気粒子(数万個)のトラジェクトリー解析から,極渦の下部成層圏高度の領域(温位400〜700K)の水平方向の1日当たりの出入りは,領域質量の1%以下であることがわかった(1カ月当たりの入れ替わりは3割以下)。トラジェクトリー解析手法の確認を含め解析を継続する。

[発 表]I-13,i-10,12,13,15,18,19,23,24


(3)システムと人間の調和のための人間特性に関する基礎的・基盤的研究
  @住工・住商混在地域のサウンドスケープ評価に関する研究

〔担当者〕

社会環境システム部 大井 紘
武庫川女子大学 平松幸三

〔期 間〕
平成8〜9年度(1996〜1997年度)

〔目 的〕
 住工・住商混在地域の住民に対して,自由記述法によって音環境などにかかわることについて記述してもらい,回答を読みとることによって,住民のサウンドスケープにかかわる主題を分類し,また回答中に現れた問題の関係者への聞き取り調査を行って,問題構造や原因を分析する。さらに,得られた回答文に記述された主題を集計する。また,当該調査地域において音のレベルや音源の音種を調査分析する。
 これらの分析結果と地域特性との関係を検討することを通して,その地域住民のサウンドスケープの認識形態と形成過程を明らかにする。具体的には,工が住に対して就労の場となることなど,住との親密さを向上さることなどの利点と,住工の歴史的な共存とによって,両者の中に生まれる環境評価感覚,あるいは,逆に急激に生じた混在によって生じた感覚を探るものである。
 この結果から,職住接近・町並みの多様性などの利点を含むが騒音などの近隣公害を生じやすい都市の混在地域におけるコミュニティーの在り方がサウンドスケープとしての音環境の認識に与える要因を解明し,地域住民の感覚による評価法を確立することを目指す。

〔内 容〕
 1)伝統的な住工商混在地域である京都市の西陣地区において,地域住民に対して自由記述法で,「住みよさ」,「住みにくさ」,「最近聞こえる音」,「以前聞こえた音」「地域の将来イメージ」について回答を求めた。その結果から,西陣の人々において近隣居住者同士の人間関係が重要視されていることが明らかになった。また,以前さかんに聞かれた西陣織の力織機の音と現在とを比較する態度を示しており,西陣織産業の動向と地区の高齢化を懸念するものが多かった。
 2)東京都のひとつの工業地帯であったが住工混在化が進んでいる板橋区において,区の環境保全課に公害苦情を寄せた者に対して,公害事由や被害状況や経過について自由記述法により回答を求めたデータを分析した。公害苦情を申し立てるに至る経過をみると,近くに工場があることを知らないで入居したというケースが多く,そのことが音あるいは音源者に対する意味づけを規定して,迷惑感を増幅していることが見て取れる。区の担当者は,公害発生の防除を工場側に求めるにしても,資力がない,防除投資が引き合わない,投資をしたところで工場には後継者がいないなどの事態に苦悩している。
 西陣地区の調査結果を概観するなら,西陣織の力織機の音に対する負の評価も見られる一方,正の評価も多く見いだされ,音がそのレベルによって騒音となるわけでないことが端的に示されている。それは,西陣織と西陣の人々との歴史的な共存・共栄関係,また工業製品である見事な西陣織に対する住民の自負によるであろう。
 それに対して,板橋区での住工混在化は,工と住の間に歴史的な共存関係を欠き,また,現時でも工と住の間の相互の依存と親密性の欠如によるもの,また,入居時のいきさつによるなどによる軋轢によるものとみられる。もちろん,中小工場に公害防除を行わせることが困難な事情も関係している。

[発 表]C-9


(4)極限量子センシング技術の開発及びその利用のための基盤技術開発
  @全固体化レーザーによる大気微量分子計測システムの開発

〔担当者〕

大気圏環境部 杉本伸夫・松井一郎

〔期 間〕
平成8〜9年度(1996〜1997年度)

〔目 的〕
 飛翔体などを利用した将来の大気環境遠隔計測システムのための基盤技術を確立するため,全固体化レーザーを用いた大気遠隔計測技術の研究を行う。本研究では,全固体化赤外レーザーを用いたメタン計測用の差分吸収レーザーレーダー技術を開発することを目的とする。

〔内 容〕
 3ミクロン帯の全固体化光パラメトリック発振器製作し,これを光源として赤外長光路差分吸収レーザーレーダーを製作した。濃度導出には本研究前期に開発した相関分光手法を用いた。室内実験により,相関分光法による濃度導出手法を実証した。さらに,屋外の光路による測定実験を行い,計測手法及び計測システムのな評価を行った。これによって,この手法が,環境濃度のメタンの計測手法として優れた性能を持つことが示された。

〔発 表〕f-50,55


(5)植物の環境応答と形態形成の相互調節ネットワークの解明に関する研究
  @大気汚染ガスによる障害発生及び耐性の分子機構

〔担当者〕

生物圏環境部 佐治 光・久保明弘・青野光子
地域環境研究グループ 中嶋信美

〔期 間〕
平成9〜11年度(1997〜1999年度)

〔目 的〕
 植物の大気汚染ガスに対する反応の解明は,ストレス状態下にある植物の遺伝子発現制御機構などを解明するためのモデルケースとなるだけでなく,大気の浄化や汚染物質のモニタリングに植物を有効に活用していくための重要な情報となる。そのために,以下のような研究を行う。大気汚染障害に関与しているエチレンの生合成のキーエンザイムであるアミノシクロプロパンカルボン酸合成酵素(ACS)の遺伝子(cDNA)を単離し,その発現を調べるとともに植物に導入し,組換え植物を用いた研究により障害発生とエチレンの関係を明らかにする。また大気汚染ガス耐性の分子機構を解明するために,変異原処理をした植物の中から大気汚染ガスなどのストレス要因に対する感受性の高いものを選別し,その遺伝的及び生理的性質を調べるとともに原因遺伝子の単離を試みる。

〔内 容〕
 オゾンと2時間接触させたトマトの葉からACSのcDNAを単離した。これは,トマトの培養細胞で,病原抵抗性反応誘導物質のエリシターにより発現誘導されるもの(LE-ACS6)と同じ遺伝子のものであることが示唆され,その発現が,オゾンにより速やかに且つ一過的に誘導されることがわかった。ところが,二酸化硫黄や除草剤のパラコートではこの遺伝子の発現誘導が起こらず,これらのストレス間での反応の違いが明らかとなった。
 一方,変異原(速中性子線またはEMS)処理またはT-DNAタギング系統のシロイヌナズナを,温室または人工光培養室で約2〜3週間育ててから0.2ppmのオゾンと接触させ,可視障害の甚だしい個体を選抜した。さらにそれらの個体から種子を得,植物を育てて同様の条件下でオゾンの影響を野生型の植物と比較した。その結果,オゾン感受性系統として,速中性子線処理されたものから8系統,EMS処理されたものから5系統,タギングラインから1系統,合計14系統のシロイヌナズナが得られた。また,光照射下での低温またはパラコート処理に対する感受性が高いと思われる変異系統もいくつか得られた。

〔発 表〕B-52,H-1,2,8,b-137,h-1,2,8


(6)物質関連データ(生体影響,食品成分,表面分析)のデータベース化に関する研究
  @生体に悪影響を与える環境汚染に伴う化学物質のデータベース化に関する研究

〔担当者〕

化学環境部 中杉修身・白石寛明・山本貴士・佐治 光

〔期 間〕
平成9〜10年度(1997〜1998年度)

〔目 的〕
 化学物質は様々な経路を通じて生体に様々なリスクをもたらすが,環境汚染を通じての微量の暴露がもたらす環境リスクはその中でも重要なリスクの一つである。環境リスクを評価するには,毒性データとともに暴露量の予測に関するデータの整備が必要である。本研究では,暴露量の評価に必要な環境濃度やその予測に必要なデータを収集し,データベース化するとともに,それを利用したリスク評価システムを構築する。本研究の第T期で神奈川県の化学物質安全情報システム(KIS-
NET)を中心にいくつかの化学物質データーベースを選び,データベースを統合して作成した「化学物質データベース」を更新するとともに,より多くの外部データとのネットワーク化を促進する。また,第T期で構築したリスク評価システムの改良,GIS(地理情報システム)を利用した化学物質濃度予測モデルの作成や,化学物質の環境媒体間の分布予測モデルの作成などを通じて,環境リスクの地域分布を算定,評価できるシステムを構築する。

〔内 容〕
 Windows NTのアクティブサーバーページを用い,ODBCドライバーでアクセス95(Microsoft,USA)のデータベースファイルを参照するようにした結果,第T期において作成した化学物質データベース(Kis-Plus)に一切変更を加えることなく,本データベースを国立環境研究所(http://info.nies.go.jp:8093/)及び神奈川県環境科学センター(http://www.k-erc.pref.kanagawa.jp/index.htm)に置いたサーバーを用いてWWW上に公開できた。化学名,CAS番号,分子式で検索できるようにしたが,化合物の同定には,CAS番号を用いており,重複や欠番など若干の問題もあるため,国内外の各種規制,基準(大気汚染防止法,水質汚濁防止法,化審法,農薬取締法など)や内分泌撹乱物質と疑われている物質を新たに入力し,このリストから化合物を特定できるようにして利用者の便宜を図った。一方,リスク評価システムに関しては,人間活動,環境中への汚染負荷の排出量,環境汚染の状態とリスクを総合的に記述する統合型のシミュレーションモデルの設計を進めたが,インタ ーネットのWWWで一般に公開できる仕様にとはならなかった。このため,このモデルとは別途に,化学物質が環境媒体間でどのような分布をするかを予測するモデルとして,OECDで環境経由の人及び環境生物への暴露評価に妥当と評価されているモデルであるMulti−Phase Non−Steady State Equilibrium Model(MNSEM)を地域特性(県単位)を考慮した予測モデルに改変した環境リスク評価モデルをWindows上に作成し,WWW上で環境リスク評価モデルを公開するための準備を行った。

〔発 表〕D-22,b-110,d-27


(7)炭素循環に関わるグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究(FS)

〔担当者〕

化 学 環 境 部 柴田康行
社会環境システム部 田村正行

〔期 間〕
平成9年度(1997年度)

〔目 的〕
 人間活動に伴う二酸化炭素等の放出による地球温暖化は,現代の地球環境問題の中でも重要な課題である。この解決のためには全球レベルの炭素収支の把握に基づく定量的な解析が不可欠であるが,現状では情報は極めて不十分であり,正確な収支の推定が難しい。本研究では,衛星観測データに基づいて炭素収支の解析のための基礎データの全球分布図を提出する(グローバルマッピング)ことを目的とし,そのための精査地域・海域として世界の熱源である西太平洋暖水塊(WPWP)周辺の精密測定と衛星データとの突き合わせを併せて実施する。

〔内 容〕
 太平洋赤道域西部の西太平洋暖水塊の変遷とエルニーニョや人間活動との関連に関するこれまでの報告の調査とそのレビューを中心として,本研究に関するフィージビリティースタディーを行った。特に産業革命以後現代に至る,人間活動の影響のもっとも甚だしい時期の環境変化の記録を精密に読みだすための材料としてサンゴコアに着目し,太平洋からインド洋にかけてのサンゴコア研究のレビューを行ったほか,その他の海洋生物起源の炭酸塩鉱物等に関する研究の概要をまとめた。また,エルニーニョと密接な関わりをもって変動する,インド洋東南部(オーストラリア西部)の暖流「ルーウィン海流」に関する情報を収集し,そのエルニーニョ並びに世界の海洋大循環との関連の議論を紹介した。

〔発 表〕d-13


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