(14) 建物・街区・都市・地域の各規模にまたがる熱環境解析と環境共生都市の計画への応用
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0101AE260
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕一ノ瀬俊明(地球環境研究センター)
〔期 間〕平成13年度(2001年度)
〔目 的〕本研究では,従来のモデル計算の限界を超えて,建物・街区・都市・地域の各規模をまたぐ解析を行う手法を確立し,さらに都市計画的な手法への応用を行う。一方で系統的な観測により,モデルの検証を行うとともに,観測に基づく都市気候図の作成を行う。これらの研究を行うことによって,従来信頼度の低かった熱環境解析の信頼度を向上させ,この領域の研究水準を向上させるとともに,実際の環境共生都市の実現に向けての都市計画手法の有効性を明らかにすることを目指す。具体的には,建物の空調エネルギー消費の建物周辺熱環境に対する依存性を求めると同時に,建物からの人工排熱,建物内外の熱の出入りを街区規模のモデルまたは都市・地域スケールのモデル(メソスケールモデル)に入力することによって,建物における空調利用のフィードバック効果を評価する。また,都市内の建物電子情報をもとにして,未利用エネルギーの利用や地域冷暖房の利用が有効な地域を特定し,これらシステムの導入に伴う人工排熱量の変化を評価した上で気候モデルに入力する。一方,地域から都市,さらに街区までの幅広いスケールに対応する都市気候モデルを用いて,都市内の用途地域計画,再開発,緑化などさまざまな規模の都市計画上の方策が熱環境にいかなる影響をもたらすかを評価する。これらのモデル計算の一方で,建物周辺,街区,都市内公園などにおいて観測を行い,人間活動がもたらす影響を把握し,モデル計算の検証に用いる。さらにこれらの観測計画から,都市内の都市気候マップを作成する。
〔内容および成果〕
現在までに経常研究以外の研究予算を獲得できなかったため,先行研究のレビューと,地方自治体における都市熱環境改善施策の整理及び評価を行い,適用に当たっての考え方と問題点を整理した。具体的には,日本の地方自治体におけるヒートアイランド対策の体系化を目指し,地方自治体でも実施可能な都市熱環境の調査手法,都市熱環境の評価手法,現在知られているサーマルストレスの緩和手法,地方自治体における取り組み事例などを取りまとめた。その結果,豊富なレビューにもとづいて,平均風速には恵まれているが夏季の暑熱対策が長期間必要(自然面の特徴),再開発をめぐる合意形成過程の複雑さ(社会・制度面の特徴)等,日本における対策の難しさが指摘された。また,都市熱環境を評価するための指標づくり,個別のサーマルストレス緩和手法(ヒートアイランド現象抑制対策手法)に関する情報の収集・整理,それら個別手法に対する地方自治体への適用可能性からみた評価を行い,「地方自治体向け対策マニュアル・対策インベントリー」の作成を試み,わが国の地方自治体におけるヒートアイランド対策のあり方を論じた。
〔備 考〕
研究代表者:花木啓祐(東京大学)
共同研究機関:東京大学
共同研究者:研究代表者に同じ
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