<HOME <Index of 年報(平成13年度)

研究成果物



 

(9) 陸水境界域における自然浄化プロセス評価手法の開発に関する研究


〔区分名〕文科-原子力
〔研究課題コード〕0004CA130
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕内山裕夫(水土壌圏環境研究領域)・冨岡典子・越川 海・牧 秀明・徐 開欣
〔期 間〕 平成12〜16年度(2000〜2004年度)
〔目 的〕陸水境界域(海浜,干潟,湿地,湖沼,河川等)は人間活動における安息の場を提供するのみならず,野生生物の生息地としても重要な場である。一方,人間活動に由来する各種有機汚染物質の流入・集積が生じやすい場でもあるため,本境界域の有する自然浄化能を把握することは,場の保全及び将来予測の上で重要である。この為,本研究では海浜,ヨシ原等湿地帯,湖岸等において,自然浄化能を把握するために自然浄化プロセスを評価する手法の開発を行う。すなわち,1)海浜における汚染有機物の分解速度把握手法の開発 2)湿地帯における土壌への汚濁物質の浸透などの挙動の解析 3)湿地における炭素循環プロセス評価手法に関する研究 4)湖沼沿岸域における有機汚染物質負荷に対する微生物群集応答把握手法の開発,に関する研究を行う。
〔内容および成果〕
 前年度に引き続き,有機汚濁海岸から発生するCO2量,炭素安定同位体比(δ13C)測定から汚濁物質分解速度を評価する基礎となるCO2の回収,保存,δ13C分析法について検討した。昨年度は対象場から発生したCO2をアルカリ溶液へ捕集・炭酸塩へ変換し,固体として保存する事により安定したδ13C分析値(σ<0.2‰)を得た為,本年度は,分析値の妥当性を評価するために,異なるδ13C値をもつ複数の物質に由来するCO2をそれぞれ炭酸塩化しδ13C値の安定性評価を行った。この結果,炭酸塩化によって最大1〜1.5‰変位する事が明らかになった。δ13C値の変位傾向から,炭酸塩化操作中の大気CO2混入がその要因であると考えられ,引き続き,炭酸塩化処理の各段階でのδ13C値変位要因に関する検討を行っている。
 湿地マイクロコズムを用いて炭素循環プロセス評価を行うため,メタン発生プロセスの初発反応である植物遺骸の分解過程について検討した。植生の異なる湿地調査地にセルロース分解活性測定用布を埋設し,数ヶ月後に取り出して引張実験を行い,セルロース分解活性の深さ方向分布を調査した。表層に好気的分解の存在が示され,ミズトクサ植生地では嫌気的なセルロース分解が示唆された。セルロース分解活性の至適条件は,pH7.0,30℃で,比較的高いイオン強度条件下で得られた。また,セルロース分解に関与する微生物は糸状菌および細菌が主で,新規なセルロース分解が単離された。
 湖沼沿岸域における微生物群集を解析する手法として前年度開発したDGGE法の有効性を確認した。後背地に多くの農地を有する恋瀬川と都市河川である桜川の湖沼流入部の河川水及び湖水を用いて微生物群集を比較した。河川水と湖水の微生物群集構造は著しく異なり,一方,恋瀬川と桜川の微生物群集はきわめて類似し,河川に特徴的なバンドが2本検出された。河川流入部の湖水と河川水との微生物群集が著しく異なっていたことから,流入部において大きな細菌群集の変化が起こっていると推測された。
〔備 考〕


先頭へ

 


HOME

Copyright(C) National Institute for Environmental Studies.
All Rights Reserved. www@nies.go.jp