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研究成果物



 

(39) 生態工学を導入した汚濁湖沼水域の水環境修復技術の開発とシステム導入による改善効果の総合評価に関する研究


〔区分名〕その他の公募
〔研究課題コード〕9702KZ236
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕稲森悠平(循環型社会形成推進<CODE NUM=00A5>廃棄物研究センター)・水落元之・除 開欽
〔期 間〕平成9〜14年度(1997〜2002年度)
〔目 的〕霞ヶ浦をはじめとする汚濁が累進的に加速している湖沼環境の修復を図る上では,従来のBOD除去から窒素<CODE NUM=00A5>リン除去への抜本的な対策の変換が必須である。この場合,省エネルギー,省コストで資源を地域内で自己完結化でき,かつ高度<CODE NUM=00A5>効率的で環境に優しい技術の構築を目指すことが必要不可欠であり,技術開発においては環境基本法の理念である環境負荷の少ない持続可能な社会の創造を念頭に置いて実行することが重要である。本研究においてはこれらの点をふまえて,生態工学,生物工学を導入した水環境に関わる生態系保全,環境基準の達成を前提とした技術の確立を図る上で,発生源対策,直接浄化対策の処理技術の高度化,処理システム導入の効果,生態系への影響について解析評価を行うと同時に,それを支援するマルチビジョンによるシステム化を図ることを目的として推進している。
〔内容および成果〕
 有用微生物を用いた処理システムの開発ならびに操作方法,適用条件等を技術的および経済的観点から解析し評価した。高度処理浄化槽システムの開発においては,有用微生物の定着担体としての多孔質ヘドロセラミックスの製造工程を確立し,このセラミックス担体を導入した浄化システムは浄化機能およびコスト面において汎用可能なことが明らかとなった。また,リン資源回収が可能な吸着脱リン法の開発においては,パイロットプラントリン回収再生ステーションを構築し,リン酸ナトリウムとして95%以上の高純度回収,酸,アルカリ処理によるリン吸着担体の再生プロセスの適正条件化に必要な基盤データを得ることができた。さらに,有用微小動物としての輪虫類を浄化槽システムへ供給する上での大量培養方法および増殖促進成分添加による高密度定着方法を開発した。生物処理の限界を考慮した物理化学的手法としての電気化学的処理プロセスのパイロットプラント実証試験において,生活系排水,アオコ含有湖水,畜産排水を短時間で高度に処理可能な適正運転条件を明らかにした。生態工学的手法としての水生植物植栽浄化システムによる汚濁水域の浄化機能を屋外隔離水域により検証し,本システムの窒素,リン除去および藻類の増加抑制に対する有効性を確認することができた。流域管理モニタリングシステムの開発においては,アオコの発生と関係がある水質を認識するためのモデル構築を目的に,収集された多数の湖水サンプルのNIRスペクトルデータをクラスターモニタリング法に基づいて解析を行い,アオコ異常発生水域のパターン認識と発生予測が可能なモデルを構築することができた。さらに,水質浄化技術に関する費用投資効果について霞ヶ浦流域を対象として,汚濁負荷源である窒素,リン,COD,流域市町村の経済活動,さらに,それに伴う環境経済施策を包含した線形計画モデルを構築し,汚濁負荷削減量として数段階の目標値を設定して,経済活動の指標である地域GDPの最大化を目的とした最適化シミュレーションを行い,汚濁負荷削減目標の達成に対し,既存水処理技術より本プロジェクト研究で開発を進めている各種新技術の導入が効果的であるという結果を得ることができた。
〔備 考〕
研究代表者:須藤隆一(東北工業大学)
共同研究者:松村正利・前川孝昭・氷鉋揚四郎(筑波大学)


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