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研究成果物



 

(23) 山風が都市ヒートアイランドに及ぼす影響に関する研究


〔区分名〕地環研
〔研究課題コード〕0101AH318
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕一ノ瀬俊明(地球環境研究センター)
〔期 間〕平成13年度(2001年度)
〔目 的〕長野県長野市では夜間に山風が出現し,それがちょうど都市の中心部に吹きこんでいる。山風が出現する気象条件は都市ヒートアイランドも出現する可能性が十分あり,この山風により都市ヒートアイランドが緩和されることが期待できる。ドイツでは山から流出する冷気流を都市内に取り入れ,ヒートアイランドを緩和させるという方法が都市計画に応用され,「風の道」と称されている。このような取り組みは都市計画など自治体レベルでのヒートアイランド緩和対策としては有効と考えられるが,日本で実践されている例は少なく,特に長野市のような内陸の盆地内に立地する都市では研究段階から行われていない。そこで本研究では,山風の実態とそれが都市ヒートアイランドに及ぼす影響について気象観測および数値シミュレーションにより明らかにし,山風の都市ヒートアイランド緩和に及ぼす効果,すなわち日本版「風の道」になりうるかどうか,についての検討を行うことを目的とする。
〔内容および成果〕
 長野県長野市を研究対象地として,気象観測により山風出現日における都市内の気温と風の水平分布および山風の鉛直分布を明らかにし,都市内における山風の影響範囲や山風自身の構造をまず解明する。そして,これらのデータを基にした山風再現の数値シミュレーションを実施し,その結果を観測データと照らし合わせてモデルを確立し,このモデルにより山風の都市ヒートアイランド緩和効果について検証を行う。本年度は,裾花川に沿った山風の影響を受ける長野県庁屋上(地上40m)と,山風の影響を受けない徳間小学校屋上(地上15m)で風の観測(10分間隔)を行った。長野県庁では,夜間に裾花川の谷口の方向(ほぼNW)から,風速6m/s前後の風が吹送してくる。このとき徳間小学校では風向が安定せず,かつ風速は1m/s前後と非常に弱くなっている。20時から4時までの間,両地点の風速差が3m/s以上の日を山風日とし,24例を抽出した。風速は22時頃にピークがあり,その差は約6m/sであった。山風吹送時の風向は300°前後で比較的安定していた。山風の開始・終了時刻を風向の急変でとらえると,19時に吹き始め,7時に終了するケースが多い。また,山風吹送時における市街地の風のベクトルは裾花川の谷口から南東方向に強風域が存在することを示していた。また,ドイツで開発された数値モデルであるKLMODELLを長野市周辺地域に適用し,裾花川上流の山地斜面で形成された冷気がどのように市街地へ到達するかを検討するための数値シミュレーションを行った。
〔備 考〕
研究代表者:浜田崇(長野県自然保護研究所)
共同研究機関:長野県自然保護研究所
共同研究者:研究代表者に同じ


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