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経常研究


地球環境研究グループ


研究課題 1)成層圏光化学−放射−力学結合過程の基礎的研究
〔担当者〕 秋吉英治
〔期 間〕 平成6〜10年度(1994〜1998年度)
〔内 容〕 開発した鉛直1次元光化学−放射結合モデルを用いて,ピナツボ火山爆発による成層圏硫酸液滴エアロゾル増加実験を行った。成層圏エアロゾルの増加によって,硫酸エアロゾル上で起こる不均一反応が働き,25〜33kmの高度でのオゾンの増加,25km以下の高度でのオゾンの減少が得られた。25〜33kmのオゾンの増加はNOxの減少によるもので,25km以下のオゾンの減少は,HOとClOの増加によるものである。モデルで計算されたオゾンの減少が最大となる時期は,エアロゾル量が最大となる時期と一致しておらず,今後は成層圏の光化学−放射−力学結合過程に焦点を当てて,この数値実験結果の解析を行う。
〔発 表〕 A-1,a-1

研究課題 2)植物群落内光環境の時空間的不均一性に関する基礎的研究
〔担当者〕 唐 艶鴻・奥田敏統
〔期 間〕 平成6〜10年度(1994〜1998年度)
〔内 容〕 (1)マレーシア半島部のパソー保護林内において,大きなギャップと閉鎖林床で光合成光量子密度を測定し,ミクロサイトの光環境の比較を行った。その結果,ギャップ内のミクロサイトの積算光量子密度,陽斑光量子密度,陽斑の積算時間および散乱光の量は著しく高いことがわかった。また,これらの光環境のパラメータを用いて,光環境の不均一性を評価したところ,ミクロサイト間の光環境の変動係数は,閉鎖林内の方がギャップに比べ,高いことが明らかになった。(2)熱帯における地域煙霧(Regional haze)が熱帯林の光環境,特に林内の光環境に対する影響についての測定と検討を行った。可視煙霧がない快晴の日と比べ,可視煙霧が発生した日は,地上から50mのところでの光合成光量子密度が半分以下に低下し,その低下は,林内ではさらに著しいことがわかった。また,煙霧による光量子密度の低下は,林床植物,特に林床の陽葉の光合成物質生産に大きく影響することが推定される。
〔発 表〕 A-39,40,a-7,41,43M

研究課題 3)野生植物の形態の受光体制としての意義に関する研究
〔担当者〕 竹中明夫
〔期 間〕 平成7〜9年度(1995〜1997年度)
〔内 容〕 前年度に開発した植物の3次元構造にもとづいて個々の葉や植物全体の受光効率を推算する計算システムを用いて,林床に生育する常緑広葉樹の稚樹の各年齢の葉が受ける光の量と葉の寿命の関係,林床〜草地に生育するサトイモ科草本植物の強光ストレス回避のメカニズムなどの解析を行った。また,屋久島照葉樹林において稚樹の樹冠が形成されるプロセスを枝の伸長のレベルで解析するための調査を開始した。その結果,個体が置かれた光環境に応じて生成される枝の構造や空間分布パターンが異なる様子を明らかにした。
〔発 表〕 A-37,38,a-39,41,42

研究課題 4)成層圏オゾン層フィールド観測研究の高度化に関する研究
〔担当者〕 中根英昭
〔期 間〕 平成8〜9年度(1996〜1997年度)
〔内 容〕 北半球中緯度のオゾン減少の原因として,北極域のオゾン層破壊の影響と中緯度における独自のオゾン層破壊の両者が考えられるが,その寄与の大きさについては解明されていない。この問題を解明するためには,目的指向型のフィールド観測を中心とし,データ解析研究,モデル研究を合わせた総合的な研究が必要である。また,現在のフィールド観測研究においては,データセンターの機能が極めて重要な位置を占めている。本研究では,日本が実施するフィールド観測研究の観測手法,解析手法,モデルの活用,データセンター機能の高度化の方策を明らかにすることを目的とする。本年は,1994/1995年冬季に実施されたSESAME,1995/1996年冬季に行われた集中観測(Mini-Match)に関して検討するとともに,1996/1997年の集中観測について,上記の点の高度化の方策について検討した。
〔発 表〕 a-47,48,58

研究課題 5)野生動物の個体群構造に関する基礎的研究
〔担当者〕 椿 宜高・高村健二・永田尚志
〔期 間〕 平成3〜10年度(1991〜1998年度)
〔内 容〕 神栖町の利根川河川敷と霞ヶ浦湖岸において,オオヨシキリとコジュリンの個体群の調査を行った。コジュリンの雄は,産卵直前の雌の受精可能期間には,雌にしたがって行動して,父性を防衛していた。しかし,DNA解析の結果,約半数の巣で番相手の雄以外の雛が確認され,コジュリンの高密度個体群では,番い相手を効果的に防衛できないことが示唆された。また,利根川・霞ヶ浦では鳥マラリア等の血液寄生虫に感染したコジュリンは発見されず,健全な個体群であった。霞ヶ浦湖岸の複数のヨシ原間で,オオヨシキリの繁殖成功度を比較した。繁殖成功度は0〜60%で,パッチ間で大きく異なっていたが,ヨシ原の面積とは相関はなかった。しかし,雄は,面積の大きい好適なヨシ原から占有を開始し,小さいヨシ原パッチがなわばりで埋まった後も,大きいパッチでは新規個体の加入が継続していた。
〔発 表〕 A-35,42,44,53,a-63,64

研究課題 6)衛星搭載大気計測用光学センサーの精度評価手法高度化の研究
〔担当者〕 鈴木 睦
〔期 間〕 平成6〜10年度(1994〜1998年度)
〔内 容〕 ADEOS衛星搭載センサーILASの精度評価に関する理論的検討及び実験による検証を行った。ILAS等の定量的なリモートセンシングにおいては観測機器の装置関数の正確な決定が,すべての定量的観測の前提となっている。ILASでは,赤外及び可視分光器の装置関数がデータ処理上の大きな誤差要因となる。そのため,赤外域の低分解能分光器(0.12ミクロン分解能)の装置関数を,光学系の物理モデルに基づいて作成し,0.001ミクロンの超高分解能で波長位置が決定できること,また決定した装置関数の性能が任意のスペクトル入力に対して出力誤差0.1%が室内実験条件で満足できることを実証した。同様にILAS可視分光器についても分光分解能の1/50程度の精度での,波長位置と装置関数形状の決定を行った。各々の装置関数は,軌道上でのILAS信号に対し検証が行われ,赤外分光器については打ち上げ前の値が,可視分光器については軌道上の信号を用いた最適化が行われた。また,ADEOS-U搭載用のILAS-Uの各分光器の装置関数評価について半導体レーザーを光源として試験的測定を行い,ClONO2観測用超高分解能分光器(0.001ミクロン程度の分光分解能)についても装置関数の高精度決定が可能であることを示した。
〔発 表〕 A-16,17,30〜34,a-20〜22,29〜36

研究課題 7)地球大気成分の衛星観測データ処理アルゴリズムに関する研究
〔担当者〕 横田達也
〔期 間〕 平成7〜11年度(1995〜1999年度)
〔内 容〕 地球環境における大気内の成分変動を把握するために,人工衛星によって観測されたデータから,必要な情報を精度良く抽出するための計算アルゴリズムを研究開発することを目的としている。
 本年度は,大気中の放射伝達計算の高精度化として,可視波長域の酸素分子の吸収波長帯におけるオゾンの解離吸収の影響と,赤外波長域における酸素および水蒸気の連続吸収の影響を検討し,その研究成果を計算アルゴリズムに組み込んだ。また,前年度に引き続き,衛星センサーILASのデータ処理アルゴリズムにおける誤差要因を整理するとともに,観測信号の基となる光源の状態を把握するため,太陽黒点の自動抽出に関する研究を進めた。さらに,本年度の中頃よりILASの実観測データが取得されるようになったため,その観測スペクトルとデータ処理における理論計算スペクトルとの差の要因について検討を開始した。
〔発 表〕 A-101,102,a-137〜147

研究課題 8)ADEOS-U衛星搭載大気センサー(ILAS-U)の開発に関する基礎的研究
〔担当者〕 笹野泰弘・鈴木 睦・横田達也・神沢 博*1 (*1地球環境研究センター)
〔期 間〕 平成8〜10年度(1996〜1998年度)
〔内 容〕 環境庁が開発を進めているオゾン層観測センサーILAS-IIによる,成層圏オゾン及びオゾン層破壊関連物質等の観測に必要となる,データ処理アルゴリズムの検討,地上検証・データ利用等の調査を行う。
 本年度においては,特にデータ処理アルゴリズムの検討として,ILASの赤外チャンネルに加えて,中間赤外チャンネルデータの利用による気体成分高度分布の算出,エアロゾル/PSCの同定のための手法の評価を行った。これにより,ILASに比べて精度の向上,エアロゾル/PSCタイプ推定の安定性が高まることが確認された。
〔発 表〕 A-14,44,I-9,a-23,24,26〜29,31,36


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