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研究成果物



 

(3) 東アジア地域の持続的発展に関する環境総合診断システムの構築に関する研究


〔区分名〕文科-振興調整
〔研究課題コード〕9702CB128
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕大坪國順(水土壌圏環境研究領域)・渡辺正孝・小野雅司・奥田敏統・清水英幸
〔期 間〕平成9〜14年度(1997〜2002年度)
〔目 的〕以下の重点研究課題を効率的に遂行するために,支援協力員が研究の支援的業務を行う。
 @地理情報システムやエキスパートシステム等を活用した環境総合診断システムに関する研究
 A東アジア地域での物質輸送,循環に関するモデル結果表示の高度化とネットワーク化
 B熱帯林生態系の長期変動モニタリングのための基礎的研究
 C東アジアにおける生物多様性インベントリーシステムの構築に関する研究
 @では,流域スケールで水・物質の挙動を表現する統合型流域水文モデルの開発,および,地球温暖化等による動物媒介性感染症の流行状況を総合的に診断する環境地理情報システムの構築を目指す。Aでは,所与のGDP変化シナリオに対する中国河北平原の地下水位の将来変化を予測するモデルを開発する。Bでは,熱帯雨林ランドスケープ管理用データベースおよび熱帯雨林地上部現存量推定システムの構築を目指す。Cでは,環境変化に敏感な蘚苔類を中心とした電子ファイル化と「蘚苔類インベントリーシステム」の構築を行う。
〔内容および成果〕
 @-1長江全域を対象領域として,水・物質の挙動を表現できる数学モデルをUNIX上で開発した。上記マクロスケールモデルを基に,水文素過程毎に高度化を図った各数学モデルのデータ入出力を効率よく実行するインターフェイスをUNIX上で開発した。主に中国を対象としてGIS上で包括的な環境地理情報データベースを作成し多岐にわたる空間解析・統計解析を実施して,流域水文モデルに不可欠なパラメータを抽出した。更に,長江全域に水・土砂の流出を記述する水文モデルを開発し再現性の高い計算結果を得た。
 @-2インドネシア国ロンボク島を対象にマラリア媒介蚊の発生を規定する要因の解明を行った。中国南部地域を対象にマラリア,デング熱流行に関する情報収集,データベース化を計った。作成したデータベースを用い,マラリア,デング熱流行と環境要因との関連性の解析を行うためのシステム開作業を行った。解析結果に基づき,地球温暖化等の環境変化による健康影響を総合的に診断するための環境地理情報システムを構築を進めている。
 A中国を中心に東アジア地域の土地利用・被覆変化に関するデータベースを収集・整理し,ディジタルマップ化した。このデータベースを利用した一つの環境診断事例として中国河北平原での地下水資源問題を選び,地下水盆の水位低下予測に取り組んだ.都市拡大に伴う水需要の変化を考慮するために,人口とGDPの将来シナリオを与えて都市域拡大を予測するモデルを作成した。2030年までの地下水揚水シナリオと都市域拡大予測結果を境界条件として,河北平原における地下水盆の水位変化予測シミュレーションを行った。
 B東南アジアにおける長期観測プロットデータに関する情報を集めデータベースを作成した。東南アジアの森林の長期観測プロットで得られたデータを生物多様性や炭素循環に関する解析に使えるようにするためデータの整理及びチェックを行った。空中写真判読技術から得られたデータから東南アジア地域の森林構造や樹冠構造を解析した。また空中写真から得られた林冠データと地上で得られた毎木調査データを照合し,林冠の三次元構造と地上部現存量との関係について解析を行った。
 C日本産蘚苔類インベントリーシステム構築に関して,それまで蘚類・苔類ツノゴケ類に分かれていたデータベースの統合を行い,それに最新データの追加・訂正を行い,また,前年度作成の日本産蘚苔類絶滅危惧種データベースとの相互リンクについても最新データを用いた再構築を行った。加えて,異名(シノニム)入力により「種の正式名」・「異名一覧」・「異名に対応する文献の一覧」の同時表示が可能な異名検索システムを構築した。さらに,データベースフォーマット等のシステム構築に関して,将来的に考えられる全植物を対象とした植物名検索システムを考慮しながら,他の植物データベース・植物標本データベース等との相互リンクへの発展についても検討を行った。
〔備 考〕


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