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研究成果物



 

(11) 生殖系列細胞を用いた希少動物種の維持・増殖法の開発に関する基盤研究:鳥類胚発生・孵化率診断に関する研究


〔区 分〕文科-振興調整
〔研究課題コード〕0103CB186
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応調査,研究名〕

〔担当者〕高橋慎司(内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトグループ)・清水 明
〔期 間〕平成13〜15年度(2001〜2003年度)
〔目 的〕希少鳥類を人工的に増殖させるためには,近交退化を未然に防ぐ必要がある。我々は,鳥類実験動物(ウズラ)を用いて近交退化現象の解明を行っている。今回は,希少鳥類を増殖する際に必要となる遺伝・環境要因を胚発生段階で診断し,孵化率を向上させるための手法をウズラ・ニワトリ種卵を用いて開発する。また,これらの診断手法をボブホワイトに適用し,近交退化を回避させながら近交系作出を試み,最終的には希少鳥類の具体的救済方策を提言する。
〔内容および成果〕
 本年度は,実験用ウズラを用いて近交化に伴う繁殖能力の変化を把握するとともに,近交系ウズラ間での交雑試験を行い雑種強勢による繁殖能力の回復を図った。また,鳥類実験動物(ウズラ,ボブホワイト,ニワトリ)の卵形診断技術を開発し,種間・系統間比較を行った。以下に,主な成果を示す。
 1)近交系ウズラの55世代にわたる繁殖能力を解析した結果,H2系は絶滅型へL2系は周期的回復型へ分離したことがわかった。すなわち,L2系のふ化率は回復型ながら増減サイクルを示すことがわかった。これからのモデルは,希少野生鳥類の繁殖能力を改善させるために有用な情報を提供するが,近交退化の指標として適応度指数(産卵率×受精率×孵化率×育成率)が重要であり,しかも育成率を除いても有用性は高いことがわかった。
 2)ウズラ・ボブホワイト・ニワトリの卵形を画像処理し,卵形診断により種間・系統間比較が可能となった。また,H2系の平均卵形には絶滅の兆候が認められることが卵形不良の分析より明らかにされたので,ニワトリ(ロード種)で確認を行っている。
 3)近交系ウズラ間で交雑した結果,特定の家系のみで繁殖能力が向上することが確認できた。希少種の増殖を有利に進めるためには相性(Nicking)が重要であり,遺伝的相性と行動的相性を組み込む必要があることがわかった。
 4)H2及びL2系のMHC構成を比較した結果,両系ウズラともMHC均一系として明確に分離しており,コンタミなく系統維持されていることが証明された。
 5)近交系ウズラの種卵は,卵形異常・卵殻不良などにより孵化率が低下している。そこで,孵化率を向上させるため,遺伝的に卵殻強度の高い家系を選抜している。
〔備 考〕


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