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研究成果物



 

(40) ALOSデータ解析によるサンゴ礁白化現象のモニタリング


〔区分名〕その他公募
〔研究課題コード〕0004KZ288
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕山野博哉(社会環境システム研究領域)・田村正行
〔期 間〕平成12〜17年度(2000〜2005年度)
〔目 的〕サンゴ礁生態系は熱帯・亜熱帯の沿岸海域において重要な生態系である。近年,サンゴ礁が撹乱によって衰退していることが報告されている。撹乱の大きな要素として,白化現象が挙げられる。サンゴ礁を形成する造礁サンゴは藻類を体内に共生させている。この藻類が大量に抜け出して骨格の白い色が目立つようになる現象を「白化現象」という。白化現象が長く続くと,サンゴは斃死し,サンゴ礁は衰退する。この白化現象の最も大きな要因は水温の上昇であるとされている。近年,白化現象の起こる頻度は全世界的に急激に増加し,地球温暖化との関連が議論されている。現在,白化現象の確認は目視によってなされているため,広範囲でサンゴ礁をモニタリングし,白化現象を検出する手法の開発が急務である。サンゴ礁域の水深は浅いため,衛星や航空機からの観測が可能である。本研究においては,ALOS搭載のAVNIR-2センサを用いたサンゴ礁白化現象のモニタリング手法を開発する。ALOS打ち上げ前までに光学モデルを構築し,それを他の衛星センサデータに適用する。打ち上げ後は,光学モデルをAVNIR-2センサデータに適用し,継続的なモニタリングを行うと同時に,モニタリングの有効性に関して他の衛星と比較検討する。
〔内容および成果〕
 ALOS衛星の打ち上げは2004年度であるため,本年度においては予察的に以下の検討をおこなった。(1)白化サンゴ・健全なサンゴ・白化して斃死したサンゴの分光反射率測定 (2)シミュレーションによる白化現象検出の可能性の検討 (3)ALOS衛星とほぼ同じ波長帯を持つLandsat TM衛星データの解析。(1)においては,沖縄県のサンゴ礁からサンゴを採取して水槽内で反射率測定を行った。その結果,健全なサンゴと斃死したサンゴは同じような反射率値を持つが反射スペクトルの微分解析により判別可能であること,白化したサンゴは健全なサンゴより高い反射率値を示すことが明らかになった。(2)においては,白化したサンゴの衛星リモートセンシングにより観測される輝度は,直接対象物によって反射された輝度のほかに大気や海面反射などによる輝度を含み,輝度は水深の増加とともに減少する。これらの影響を評価するために,放射伝達モデルの利用を行った。その結果,衛星データの1ピクセルにおいて白化したサンゴの割合が23%以上であると衛星から白化現象が検出可能であることが示された。(3)においては,沖縄県石垣島をテストサイトとし,過去15年間におけるLandsat TMデータ(空間解像度30m)を収集し,サンゴ礁域の輝度値と外洋・砂地の輝度値を用いて大気と海面反射の影響を除去する方法を開発し,1998年に起きた大規模な白化現象を検出した。本研究は衛星によるサンゴ礁白化現象検出の可能性を示すものであり,ALOS衛星搭載のAVNIR-2センサは空間解像度が10mであるため,さらに高精度で白化現象が検出できると考えられる。
〔備 考〕
研究代表者:山野博哉
共同研究機関:宇宙開発事業団・東京大学
共同研究者:茅根 創(東京大学)


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