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研究成果物



 

(35) 窒素・リン負荷削減と下水処理水の有効活用のための干潟ビオトープの創出手法開発


〔区分名〕文科-科研費
〔研究課題コード〕9801CD233
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕稲森悠平(循環型社会形成推進・廃棄物研究センター)・水落元之・徐 開欽
〔期 間〕平成10〜13年度(1998〜2001年度)
〔目 的〕本研究ではエコトーンとしての干潟のもつ自然浄化機能に着目し,省エネルギー,省資源および省メンテナンスにて下水処理水中の窒素・リン負荷を削減し,内湾・内海の富栄養化を防止するための人工干潟の創出に関し,多様な生物の生息空間およびきめ細かな生物間相互作用の展開する場としての最適構築手法の開発を試みる。
〔内容および成果〕
 1)下水処理水を活用したヨシ湿地の創出に最も重要な因子であるヨシの植栽基盤に関する検討を行い,砂および礫系に比べ網状担体系は生育状態が悪いことが示された。栄養塩除去能力を考えると窒素に関しては砂と礫が植栽基盤として優れており,リンに関しては砂が優れていることが示され,担体に形成される付着生物膜による硝化・脱窒および植栽基盤の吸着作用が安定した除去速度を得るために重要であることが示された。
 2)干潟生態系の栄養塩循環におけるベントスの役割を明らかにするために,生物相の異なる系での干潟モデルプラント実験と数値モデルによる解析を行った。実験系は対象系(遮光),藻類系(非遮光:底生付着藻類優占),ゴカイ系(堆積物食性ベントス導入),二枚貝系(懸濁物食性ベントス(イソシジミ)導入)の4系で行った結果,藻類系は対象系に比べて底質の有機物蓄積量が1/2に抑制された。二枚貝系では藻類系に比べて生産性が向上した。また浮遊性植物プランクトンの現存量が低いことから植物プランクトンの回転速度が上がり,二枚貝による栄養塩回帰とあわせて二枚貝系の栄養塩循環が促進されたことが明らかになった。二枚貝系では藻類系に比べて有機物の蓄積量が少なかった。これは二枚貝の捕食によって底質に沈降する有機物量が少なくなったこと,二枚貝の体内への同化・無機化を通じて代謝されたことが考えられる。ゴカイ系では藻類系と比べて底質の有機物の蓄積は抑制された。これは,ゴカイの堆積物食による無機化によると考えられる。上記の生物間相互作用を既存のモデルに組み込んだ新たなモデルを開発し,実験で得られた現象を説明することができた。特に,底質近傍のDOを考慮したモデルに変更したことで底生付着藻類による有機物蓄積抑制の現象を再現することができた。
〔備 考〕
研究代表者:西村 修(東北大学)


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