(3) 植物の気孔開度に影響を与える環境刺激の受容と伝達に関する研究
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0101AE201
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕中嶋信美(生物多様性の減少機構の解明と保全研究プロジェクトグループ)
〔期 間〕平成13年度(2001年度)
〔目 的〕植物は乾燥ストレスにさらされると,それに対抗するため様々な代謝変化が起こることが知られている。本研究ではソラマメ孔辺細胞に浸透圧ストレスを与えるとリンゴ酸の蓄積が見られることを明らかにした。本研究では気孔開度へのリンゴ酸役割を明らかにすることを目的とする。
〔内容および成果〕
ソラマメの葉から表皮を剥離し,0.4Mマンニトール水溶液に表皮を浸し浸透圧処理とした。PEP
carboxylase(PEPC)の阻害剤を処理すると,リンゴ酸の蓄積が抑えられ,気孔開度も低下した。さらにに,浸透圧ストレス処理によって細胞内にリンゴ酸が蓄積することや,リンゴ酸の合成酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)の活性が上がることが見いだされた。このことからリンゴ酸の蓄積が気孔開度に影響を与えていると考えられる。次にリンゴ酸の蓄積の原因がリンゴ酸の消費低下によるかどうかを検討するために,リンゴ酸の分解酵素であるNADP依存性あるいはNAD依存性のリンゴ酸酵素
(ME) の活性を測定した。その結果,浸透圧ストレスにより
ME が低下することを見いだした。これらの結果から,浸透圧ストレス下でリンゴ酸が蓄積する原因が,PEPC活性の上昇によるリンゴ酸合成の上昇と,ME活性低下によるリンゴ酸分解の低下の両者であることが明らかになった。
〔備 考〕
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