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地方公共団体公害研究機関と国立環境研究所との共同研究


1.微生物における有害化学物質分解・除去能の発現機構の解明とその活用に関する研究


 1)河川における農薬流出量の定量評価の研究
〔担当者〕
水土壌圏環境部 井上隆信
北海道環境科学研究センター 沼辺明博
神奈川県環境科学センター 伏脇裕一
長野県衛生公害研究所 佐々木一敏
福岡県保健環境研究所 永淵 修
〔内 容〕 それぞれの研究機関において,水田で散布された農薬の水田内と流出先の河川・湖沼での濃度・負荷量変化,果樹栽培地域から河川への農薬流出,松林に散布された農薬の林内での挙動の実態調査を実施した。また,これまで蓄積した実測データをもとに,河川における農薬の濃度変化特性・流出負荷量を,流域の農薬使用量と散布時期が解れば求められる農薬濃度変化モデルの構造とパラメータについて検討を行った。
〔発 表〕 G-3,5,6,g-3〜5,7,8



 2)湖水中のN,P,Si含量及びその元素比と植物プランクトン組成との関係に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 高村典子・福島武彦
北海道環境科学研究センター 三上英敏・石川 靖
青森県環境保健センター 三上 一
栃木県保健環境センター 中島 孝
福井県環境科学センター 片谷千恵子
岐阜県保健環境研究所 村瀬秀也
滋賀県立衛生環境センター 山中 直
福岡県保健環境研究所 笹尾敦子
鹿児島県環境センター 平江多績
〔内 容〕 植物プランクトンの現存量は流入するリンや窒素の負荷量ならびに湖水の全リン量や全窒素量から予測できる。しかし,湖沼で優占する植物プランクトン種の予測は困難である。藻類種の連続培養実験等から補給される水中の窒素:リン比により優占する植物プランクトン種が変わることがわかっている。本研究は全国の湖沼の湖水の全窒素量:全リン量比と優占植物プランクトン種の関係を明らかにすることによって,湖水の栄養条件から発生する植物プランクトンの種を予測するための基礎データを得ることを目的とする。
 本年度は,阿寒湖,大沼,支笏湖,洞爺湖,茨戸湖,十和田湖,中禅寺湖,湯の湖,木崎湖,中綱湖,青木湖,野尻湖,雄池,雌池,女神湖,猪名湖,諏訪湖,蓼科湖,白樺湖,丸池,琵琶池,湖山池,三方湖,北潟湖,水月湖,河口湖,四尾連湖,琵琶湖,池田湖,鰻池,室生,高山,津風呂,池原,風屋,大迫,力丸,広川,日神ダムでいっせいに同一項目についての調査を実施し分析を行った。
〔発 表〕 B-70,b-135〜137


 3)リモートセンシングによる湿原環境モニタリング手法の研究
〔担当者〕
社会環境システム部 田村正行・清水 明・山形与志樹
北海道環境科学研究センター 金子正美・小野 理
〔内 容〕 衛星センサーおよび航空機搭載センサーからのリモートセンシング画像データを用いて,釧路湿原の植生分布を調査する手法を検討した。衛星および航空機による観測と同期して,湿原の地上探査を行い,植生データおよび地表面での分光スペクトルデータ等を収集した。これらのデータに基づき,人工衛星および航空機観測から,植生分布図等環境主題図を作成した。
〔発 表〕 C-45,47


 4)環境における質的要因を考慮した評価手法に関する基礎的研究
〔担当者〕
社会環境システム部 田村正行・清水 明・山形与志樹
北海道環境科学研究センター 高橋英明
〔内 容〕 北海道を中心とする1000×1000kmの範囲において,NOAA 14号衛星のAVHRR画像を一年間にわたって取得し,バンド1と2のデータから各日の植生指数を算出した。植生指数の一年間の変化パターンを用いて土地被覆の分類を行い,植生分布図と比較することにより,AVHRRデータを用いた土地被覆分類の有効性を検討した。
〔発 表〕 C-23,24

 5)室内環境中の有害物質のモニタリングと生体影響について
〔担当者〕
地域環境研究グループ 相馬悠子・米元純三
北海道立衛生研究所 小林 智
〔内 容〕 大気中揮発性有機化合物の個人暴露量調査,室内汚染調査を拡散サンプリング法で行うため,18種の化合物のuptake rateを使用するサンプリングチューブで決めた。また測定可能化合物を増やすため吸着剤の検討を行った。この拡散サンプリング法を使用して北方気密住宅の室内の揮発性有機化合物濃度調査と,室内濃度を下げるためのベイキング効果の調査を行った
〔発 表〕 b-126,127


 6)新潟県上越市における消雪用地下水の揚水による地盤沈下特性
〔担当者〕
水土壌圏環境部 陶野郁雄
新潟県衛生公害研究所 関谷一義
〔内 容〕 新潟県上越市では,地下水を利用して消雪している。このため,冬期には地下水を短時間にきわめて多量に揚水することになり,急激な地下水位低下に伴う地盤沈下が生じている。この地盤沈下機構を解明し,地盤沈下の将来予測を行うことと高田市街地に設置した簡便な地盤沈下観測システムの検証を目的として研究を行った。この研究成果を今までに行ったものを含めて国立環境研究所研究報告としてまとめた。
〔発 表〕 K-8〜11,14,g-22


 7)1.酸性降下物に含まれるリン酸の量とその季節変化 2.樹木樹皮による酸性環境汚染物質蓄積の検討
〔担当者〕
地球環境研究グループ 佐竹研一
福島県衛生公害研究所 佐藤聡美
〔内 容〕 リンは生命活動を支える最も基本的な元素であり,生態系には主としてリン酸として供給される。しかし,一般に降水に含まれるリン酸の量は微量であり,リン酸の重要性にもかかわらずほとんどその測定が行われていない。そのため本共同研究ではまず降水に含まれるリン酸の微量定量法の基礎的検討を行った。


 8)未利用資源を活用した接触材等に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 稲森悠平
東京都環境科学研究所 木村賢史
〔内 容〕 未利用資源としてセメント廃材等から作成したCa系ろ材を接触材として充填した生物ろ過処理システムにおいて,嫌気・好気条件を適切に組み合わせることにより窒素とリンを効果的に除去でき,生活排水の高度処理システムに導入できる可能性を明らかにした。
〔発 表〕 b-15,16,54


 9)東京湾浅海域における物質循環の調査研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 竹下俊二・木幡邦男
千葉県水質保全研究所 小倉久子
〔内 容〕 千葉県環境部所有の調査船“きよすみ”を用いて,東京湾奥の船橋航路東側の浅海域で,初夏〜秋に毎月1回,冬期2回の合計6回調査を行った。7〜10月の水温・塩分成層発達期の溶存酸素は,表層より6メートル以深で貧酸素化状態にあった。また,現場で測定された水中蛍光強度とHPLC法で測定したクロロフィルaの値を比較した結果,両者には良い相関があることが分かった。
〔発 表〕 b-96,97


 10)生活排水,汚濁湖沼水等の有用生物を活用した水質改善技術の開発と高度化及びその評価に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 稲森悠平
千葉県水質保全研究所 中島 淳
〔内 容〕 環境基準の達成率の著しく低い手賀沼,印旛沼等の汚濁湖沼の水質改善のために必要な生活排水の窒素,リン除去対策のために間欠ばっ気活性汚泥法の実態調査を行い,嫌気・好気の時間比を適正化することにより処理の高度化を低コストで可能なことを明らかにした。
〔発 表〕 K-40,B-14,b-26,30



 11)高濃度大気汚染生成機構の解明に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 若松伸司・上原 清
大気圏環境部 鵜野伊津志・松井一郎
神奈川県環境科学センター 阿相敏明・須山芳明
〔内 容〕 関東地域における広域大気汚染の生成機構を解明するためのデータ解析並びに共同観測を実施した。関東西部山岳地域や太平洋上での航空機を用いた観測データを用いて大気汚染物質の垂直分布の特徴や山岳地域への汚染空気の流入機構を把握するとともに高濃度の汚染空気が太平洋上に広域にわたり存在している状況を解析した。
〔発 表〕 b-202〜204,206〜208


 12)東アジアの環境酸性化物質の物質収支解明のための大気・土壌総合化モデルと国際共同観測に関する研究
〔担当者〕
地球環境研究グループ 村野健太郎・畠山史郎
長野県衛生公害研究所 河原純一
奈良県衛生研究所 松本光弘
福岡県保健環境研究所 宇都宮彬
長崎県衛生公害研究所 釜谷 剛
鹿児島県環境センター 木山祐三郎
沖縄県衛生環境研究所 金城義勝
〔内 容〕 東アジアの環境酸性化物質の物質収支解明のための大気・土壌総合化モデルと国際共同観測に関する研究の一環として,地上観測を実施した。オゾン,二酸化イオウ,エアロゾル中のイオン種の測定を行った。また,乾性沈着量の測定のために,1〜2週間の捕集による大気汚染物質濃度の測定を行い,大気中のガス,粒子状成分の分布を明らかにし,乾性沈着量の算定を行った。
〔発 表〕 A-63,65,68,a-88,91,112〜116,118,119,121


 13)環境大気中における植物起源有機物質の役割の解明
〔担当者〕
化学環境部 横内陽子
長野県衛生公害研究所 笹井春雄
〔内 容〕 長野県小谷の森林地域においてイソプレン,モノテルペン類,メチルビニルケトン,ノナナール等の植物起源有機化合物の大気中濃度を測定した。オゾン,窒素酸化物等の観測も合わせて実施した。これらのデータをもとに森林地域のオゾンに対する植物起源有機化合物の影響解明を進めている。
〔発 表〕 d-44


 14)水域の新たな有機物指標の開発に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 福島武彦
島根大学生物資源科学部 相崎守弘
長野県衛生公害研究所 小沢秀明
〔内 容〕 長野県の数十の河川,湖沼から得られた水サンプルをもとに,その有機物に関して紫外部吸光度,BOD,COD,DOC,トリハロメタン生成能などを測定し,相互の関係を水域毎に解析した。この結果,トリハロメタン生成能はCOD,DOCよりも紫外部吸光度と密接な関係を有していることがわかった。


 15)土壌・地下水汚染物質の測定法および浄化法に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 矢木修身
名古屋市環境科学研究所 榊原 靖
〔内 容〕 フタル酸エステル及びテトラクロロエチレン分解菌の検索を行った。テトラクロロエチレン汚染土壌集積培養液は,水飽和テトラクロロエチレン溶液を分解できた。フタル酸エステル分解菌を用いる汚染土壌の浄化を目的として,分解菌の大量培養法及びスラリー式反応リアクターの構造について検討を加えた。
〔発 表〕 B-113


 16)生活排水,汚濁湖沼水等の有用生物を活用した水質改善技術の開発と高度化及びその評価に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 稲森悠平
福井県環境センター 石本健治
〔内 容〕 富栄養化湖沼の三方五湖の水質及びプランクトン調査を行うと同時に,アオコ等の障害藻類を捕食する微小動物の分離培養保存を行い,かつ捕食特性を検討したところ原生動物ベン毛虫類Monas属,水生ミミズ類,輪虫類が大きくアオコの消滅に貢献している可能性の高いことを明らかにした。
〔発 表〕 b-22,24,39,63〜65


 17)騒音苦情と土地利用の相関などに関する解析
〔担当者〕
社会環境システム部 大井 紘
大阪府公害監視センター 下本健二・厚井弘志・奥田孝史・金城 巌
〔内 容〕 大阪府での騒音公害苦情の発生件数の位置データを用いて,人口密度に対する一定人口あたりの苦情発生件数の関係を検討した。その結果,500メートルメッシュの地区割りでの集計に対して,発生件数は人口密度とは関係なくほぼ一定ないしは微減することが明示できた。これは,人口密度が高いと相互の近接性によって受音側での騒音レベルが大となり,一定人口あたりの苦情件数は増加するという従来の説を明瞭に否定する。


 18)境界要素法に基づく道路交通騒音の予測方法に関する研究
〔担当者〕
社会環境システム部 田村正行・須賀伸介
大阪府公害監視センター 金城 巌
〔内 容〕 道路の構造や周辺の境界条件が複雑な場合にも騒音の伝播を予測することのできるモデルとして,境界要素法に基づくモデルを開発し,数値実験や模型実験などにより検証を行った。また,実際の道路構造をモデルに入力し伝播損音の予測を行った。その結果,本モデルは,騒音対策の効果(騒音対策を実施する前後での騒音レベルの差)を計算する上で有効であることが確認できた。
〔発 表〕 C-25,26


 19)生活排水,汚濁湖沼水等の有用生物を活用した水質改善技術の開発と高度化及びその評価に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 稲森悠平
岡山県環境保健センター 山本 淳
〔内 容〕 湖沼水質保全特別措置法の指定湖沼となっている児島湖の水環境修復手法として,バイオエンジニアリングに着目した解析を行い,高度合併処理浄化システムとして特に窒素除去型の嫌気・好気生物膜循環プロセスに脱リン法として電解法を用いた手法を組み込むことにより流入水リン4mg/lを0.5mg/l以下にまでの除去の可能性を明らかにした。
〔発 表〕 b-13,48,58


 20)難分解性化合物分解菌の検索及び特性に関する研究
〔担当者〕
水土壌圏環境部 内山裕夫
岡山県環境保健センター 水嶋香織
〔内 容〕 土壌から分離したテトラクロロエチレン(PCE)を分解する混合微生物系の分解経路を明らかにするとともに,各種揮発性有機塩素化合物に対する分解特性を明らかにした。また,分解至適pHは7に,並びに至適温度は30℃前後であり,分解活性を保持したまま継代培養するに必要とされる因子の検討を行った。
〔発 表〕 g-10,11


 21)藻類の異常発生機構に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 矢木修身
鳥取県衛生研究所 南條吉之
〔内 容〕 富栄養化の進行した湖山池における水の華の発生要因を明らかにするため,湖山池より分離した  Microcystisを用いて,湖水の藻類増殖制限物質について検討を加えた。夏期にはリン,窒素が同時制限物質であったが,秋期から春期にかけては,EDTAのみかEDTA・リン・窒素が同時に制限物質であった。


 22)リモートセンシングによる地域環境評価手法の開発
〔担当者〕
社会環境システム部 田村正行・清水 明・山形与志樹
福岡県保健環境研究所 大久保彰人
〔内 容〕 衛星リモートセンシングデータおよび地図情報などを用いて,福岡県の環境行政を支援するための地理環境情報システムを構築し,インターネットを通じて広く一般に公開した。また,地域の水資源管理における基礎データとして,土壌水分の広域分布の推定を行うために,JERS-1/SARからのマイクロ波センサーデータの有効性に関して検討を行った。


 23)モデル地域における有機塩素化合物の暴露量評価に関する研究
〔担当者〕
地域環境研究グループ 白石寛明
北九州市環境衛生研究所 門上希和夫・花田喜文
〔内 容〕 イオントラップ質量分析計を用いた水中の微量有機化合物の一斉分析法の検討を引き続き行った。新たな化学物質についてGC保持指標,回収率,検出下限を求め,水中の285化合物の同時分析が可能となった。本法の四重極型質量分析計への適用可能性について検討した結果,簡易な一斉分析法とすることが可能であることが示された。また,北九州市沿岸の化学物質汚染調査に適用し,閉鎖性水域での化学物質の挙動を明らかにした。


 24)ダム湖(芹川ダム)における富栄養化機構の解明
〔担当者〕
地域環境研究グループ 稲森悠平
大分県衛生環境研究センター 有田 等
〔内 容〕 富栄養化が問題となりカビ臭が引き起こされつつある芹川ダムについてダム湖水の生物相,水質の深さ方向および底泥の化学分析等を行い,いかなる因子がカビ臭生成に関係しているかについての解析,すなわちダム湖の水質保全対策を効果的に行う上での検討を行い,底泥の嫌気・好気の状態,微生物相がカビ臭生成と関連している可能性を明らかにした。
〔発 表〕 K-90,91,b-23,31


 25)ダイオキシン類の分析法に関する研究
〔担当者〕
化学環境部 伊藤裕康
埼玉県公害センター 中辻 勝・杉崎三男
〔内 容〕 ダイオキシン類(ポリクロロジベンゾ--ダイオキシン及びポリクロロジベンゾフラン)の分析法の検討および精度管理に関して研究を行った。試料としてフライアッシュ,土壌等を用い,抽出操作,カラムクロマト処理等の種々試料前処理法及び高分解能GC/MSによる測定について検討した。フライアッシュ抽出標準試料を用いて,4〜8塩素化のダイオキシン類を分析した結果,他の分析機関で測定された平均値に比べ,変動係数が10〜40%であった。



 


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