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1.総合研究(1)マイクロ波センサデータ利用等によるリモートセンシング高度化のための基盤技術開発
1) リモートセンシングデータの複合利用技術の開発と実証
〔研究担当〕
平成7〜8年度(1995〜1996年度)
〔内 容〕
2) 時系列SAR画像による現存植生分布の変動把握手法に関する研究 〔研究担当〕
平成4〜8年度(1992〜1997年度)
〔内 容〕
(2)極限量子センシング技術の開発及びその利用のための基盤技術開発
1) 極限量子センシングのための全固体化レーザー技術に関する研究
〔研究担当〕
平成8〜9年度(1996〜1997年度)
〔内 容〕
(3)システムと人間の調和のための人間特性に関する基礎的・基盤的研究
〔研究担当〕
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| 社会環境システム部 | : | 大井 紘 |
| 武庫川女子大学 | : | 平松幸三 |
〔内 容〕
1)京都における歴史的な住工・住商混在地区である西陣地区において,住民の西陣織産業に対する意識を調べるために,「住みよさ」「聞こえる音」について自由記述法を用いて調査を行い,回答を分析した。
2)住工混在地域でもある東京都板橋区で,公害苦情について,申し立て者に苦情内容を自由記述してもらったデータを分析し,既成の工場側と移入住民との間の習慣や環境観の相違による公害意識の形成構造を検討した。
3)住工混在地域である堺市錦綾地区において,工場関係所帯の多い一戸建て住民と域外との関係の強いマンション住民との間での環境意識を自由記述法で調べ,前者において人間関係の重視が顕著なことを明らかにした。
4)代表的サウンドスケープの思想を分析した。その結果,環境への意味づけに着目する意味論的環境観と,音源ないしは音源者と音の受け手との間の関係性などが,環境認識において重要であることがわかった。
〔発 表〕C-5,c-6
| 化学環境部 | : | 河合崇欣・柴田康行・田中 敦・相馬悠子 |
| 水土壌圏環境部 | : | 高松武次郎 |
| 地球環境研究グループ | : | 功刀正行・森田昌敏 |
| 科学技術特別研究員 | : | 南 浩史 |
〔内 容〕
平成8年度は,バイカル湖の湖底堆積層から採取した200mの不かく乱柱状試料を測定・分析し,過去500万年程度のバイカル湖地域の気候や環境の変化を再現することが可能であることを確認した。地球の気候変動に与える地表条件の影響を考察する目的で,ミランコビッチサイクルの検証や生物相変動(花粉,有機化合物,光合成色素など)についても解析を進めた。
具体的には,以下のような研究課題を他省庁研究機関,各大学と共同で設定するとともに,ロシア・アメリカ・ドイツの研究者との共同研究で総合的な測定・解析を行っている。
1)不かく乱柱状試料の採取及び現場測定
1) 成層圏変動の気候への影響に関する解析及びモデルを用いた研究
― 衛星データ等を用いた解析的研究―衛星データ等を用いた極渦構造の力学的解析―
〔研究担当〕
| 地球環境研究センター | : | 神沢 博 |
| 地球環境研究グループ | : | 笹野泰弘 |
| 大気圏環境部 | : | 菅田誠治 |
〔内 容〕
研究期間全体を通じての目的:成層圏極渦の構造,極渦の孤立性の機構を力学的解析によって理解することを目的とする。極渦の構造は,オゾン,温室効果ガス等の分布を決める大きな要素であり,それらの分布は,直接的には放射過程を通して,間接的には,放射過程によって規定される成層圏の温度分布,さらには,温度と密接な関係がある風の分布を通して,気候へ影響を及ぼす。
研究方法:衛星データ,地上観測データ,客観解析気象データを解析する。衛星データについては,空気粒子運動のトレーサーとなるCH4,N2O等の不活性気体のデータを主に使用する。地上観測データについては,エアロゾル,オゾン,N2O等の鉛直分布データを主に使用する。客観解析気象データについては,トラジェクトリー解析,ポテンシャル渦度解析等を行う。
平成8年度に得られた研究成果:衛星データ等のデータセットの収集,ディスクアレイ装置等の計算機ハードウェアの整備,極渦の鉛直構造を解析するための修正ポテンシャル渦度算出プログラムの開発,等の作業を完施し,解析を行った。解析結果の概要は以下のとおり。トラジェクトリー解析を,観測データに適用する前の準備を兼ねて,CCSR-NIES大気大循環モデル積分結果のうち,北半球冬の成層圏データに適用した。極渦の内外の空気粒子交換過程をより明確に調べるため,初期に等温位面上の等ポテンシャル渦度線に沿って置いた粒子のトラジェクトリーを解析し,極渦が壊れて夏の循環へと移行する最終突然昇温の時期に,空気粒子の混合が激しいことを確かめた。さらに,客観解析気象データの修正ポテンシャル渦度解析から得られた極渦の構造とILAS等の衛星データ解析によるCH4,N2O等の空間分布によって得られた極渦の構造とが整合的であることを確かめた。
〔発 表〕I-5,7,i-9
2) オゾンに関わる光化学基本モデルの開発
〔研究担当〕
| 地球環境研究グループ | : | 秋吉英治 |
〔内 容〕
前年度に開発した鉛直1次元光化学−放射結合モデルの基本性能及びそのチェックを行うため,1991年のピナツボ火山爆発による成層圏エアロゾルの増加現象を念頭に置いた硫酸エアロゾル増加実験を,このモデルを用いて行った。この数値実験に先立ち,モデルに入力パラメタとして与えるエアロゾルの光学パラメタ,鉛直分布,時間変動などを,サンフォトメータ,レーザレーダー,気球,衛星等によるデータを参考にして詳細に検討し,設定した。すなわち,最も基本的な4つの物理量(エアロゾルの成分(75%硫酸液滴),エアロゾルの粒径分布,鉛直分布,時間変動)のみを仮定することにより,エアロゾルの波長ごとの光学的厚さ,後方散乱係数,Extinction/Backscattering ratio,表面積,有効半径などの観測と直結した物理量を,Mie散乱理論による厳密な計算によって矛盾なく導出した。そして種々の観測結果と比較して,4つの基本的な物理量に関する設定の妥当性を検証した。この成層圏エアロゾル増加実験によって,25〜33kmの高度でオゾンが最大約3%増加,25km以下で最大約5%減少という結果が得られ,硫酸エアロゾル上でのN2O5とH2Oとの不均一反応が,これらのオゾンの変動に大きな影響を与えていることが確かめられた。
また,オゾンの光解離によって生じるO(1D)の生成確率が,従来考えられていたよりも大きいという最近の新しいデータを用いて,大気光化学成分濃度の平衡値計算を行った。その結果,成層圏下部のHOxの濃度が,従来のデータを用いて計算された値に比べて,約20〜30%増加することが確かめられた。一方成層圏下部のオゾン濃度は1%程度しか減少せず,あまり大きな影響はない。
〔発 表〕A-1,a-2〜4
3) 成層圏オゾンに影響を及ぼす臭化メチル等の発生起源に関する研究
〔研究担当〕
| 化学環境部 | : | 横内陽子 |
〔内 容〕
海洋生物起源の臭化メチル,塩化メチル,ヨウ化メチルのグローバルな分布と季節変動を明らかにするため,北極域のアラート,沖縄県波照間島における月1回の大気サンプリングと船舶による北太平洋上7地点における隔月の大気サンプリングを開始した。サンプル中のこれらハロカーボン類の測定は低温濃縮/キャピラリーGC/MSにより行い,その分析精度は±3%である。北太平洋の観測では,夏にヨウ化メチルが増え,臭化メチル濃度が下がる傾向が観測されている。引き続き,観測を進め,解析に必要なデータを集積する。
〔発 表〕D-46,47,d-41
| 生物圏環境部 | : | 佐治 光 |
〔内 容〕
植物は,一般に動物のような移動能を持たないために,厳しい環境条件にさらされることが多く,それに耐えるための特有の機構を備えている。たとえば,環境条件に応じて自身の成長や発生,分化を巧みに制御している。このような機構の解明は,今後植物を各種産業や環境保全に有効に活用していく上で極めて重要である。このような観点から,植物に影響を及ぼす環境要因のうち,大気汚染ガスについて,それに対する植物の応答機構についての研究の現状を調査した。
これまでに,主として二酸化硫黄,二酸化窒素,オゾンの3種類の大気汚染ガスの,様々な植物種に及ぼす影響が調べられ,それらのガスにより,葉の部分的な細胞死や植物体の成長抑制から落葉や老化の促進などの障害が引き起こされることがわかっている。その機構として,まず大気汚染ガス自体またはそれが水に溶けてできるイオンなどが,反応性に富み,様々な生体物質を破壊または失活させるとともに,植物体内で活性酸素やエチレンが生成し,それらが障害の進行を促進することが明らかにされている。これらの物質は多様な作用を示し,障害を促進する一方で,各種防御遺伝子の発現を誘導し,障害を緩和する方向にも働くことが示されている。このような二次的生成物の生成と作用は,大気汚染ガスの場合に限らず,紫外線照射や病原菌の感染などの場合にも観察され,様々な原因によるストレス状態下で生じているようである。最近,オゾンと接触させた植物体内でサリチル酸の量が増加し,それによっていくつかの防御遺伝子の発現誘導が起こることがわかり,ストレス反応の共通性が更に裏付けられている。
以上のように,今後,大気汚染障害に関する研究は,他の要因によって生じるストレス反応の研究と比較検討しながら推進していく必要があると思われる。
〔発 表〕K-2,38,H-20,k-5
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