(17) アジア縁辺海域帯における海洋健康度の持続的監視・評価手法と国際協力体制の樹立に関する研究
〔区分名〕環境-地球推進 D-3
〔研究課題コード〕9901BA122
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕原島 省(水土壌圏環境研究領域)・刀正行・木幡邦男・中村泰男
〔期 間〕平成11〜13年度(1999〜2001年度)
〔目 的〕日本近海・東シナ海・南シナ海・マラッカ海峡に連なるアジア縁辺海域帯において,人為影響による海洋環境の変質を持続的に監視・評価する体制を構築する。「シリカ減少シナリオ」,すなわち,「人為影響で陸域からのリンと窒素の負荷は増加するが自然の風化作用によるケイ素の補給がダム建設等により減少するため,海洋生態系の基盤がケイ素を必須とするケイ藻類からケイ素を必須としないケイ藻以外の藻類にシフトする」という仮説が存在する。この仮説を検証するため,同海域を航行する定期航路船舶による栄養塩・植物プランクトン種組成の計測を継続する。またこの手法による研究を,関連するアジア各国との協議のもとに実行し,海洋環境を持続的に評価する体制を確立する。
〔内容および成果〕
前年度に引き続き,アジア縁辺・沿岸海域帯を定期航行するコンテナ船により,プランクトンおよび栄養塩のサンプリング・分析を行った。シリカ減少シナリオの検討という観点から,結果を溶存ケイ素/溶存無機窒素比基礎パラメータとして整理した。また,より高頻度で観測した瀬戸内海のフェリーのデータを同様に解析し,シリカ減少が現実に起こっていることと,これがケイ藻類ブルームとケイ藻以外の藻類のブルームの選択に影響を与えていることが判別できた。
ハンブルグで行われた「欧州フェリーボックス計画」のワークショップに参加し,欧州各国研究機関と国立環境研究所のフェリー利用海洋計測の情報交換を行った。
3年間の総括として,「シリカ減少シナリオ」を作業仮説としながら定期航路を利用して海洋の栄養塩・植物プランクトン組成を持続的に監視することが重要であることが結論される。この結論に基づき,ソウルで開かれた,IOC/WESTPACシンポジウムで,北東アジア海域において定期航路を利用したリアルタイム海洋計測体制を確立することを提案をした。
〔備 考〕
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