(30) 超高磁場人体用MRIにおける多核種同時計測法の開発に関する研究
〔区分名〕文科-科研費
〔研究課題コード〕0103CD188
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕三森文行(内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトグループ)・山根一祐・梅津豊司
〔期 間〕平成13〜15年度(2001〜2003年度)
〔目 的〕近年の世界的な人体用核磁気共鳴イメージング装置の高磁場化の趨勢に鑑み,これまでの我が国の高磁場MRI装置のレベルを越える4.7Tでの多核種同時計測システムの構築を目的とする。高磁場化により得られるメリットのうち最大のものは,検出感度の向上である。本研究ではまずこの高い検出感度を利して高精細プロトンイメージング,高感度プロトンスペクトロスコピーの実現をめざす。さらに,検出感度の低い31P,13C核の測定を実用化するために多核種同時測定システムの開発をめざす。これによりヒトの超高磁場イメージング,多核種スペクトル測定を実現することを目標とする。
〔内容および成果〕
静磁場強度4.7Tの超高磁場MRI装置に第3のラジオ波送信系を組み込み,3チャンネルの独立した送信システムを構築した。また,信号受信系には4チャンネルの広帯域受信器を装備し,1H,31P,13C核の独立な送受信を可能とする分光計を整備した。これらの3チャンネルに対して1H核の共鳴周波数である200MHzの送受信試験を行い,1L生理食塩水ファントム試料に対して各チャンネルでほぼ同等の信号雑音比が得られることを確認した。また,1H,31P,13C核の同時測定を可能とするために,3核種同調信号検出器の設計を行った。検出器は人体頭部測定を想定し,24個の送信線エレメントを有するTEM型信号検出器を採用した。24エレメントのうち,各8エレメントずつをそれぞれの核種用に同調し,全体で上記3核種に対応する予定で,現在製作を進めている。1Hチャンネルについては単一核同調信号検出器を用いて基本的なイメージングソフトウェアの試用と最適化を図っている。この結果,高磁場化により,ほぼ磁場強度に比例した検出感度の向上が得られていることを確認した。さらに,イメージングと並んで領域選択1Hスペクトロスコピーを実現するために,実験動物を対象とするStimulated
Echo Acquisition Mode (STEAM)法の研究を行った。この結果,ラット脳150マイクロリットルの選択領域からN-アセチルアスパラギン酸,クレアチン,コリンに加えて,グルタミン酸,アスパラギン酸,タウリン等10種類の代謝物の信号を,極短エコー時間2ミリ秒で測定することが可能となった。
〔備 考〕
研究分担者:板井悠二(筑波大学臨床医学系)
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