8.3 地球環境研究支援事業
本センターでは,地球環境研究を円滑に推進できるように,地球環境データベースとして各種環境情報を収集・蓄積し,国内外の研究者等への提供,ならびに膨大な計算能力・記憶能力を必要とする地球環境に係わるモデル・シュミユレーション作成研究者にスーパーコンピュタの利用サービスを提供する。
8.3.1 UNEP/GRIDつくば
UNEP/GRID(国連環境計画/地球資源環境データベース)つくばは,わが国及び近隣諸国の地域センターであり,1991年に発足した。GRIDで取り扱うデータベースは画像化されたものが主体であり,世界のGRIDネットワークから発信されるデータが相互に提供されている。GRIDつくばでも所内外の研究成果(特に,社会経済的データ)をデータベース化し,国内外に発信・提供している。また,GRIDデータ利用者に対して,GIS(地理情報システム)やリモートセンシング技術等の技術支援を行っている。
現在,温室効果ガスの削減のために,森林等の吸収源による吸収量を正確に算出することが緊要な課題となっており,関連する基礎データセットの整備とともに,世界の森林生態系モデルと森林生態系の炭素ストックモデルの開発等を進めている。
8.3.2 GEOへの貢献
GEO(地球環境アウトルック)は,UNEPが推進する地球環境の現状を解説する白書を作成するプロジェクトである。CGERは,東アジア(日本・中国・モンゴル・韓国・北朝鮮)の環境のレビューを分担しており,平成13年度には第3次報告書(GEOV)の編集を進めた。
8.3.3 スーパーコンピュータシステムの運用
地球環境変動や影響の予測のために,地球環境の変動メカニズムを研究し,それらを数値的な予測モデルにまとめ,計算実験をしてみる必要がある。本センターでは,これらの地球環境予測モデルの研究を支援する目的で,スーパーコンピュータシステムを整備し,国内外の研究者に利用提供している。
当スーパーコンピュータの運用に際しては,専門家からなる「スーパーコンピュータ関連研究ステアリンググループ」の意見を反映させるとともに,代表的な利用者からなる「スーパーコンピュータ利用ワーキンググループ」(代表的ユーザーからの意見聴取等)および「スーパーコンピュータユーザーミーティング」(利用者への情報提供等)を開催して円滑,かつ効率的な運用をはかっている。
また,当スーパーコンピュータシステムは,超高速の演算性能と超高速・大容量の磁気ディスクを駆使した大気海洋結合大循環モデル等の大規模な数値シミュレーションや人間活動が地球環境に及ぼす影響の解明などの研究に使用され,本年度には,優先利用申請課題の2課題,一般利用申請課題の十数課題,主に所外研究機関や大学で実施する課題の約十課題が利用した。「高解像度大気海洋結合モデルを用いた気候変化実験」と「ILAS衛星データと3次元化学輸送モデルの比較解析」が優先利用課題となって利用され,それぞれ地球温暖化の予測と極域オゾン層破壊の解明に関する研究であり,国外を含む所内外の研究者が使用し,多くの成果を得ている。成果の一部である地球温暖化の将来見通しに関する気候モデル実験結果などは,地球温暖化アセスメントを目的としたIPCCの最新の報告書にも引用された。なお,当システムを利用した地球環境研究の幅広い紹介,利用者間の情報交換などを目的として,平成12年度の研究成果を「CGER'S
SUPERCOMPUTER ACTIVITY REPORT
Vol.8」として出版した。
なお,本年度末には,第3世代のスーパーコンピュータ(NEC
SX-6/64M8)に更新設置され,演算能力・記録能力ともに前世代機種と比べ,1桁能力の高くなった(CPU数は64
CPU(=8CPU/node*8 node))。
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