(10) 霞ヶ浦の生態系構造変化とその管理
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0101AE206
〔重点研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕春日清一(生物多様性の減少機構の解明と保全プロジェクトグループ)
〔期 間〕平成13年度(2001年度)
〔目 的〕半閉鎖的空間である湖沼を利用し,その湖内生態系構造の単純化(生物多様性の減少)機構を解明するため霞ヶ浦の生態系構造変化を調べた。
〔内容および成果〕
霞ヶ浦に5点を設け毎週環境要因,水質,植物プランクトン,動物プランクトン,底性動物,魚類の調査を行った。また漁業期間中毎月1回定置網の漁獲物を買い上げ,またトロール漁期間中毎週1回漁獲物調査を行なった。さらに砂浜湖岸において毎月1回面積を定め引き網調査を行った。水鳥類調査は少なくとも週に1回霞ヶ浦南岸域で観察される種類と個体数を調べ,湖心域では湖内調査時に調査船から観察される鳥類の種類と数を記録した。霞ヶ浦の魚類は前年まで外来魚ペヘレイが優占していたが2001年にはその量は減少した。2001年12月になり,著しいイサザアミの増加が起きた。これは捕食者である魚類が減少していることを示している。イサザアミの増加に伴い動物プランクトンの著しい減少が起き,植物プランクトンの増加と透明度の低下が起きた。鳥類では1996年頃から増加の始まったカワウが2001年冬期には1000羽を超え,魚類への食害を与える可能性が生じた。
さらに湖岸域の植生帯減少要因を明らかにするため湖岸域に数点の調査域を設け,毎月写真撮影を行い,植生調査を行った。湖岸植生帯の沈水植物は殆ど発見されなかった。またヨシ帯は波打ち際先端部からかなりの速度で減少した。しかし,2001年8月に湖水位が平常時より35cm程度低下し湖岸に沈水植物であるササバモやエビモ,セキショウモ等の繁茂が見られた。湖岸植生帯の回復にとって水位変動が必要であることを示した。
〔備 考〕
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