(11) 肺における細胞外基質代謝に関する研究
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕9903AE215
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.1.6.大気中微小粒子状物質(PM2.5)・ディーゼル排気粒子(DEP)等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価
〔担当者〕古山昭子(大気中微小粒子状物質(PM2.5)・ディーゼル排気粒子(DEP)等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価プロジェクトグループ)・持立克身
〔期 間〕平成11〜15年度(1999〜2003年度)
〔目 的〕肺胞組織は肺胞上皮細胞,肺線維芽細胞,血管内皮細胞とそれらの細胞間を埋める細胞外基質から構成されており,それぞれの細胞の機能発現には正常な細胞外基質構成を保つことが重要である。大気汚染物質暴露により,傷害を受けた肺で分泌される様々なサイトカインは,組織再生あるいは組織の破壊や異常な線維化に関与していると考えられる。本研究ではin
vitroで肺胞上皮組織を模した培養系において細胞外基質の代謝へのサイトカインの影響を検討して,組織傷害後の再生機構を明らかにすることを目的とする。
〔内容および成果〕
本年度は,肺組織障害と修復に伴って分泌されるサイトカインの培養肺胞上皮細胞の基底膜形成への影響を検討した。線維芽細胞や肺胞マクロファージ,あるいは上皮細胞自身に由来するTransforming
grwth factor-β1(TGF-β1)が,低濃度で基底膜成分の分泌を増加させることにより基底膜形成を促進し,高濃度で線維化を促進することによって基底膜形成を阻害することを報告した。さらに,Hepatocyte
growth factor(HGF)が細胞外マトリックスの分解酵素を発現させ,基底膜形成を阻害すること,しかし,同時にHGFの後に低濃度TGF-β1を与えると上皮細胞の増殖・遊走を促進をへて,最も速やかに組織修復が行われることが明らかになった。
〔備 考〕
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