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ホーム > 刊行物 > 国立環境研究所年報 > 平成8年度 > 海洋開発および地球科学技術調査研究促進費による研究  1.地球環境遠隔探査技術等の研究

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海洋開発および地球科学技術調査研究促進費による研究


1.地球環境遠隔探査技術等の研究


(1)月掩蔽法大気周縁分光計
〔担当者〕 地球環境研究グループ:鈴木 睦・笹野泰弘・横田達也
地球環境研究センター:神沢 博
〔期 間〕 平成8〜10年度(1996〜1998年度)
〔内 容〕  環境庁の衛星センサー,ILAS・ILAS-Uは太陽掩蔽法式大気周縁分光計であり,赤外分光器として極めて小型ながらも,高い観測精度・鉛直分解能,幅広い観測対象を特徴とする。しかし観測原理上,観測地理領域が衛星軌道により制約され,ADEOSからは極域に特化した観測が行える。掩蔽法観測では,月・恒星等も光源とすることが可能であり,近赤外域での月掩蔽法により,ILASでは観測できない極夜の内部領域や全球的観測が可能となると考えられる。そのための観測原理の検討から実際的な装置の試作と地上試験による実証を行う。しかし,類似センサーの開発例が無いため早期に概念検討と室内実験による実現性の実証が必要とされている。
 大気光学計算等から,月観測の可能性・観測可能化学種などの検討を行った。小型FTIRに近赤外用検出器を取り付け,月及び同程度の輝度を有する昼間の大気散乱光の予備的観測を行い,これまでの理論的検討の検証を行い,近赤外域での大気観測の有用性を示した。
〔発 表〕 A-16,33,34,a-18,20,21,29〜31,33〜36

2.地球科学技術特定調査研究

(1)地球温暖化の原因物質の全球的挙動とその影響等に関する観測研究

 1)大気微量気体とエアロゾルの濃度・組成の変動に関する観測的研究
  −エアロゾルの大気中濃度・組成の変動に関する観測的研究−陸上からの観測的研究

〔担当者〕 大気圏環境部:杉本伸夫・松井一郎
〔期 間〕 平成2〜11年度(1990〜1999年度)
〔内 容〕  対流圏および成層圏のエアロゾルの濃度の長期的変動を把握するためのレーザーレーダー観測を実施し,気候モデルの入力ためのエアロゾル分布モデルを作成することを目標とする。前期5年間では,大型レーザーレーダーによる観測と,サンフォトメータ,オリオールメータの観測を実施し,これらのデータを合わせて解析することによってエアロゾルの分布および光学パラメータを導出し,エアロゾルの高度分布をモデル化した。後期では,ラマン散乱法を導入し,レーザーレーダーによるエアロゾルの定量測定の精度を改善するとともに,小型レーザーレーダーを併用して観測の頻度を上げることによって,エアロゾル分布の動態をより詳細に把握することを目指す。平成8年度は,全天候型の小型レーザーレーダーによる観測を開始し,通年にわたってほぼ連続してエアロゾルおよび雲の観測を実施した。
〔発 表〕 F-18,f-27,44,45

(2)エルニ−ニョ南方振動(ENSO)機構の解明
  (ENSOに伴う熱帯対流活動の変化に関する研究)
〔担当者〕 大気圏環境部:高薮 縁・沼口 敦・鵜野伊津志・菅田誠治
〔期 間〕 平成6〜10年度(1994〜1998年度)
〔内 容〕  熱帯対流活動の大規模(数千km)組織化の特徴が,ENSOに伴いどのように変化するかを明らかにする。さらに,このような対流雲擾乱の特徴の変化がENSOのような時間空間的にスケールの大きい現象に対し,どのようなフィードバックをもたらすかを調べる。そのために,蓄積された衛星データを利用して移動性の雲−大気擾乱を総合的・統計的に解析し,気候値およびENSOに伴う変化を解明する。また,TOGA-COARE(熱帯海洋および全球大気プログラム,海洋ー大気結合実験)のような総合観測データおよび大循環モデルを利用し,移動性擾乱とENSOとの相互関係について知見を得ることを目指す。
 本年度は,TOGA-COARE集中観測期間中のIMETブイ観測による放射フラックスデータと船舶からの雲量観測を利用することにより,ISCCP(国際衛星雲気候計画)の下層雲量を補正し雲データと放射モデルによる海面放射収支計算の改良を試みた。衛星からの下層雲量過少評価による上向き長波フラックス過大評価が約10W/m改善された。
〔発 表〕 F-22

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