(11) 環境データの統計解析法に関する研究
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0002AE224
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕松本幸雄(大気中微小粒子状物質(PM2.5)・ディーゼル排気粒子(DEP)等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価プロジェクトグループ)
〔期 間〕平成12〜14年度(2000〜2002年度)
〔目 的〕環境データから有効に情報を引き出すための統計的方法を開発し,データ取得計画とデータ解析に適用することを目的とする。具体的には,1)大気汚染物質の調査結果から濃度変動の空間時間変動特性を明らかにするための解析方法の開発 2)環境データの分布における極値(高い値)の出現確率と各種期待値との関係のモデル化および極値の制御可能性の検討である。
〔内容および成果〕
1)環境データの平面補間の評価と酸性雨モニタリングデータへの応用
確率場の考えに基づく平面補間法の一つであるKriging法を用いて,観測地点のデータから非観測地点の値を補間することの統計的妥当性を検討した。
この方法では,地点の濃度は「近い地点ほど似ている」として地点間の共分散で表現する。これを用いて観測地点の測定値から作成したモデルで全地点の値を内挿により推定する。
環境庁(当時)により経年的に行われてきた全国の「酸性雨対策調査」(観測地点45地点,1986〜1997)のデータを対象に検討した。その結果,全国レベルでのpH,非海塩性硫酸イオン濃度の評価においては,平面内挿による測定値の補間による評価よりも,他の要因(例えば発生源との関連)による評価のほうが統計的には合理的であることを示唆していた。引き続き検討を進めている。
2)極値の出現確率と各種期待値との関係に関する研究
環境データの分布に関する概ね次のような命題を数学的に証明した。
「ある測定局の集合において,その集合に含まれる測定局の年平均値と,任意の濃度c
を超える相対頻度とが,図に書いたとき直線関係にあることは,その集合に含まれるすべての測定局の分布が二つの分布の重ね合わせであらわせることと同値である」
この命題は,具体的には,現実の都市大気汚染の分布の年平均値と98%値とに直線関係が成り立つことの数学的意味を与える。また,この命題の「測定局の集合」や「年平均値」を,「分布の集合」や「期待値」と読み替えることで他のデータ,例えば,降水量の空間平均の推定モデルにも応用できる。引き続き,拡張と応用を検討している。
〔備 考〕
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