(2) 環境汚染のタイムカプセルに関する基礎的研究
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0101AE103
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕佐竹研一(大気圏環境研究領域)
〔期 間〕平成13〜13年度(2001〜2001年度)
〔目 的〕本研究では環境汚染の時系列変化を知るため環境汚染物質を蓄積している試料の特性について基礎的研究を行う。
〔内容および成果〕
過去から現在に至る大気汚染物質濃度の経年変化を解明するためには,大気汚染の歴史を記録している試料を得てこれを分析するのが一つの方法である。その中で注目される研究手法に環境汚染のタイムカプセルとしての樹木入皮(法)と樹木年輪(法)がある。入皮法とは,樹木の外側をおおって大気汚染物質を蓄積していた外樹皮が,樹木の傷の修復,幹の合体,不規則な幹の生長,枝の巻き込みなどの理由で樹体内に取り込まれ年輪にはさまれて分布していることに注目して,過去の汚染の時系列変化を探る方法である。樹木年輪法は各年輪に蓄積されている汚染物質濃度に注目し汚染の時系列変化を探る方法であるが,年輪への汚染物質の蓄積は土壌を経由して行われるもので,移動汚染物質が水溶性であることに限られ,また土壌中での移動が汚染物質の化学形態に大きく左右されることから,場合によっては十数年の時差が生じ問題視されてきた。これに対し,樹木入皮には時差がないこと,沈着汚染物質の化学形態によらないこと,蓄積汚染物質の濃度が高いことなどから,年輪法より長所をもっていると考えられた。本研究では,この点を明確にすべく,大気汚染物質として鉛とヒ素に注目し比較検討を行った。その結果,鉛は移動性に乏しく汚染の時系列変化は年輪に反映されないが,ヒ素に関しては年輪に速やかに蓄積されることが明らかとなった。その理由はまだ明らかではないため,ヒ素化合物の化学形態によって大きく異なることが予想される。土壌−年輪間の移動性について検討することが今後の課題として登場した。
〔備 考〕
研究代表者:佐竹研一
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