(4) ケイ酸塩鉱物の風化過程における表面変化と自然環境に関する研究
〔区分名〕文科-科研費
〔研究課題コード〕0102CD055
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕瀬山春彦(化学環境研究領域)・田中 敦
〔期 間〕平成13〜14年度(2001〜2002年度)
〔目 的〕いくつかの表面分析法を組み合わせ,風化したケイ酸塩鉱物表面の組成,化学結合状態を調べ,自然環境中における鉱物の化学的風化進行のメカニズムを明らかにする。ひろく天然に存在する造岩鉱物の一つである黒雲母をモデル鉱物とし,風化による表面変化を調べる。得られた測定結果から,ケイ酸塩鉱物の風化反応メカニズムを考察するとともに,自然環境と風化反応の関係を明らかにし,風化鉱物の表面分析から酸性雨などの環境影響評価を行う。
〔内容および成果〕
本年度は,酸溶液と反応した黒雲母と天然風化黒雲母の二次イオン質量分析法(SIMS),X線光電子分光法(XPS),走査電子顕微鏡法(SEM)による表面分析を行った。その結果,黒雲母の単純な酸溶解過程では,二酸化ケイ素(SiO2・nH2O)に富む表面溶脱層の生成が確認された。一方,天然に風化した黒雲母では,明瞭な表面溶脱層は見いだされなかったが,未風化試料に比べ,表面でK,Fe,Mgが減少し,相対的にSi,Alが増加していた。自然界におけるケイ酸塩鉱物風化のメカニズムは,鉱物と反応する溶液(土壌溶液など)の性質(pHなど)に依存している。溶存Alを含む溶液との反応では,鉱物からのAlの溶出の抑制や鉱物表面への水酸化アルミニウムの沈着が考えられ,これが天然風化黒雲母で,Alの表面濃度が高くなる原因と推定された。
〔備 考〕
先頭へ