<HOME <Index of 年報(平成13年度)

研究成果物



 

(12) ガス交換能を有する肺胞モデルの開発と健康影響評価への応用


〔区分名〕文科-原子力
〔研究課題コード〕0004CA072
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕持立克身(環境健康研究領域)・白 禹詩・小林隆弘・古山昭子・鈴木 明・清水 明
〔期 間〕平成12〜16年度(2000〜2004年度)
〔目 的〕これまで呼吸器系に対する大気汚染物質の影響は,呼吸機能に関する生理学的研究,気道および肺胞上皮組織の病変に関する組織化学的研究,あるいは免疫細胞の機能に関する研究等によって評価されてきた。しかし,これらの実験動物を用いた暴露実験を主体とする研究では,ガス暴露装置の制約を強く受け,大気環境中に数多くの汚染物質が共存しその複合汚染が危惧される状況に,適切に対処できない恐れがある。このような状況を踏まえ,「環境化学物質に対するバイオエフェクトセンサーの開発」(平成7〜11年度)では,U型肺胞上皮細胞と肺線維芽細胞を用いて,影響評価用肺胞上皮組織を人工薄膜上に再構築した。本研究では,この人工上皮組織が環境汚染物質を細胞培養液に溶解させた形で影響評価することを前提としていた点を解消すべく,ガス状物質についても影響評価が可能な肺胞組織同等体を構築する。
〔内容および成果〕
 本研究の前期3年間では,ガス交換能を有する肺胞構造体をin vitroに構築することを目指す。初年度は,コラーゲンゲルに包埋したヒト線維芽細胞とヒト血管内皮細胞を共培養し,内皮細胞直下に基底膜構造体が形成されるか検討した。本年度は,まずコラーゲンゲルを作製し風乾によってゲルを薄膜に形成した後,側面だけの円筒形プラスチック培養容器の底面部に,このコラーゲン薄膜を張り付けた。次に,培養容器のコラーゲン薄膜の片面に肺胞上皮細胞を接着させ,もう一つの面には血管内皮細胞を播種し,2週間とも培養した。その結果,両細胞の基底面ともコラーゲン膜との境界には基底膜成分が集積し,程度の差こそあれ不完全ながら基底膜が形成された。今後は,問題点が明らかになったコラーゲン薄膜の多孔性の確保と培養方法を改良し,肺胞上皮細胞と血管内皮細胞が背中合わせに共存する人工肺胞組織をより完全なものに近づける必要がある。
〔備 考〕
研究代表者:持立克身


先頭へ

 


HOME

Copyright(C) National Institute for Environmental Studies.
All Rights Reserved. www@nies.go.jp