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研究成果物



 

8.4 地球環境研究の総合化

 
 本センターの発足当初は,地球環境研究の創世期であり,本センター業務の三本柱の一つである地球環境研究の総合化業務の機能は,地球環境研究者・グループの育成・交流,地球環境研究の情報集中と発信,地球環境研究のあり方の考察・提案等であった。しかし,地球環境問題がより顕在化し,それに対応した調査研究が急激な勢いで推進されてきた。 現在では,地球環境研究が環境研究の大きな部分を占めるようになり,研究体制も整備されてきた。それに対応して,本総合化事業も「ナビゲーター」および「レビュアー」としての機能の2点を中心に,事業推進することとした。
 なお,地球環境研究者の組織化の一助として,本センターが企画運営して,毎年開催してきた「地球環境研究者交流会議」は,平成12年度をもって中止し,今後,必要に応じて開催することとした。
8.4.1 ナビゲーター機能
 地球環境の変動は多くの要素が絡み合う複雑なプロセスであり,多様な分野の多くの研究者が,国際的にも協力して対処する必要がある。そのために,国内外の地球環境研究に携わる研究者の交流・組織化を進め,研究の方向付けを行うとともに,地球環境研究を分野横断的に総合化し,行政施策に資する提言を行う。そのために地球環境研究に関する「リサーチ・オン・リサーチ」を所内併任者や所外客員研究員の協力を得て実施してきた。
 また,本センターの個々の事業には,それぞれの分野におけるコアオフィス機能を有する事業が数多くあり,それぞれの分野における中核的機関となっている。地球環境モニタリングにおいては,UNEPとWHOが組織するGEMS/Water(世界環境監視システム/水質監視計画)のわが国のナショナルセンター,あるいはアジア地域の二酸化炭素フラックス観測ネットワーク(AsiaFlux)の事務局として機能する他,各モニタリング事業も,世界的な観測研究ネットワークの主要構成者となっている。また,データベース関連でも地球環境情報の図化した下データベース整備機関であるUNEP/GRID(地球資源情報データベース)の地域センターとしてデータ提供を行っている。なお,炭素循環に係わる調査研究の世界的な連携体制を構築するために,IGBP(地球圏・生物圏国際協同研究計画),IHDP(地球環境変化の人間<CODE NUM=00A5>社会的側面に関する国際研究計画),およびWCRP(世界気候研究計画)による合同プロジェクト「Global Carbon Project」が発足し,その国際事務局がCGERに設置されることが平成13年度に合意された。
 他に,地球環境研究の国際的組織・機関に積極的に組織構成員として,運営に参加・協力している。特に,IPCC(地球変動に関する政府間会合)の評価報告書の執筆者(リードオーサ)として,関連分野において作業を分担し,貢献している。
8.4.2 レビュアー機能
 多くの人々の地球環境に関する理解を高めるために,国内外の地球環境研究情報を集約し,知的基盤として整備を進めている。
 その一つとして,地球環境研究に係わる情報を収集・データベース化して,広く所内外に最新の地球環境研究情報を提供するためのシステム整備を行っている。本年度には,我が国の主要新聞の地球環境に係わる記事のデータベースの構築を進めた。
 また,情報提供・広報手段として,インターネットでは「地球環境研究センターホームページ」を整備し,最新情報を提供している。加えて,当センターの活動紹介だけではなく,広く地球環境研究の動静を紹介するために,毎月,広報誌「地球環境研究センターニュース」を刊行している。現在,印刷部数は3千部以上に達し,ほぼ国内の地球環境研究関係者全体に,情報が周知される体制になっている。ほかに,本センターの活動成果を報告書「CGERレポート」として刊行している。地球環境研究の最新の動向を周知させるために,会議の開催や報告書を随時刊行した。本年度には,京都議定書における吸収源に関する研究の現状を紹介することを目的として,「陸域生態系の吸収源機能に関する科学的評価についての研究の現状」国際ワークショップを森林総合研究所と共催したり,環境省等の後援を受け,日本最大の湿原を擁する釧路市で,「地球温暖化と湿地保全に関する国際ワークショップ」を開催した。また,COP6再開会合において,京都議定書を実施するために必要な運用ルールの枠組みを決める「ボン合意」が採択されたが,特に吸収源について解説した「京都議定書における吸収源:ボン合意とその政策的含意」をCGERレポートとして緊急出版した。
 なお,広報・普及活動として,子供たちを対象とした環境の理解を深めるクイズ「環境関心度チェック」を,10分野の環境問題について作成している。他に,地球環境問題に関する基礎的知識から最新の研究成果まで,電子媒体で動画像などを活用して分かり易く解説するプログラムの開発を進めている。


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