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研究成果物



 

(2) 規制項目等有害元素による地下水高濃度汚染実態解明と修復技術に関する研究


〔区分名〕環境-公害一括
〔研究課題コード〕0002BC050
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕西川雅高(化学環境研究領域)・中杉修身
〔期 間〕平成12〜14年度(2000〜2002年度)
〔目 的〕硝酸態窒素による地下水が顕在化している静岡県,岐阜県,福岡県において,その汚染実態や二次汚染の有無を把握し,地下環境の修復技術の開発を主な目的としている。地下水中に含まれる硝酸態窒素濃度は10mg/lが規制値と定められているのだが,主に丘陵型農耕地域を中心として規制値を超える地下水汚染現場が点在していることが明らかになってきた。最近では,それら地域において硝酸汚染のみならずアルミニウム,ホウ素,ニッケル等重金属類汚染も顕在化していることが判明し,その汚染機構を明らかにすることが急務となっている。本研究プロジェクトでは,各県の汚染実態を詳細に把握し,その汚染機構を明らかにするとともに,地域特性にあった地下環境修復技術の開発も視野に入れ,厚生省国立公衆衛生院および農水省野菜茶業研究所と連携し,各県の研究機関の参画をいただいて実施するものである。
〔内容および成果〕
 本研究の対象地域(福岡県内,岐阜県内,静岡県内)は,農業活動によって地下水汚染が生じている可能性が高い。このうち,静岡県内の地下水汚染地区を詳細観測フィールドとし,野菜・茶業研究所との共同で汚染実態と施肥との関連性を明らかにするためのモニタリングを2年間継続して行った。ニッケル,マンガン,アルミニウム等の地下水汚染は,硝酸による高濃度汚染地域と一致しており,硝酸による二次汚染である可能性が高いことが判明した。その硝酸汚染の発生源究明のために,窒素同位体比を利用した。元素分析計ー同位体比質量分析計を組み合わせた装置を用い,溶液中の硝酸態窒素分を固体化後測定する新分析方法を開発し,硝酸汚染の同一起源による汚染の広がりについて多試料分析結果を基に詳細調査をした。その結果,茶畑に投与される肥料中の窒素同位体比によって地下水中の硝酸性窒素の同位体比が説明できることが明らかとなった。その他,含酸素酸態の無機態陰イオンの挙動解析と汚染地下水の高次処理法の検討にあたっては,厚生省国立公衆衛生院に担当していただいた。本年は,特にアンチモンのLC-ICP/MS法による微量形態分析技術の確立をめざし,LC分離におけるカラム条件や溶離液の液性を中心に検討した。特にアンチモンは,3価の状態で保存し分析に供することが望ましく,長期安定保存には試水中に還元剤を投与することが有効であることを明らかにした。処理技術については,ナノ濾過膜を用いた処理技術に着目し,ベンチスケールの実験装置による検討に入った。硝酸高濃度汚染地下水のナノ膜濾過法による処理水は,環境基準(10mg/l)を下回るレベルにまで容易に改善される。一方,濃縮水は,1000mg/lオーダーの硝酸性窒素分が含まれている。野菜茶業研究所では,汚染地下水を膜濾過処理した時に生じる汚染成分濃縮水の農業活動における再利用方法についても検討を始めた。また,農用地域周辺で発生している硝酸性窒素の地下水汚染原因が施肥であることは本調査結果からも疑いようがなく,政策として,施肥量を減らすことによる低減化対策効果についても検討を始めた。
〔備 考〕
共同研究機関:厚生省国立公衆衛生院・農水省独立行政法人農業技術研究機構野菜茶業研究所・静岡県環境衛生科学研究所西部支所・岐阜県保健環境研究所・福岡県保健環境研究所


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