(16) 人工光環境とストレス関連ホルモン分泌動態に係る内分泌疫学研究
〔区分名〕文科-科研費
〔研究課題コード〕9902CD006
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕兜 真徳(首席研究官)・黒河佳香
〔期 間〕平成11〜14年度(1999〜2002年度)
〔目 的〕現代社会においては,体内時計をかく乱するような因子が数多く出現してきており,とくに本来休息すべき夜の時間帯に活動する機会も増加してきている。ヒトを含め生物の体内時計は,網膜で感受する光をその24時間リズムの同調因子として利用しているが,したがって,正確なリズムを刻む太陽光を自然に浴びて生活していた時代の人々とは異なり,著しい不規則性あるいは抑揚に乏しい規則性をもった人工光に,深夜帯まで長時間にわたり曝露されることが多くなっている。本研究では,ヒトにおいて,同様な睡眠・覚醒リズム習慣をもちながら光への曝露パターンが変化した場合に,内因性リズムや同リズムに大きく支配されている各種生理機能(ホルモン分泌,自律神経系機能など)がどのように変化するか,また,それらとその後の健康リスクについて疫学的に検討することを計画した。
〔内容および成果〕
本年度は,20代男子8名に,連続2日間を1クールとして,1週間以上の間をおいて計2クールの実験を実施させた。1クールの内容は以下のとおりである。
@受光量・体動モニター計(Mini-Mitter社製Actiwatch-L)と心拍RR間隔モニター計(Mini-Mitter社製ML-2000)を2日間連続装着する。A1日め,2日めの就寝,起床時刻を一致させて,就寝前3〜4時間の時間帯を自宅で過ごし,その時間帯において1日めと2日めの照度を可能な限り違わせる。この暗/明の2条件の順序を,1クールめと2クールめで入れ替える。Bそれぞれの日で,就寝前3〜4時間,および就寝中の全尿を収集する。
以上により,睡眠習慣を変えないで夜間の光環境を変えた実験条件を通常の生活環境の中に作りだし,夜間に分泌されるホルモン(メラトニン,コルチゾールなど)の総分泌量に差が生じるかを観察できるようにした。また心拍変動の観察によって自律神経系活動も同時にモニターできるように考慮した。ホルモンおよび心拍変動の解析は,現在も継続中である。就寝前3〜4時間の平均受光量は,Actiwatch-Lによって胸部中央で計測した値では,明条件で150〜200Lux,暗条件で2〜5Luxであった。
〔備 考〕
研究代表者:兜 真徳(首席研究官)
共同研究者:黒河佳香
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