(18) 汽水域における水生絶滅危惧植物の保全と修復
〔区分名〕文科-科研費
〔研究課題コード〕0102CD145
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕矢部 徹(生物圏環境研究領域)
〔期 間〕平成13〜14年度(2001〜2002年度)
〔目 的〕汽水域をおもな生育場所とするコアマモ,カワツルモなどの水生植物は,絶滅危惧種あるいは情報不足の種として環境省のレッドデータブックに記載され,わが国ではその保護・保全が急務となっている。しかしながら,これら植物に関する生態学的な調査・研究例は国内ではほとんどなく,開発に際しての保全法が確立されていないのが現状である。本研究ではコアマモを中心としてその保全と修復を図るため基礎及び実証の両面から保全生態学的研究を実施する。
〔内容および成果〕
千葉県富津干潟においてコアマモ藻場の生態系機能について探索した。コアマモおよび同所的に生育する他の海藻類の分布調査と生態系機能の指標としての底質の物理化学環境のうち,含泥率,含水率,土壌硬度,攪乱強度としての底質流動,pH,EC,ORP,間隙水の各種栄養塩類濃度を測定した。
解析の結果,海草植生とpH,ORPの間には負の相関がみられた。攪乱強度は植生によって急激に低下した。いっぽう貫入試験の結果,地下10cm以深では海草植生の増加にともなって貫入抵抗が増し,この関係は根圏のない深度50cm程度までみられた。底質の強熱減量との関係は海藻植生より海草植生で明瞭であり,強い一次相関(R>0.7)を示した。これらの結果,海草植生の分布が底質の物理・化学的環境に与える影響は極めて大きいことを明らかにした。
〔備 考〕
研究代表者:國井秀伸(島根大学域研究センター)
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