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研究成果物



 

(34) 干潟浅海域のベントス生殖・定着技術導入によるエコエンジニアリング修復システム開発


〔区分名〕文科-科研費
〔研究課題コード〕9801CD232
〔重点特別研究プロジェクト名,政府対応型調査・研究名〕

〔担当者〕稲森悠平(循環型社会形成推進・廃棄物研究センター)・渡邉 信・徐 開欽・水落元之
〔期 間〕平成10〜13年度(1998〜2001年度)
〔目 的〕環境生態工学の原点であり,COD,窒素,リン等の浄化力を有し,有用海産物の再生産の場としての干潟における共存と安定のシステムを構築する上で,生態学,生態工学,水理学,分析化学的側面に立ち,干潟生態系の浄化機能と密接に関連する食物連鎖を構成する各種生物間の捕食被食関係を含めた相互作用,重要なマクロベントスの生殖・定着化技術,水質浄化と生物間相互作用に係わる各種パラメータを明らかにするために研究を行った。
〔内容および成果〕
 干潟ベンチスケールモデルを作成し,干潟底生生物であるゴカイ,アサリ,バクテリアで構成されるメソコズムを活用し,重油を環境汚染物質の指標として影響試験を行った。その結果,アサリはゴカイに比べ,環境負荷に対して感受性が高く低濃度でも死滅し,死骸由来の有機物により水質の悪化を生じるが,ゴカイが存在する系ではそれほど大きな水質変動を生じないことがわかった。このことから,底生生物の中でもゴカイは,環境汚染物質の中でも重油の存在下において浄化能力を維持することの可能性が示唆された。このことは環境負荷である重油等の環境汚染物質としての有機物等を基質としてバクテリアが増殖し,有機物の分解・浄化の後,ゴカイの捕食によって有機物がさらに低減されるものと考えられた。
 また,海洋に流出した油が流達すると考えられる自然干潟から重油分解能を有する菌を分離して分解特性を調べた結果,重油分解菌が普遍的に存在していることが分かり,その分解能も既存の重油分解菌との比較により高機能を有していることが分かった。さらに,葛西人工干潟と三番瀬の自然干潟のCOD浄化能と生物種類数・現存量を調査したところ,水深1〜3m付近において三番瀬は現存量で大きく上回っており,COD浄化能は人工干潟の2倍以上有していることがわかり,干潟の生物物理化学的な観点からの適正構造が重要なことがわかった。また,前年度までの研究成果から,エコエンジニアリングを導入した修復システムにおいて浄化機能強化を図れるベントスの生殖・定着化技術を工夫することにより,干潟の浄化能力を高められるであろうことが示唆された。
〔備 考〕
共同研究者:西村 修(東北大学)


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