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研究成果物



 

(3) 植物の生理生態機能の画像診断法に関する研究


〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0103AE256
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕戸部和夫(環境研究基盤技術ラボラトリー)
〔期 間〕平成13〜15年度(2001〜2003年度)
〔目 的〕気象条件の変動,大気や土壌の汚染などの環境の変化が植物の個体群や群落などにおよぼす影響を的確に把握するうえでは,環境条件の変化に伴う植物の応答を非破壊的かつ継続的に測定することが必要である。また,自然環境のモニタリング等の目的から,広域的に広がる植物群落などを対象として,バイオマス量などを高精度に推定するための手法の開発が求められている。熱赤外画像計測法や可視−近赤外分光画像計測法などの画像計測法は,このような目的に極めて適合した計測手法であるが,こうした画像計測の結果をもとに植物集団の生理・生態的状況やバイオマス量などを推定するためには,画像計測結果と植物の状態との間の関連性を明確に把握しておく必要がある。そこで,本研究では,植物集団を熱赤外画像や可視−近赤外分光画像などの二次元画像や三次元画像として計測するための手法の開発を行うとともに,計測画像から植物集団の生理・生態的状況やバイオマス量,植物生長速度などを推定するための方法を検討する。また,開発された手法を用いて,環境条件が植物個体群の生理状態や生長速度などに及ぼす影響を調べる。
〔内容および成果〕
 植物集団を対象として,熱画像計測,三次元計測および反射光の可視スペクトルの計測を行うための手法の開発を行った。さらに,開発された手法により,実験圃場に生育するコムギ個体群の画像計測を予備的に行った。また,画像計測により得られた結果と植物の生理・生態状態の関連性を検討するため,このコムギ個体群の蒸散速度,気孔コンダクタンスおよび葉内クロロフィル含量の測定を行うとともに,コムギ個体群の層別刈り取りを行いバイオマス量の高さ方向の分布を調べた。得られた結果を解析した結果,植物葉温と気温との温度差と植物葉の蒸散速度との間に明瞭な相関が認められること等が明らかとなった。植物葉温と気温との温度差は熱画像計測により評定可能であり,蒸散速度は植物の受けているストレスの程度に応じて大きく変動するとともに,光合成速度や生長速度と密接に関連づけられるパラメーターである。以上のことから,熱画像計測法によって,植物集団の受けているストレスの程度やバイオマス量,生長速度などの推定を行うことが可能であることが明らかになり,今後より信頼性の高い推定手法を開発するための基盤が確立された。
〔備 考〕
共同研究者:大政謙次(東京大学)


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