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研究成果物



 

(3) 生物評価試験による浮遊粒子状物質の長期曝露モニタリングに関する研究


〔区分名〕環境-公害一括
〔研究課題コード〕0004BC227
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕後藤純雄(循環型社会形成推進・廃棄物研究センター)・中島大介・江副優香・田邊 潔
〔期 間〕平成12〜16年度(2000〜2004年度)
〔目 的〕人間活動に伴い様々な汚染物質がガス状または粒子状で環境大気中に排出されている。環境空気中の浮遊粒子状物質中には比較的分子量の大きい物質が微量ずつ混在している。これらの中には発がん物質であると同時に,外因性内分泌撹乱物質として疑われているベンゾ〔a〕ピレンやダイオキシンも含まれ,かつ,これらは呼吸器系に沈着しやすい微細粒子中に含まれているため,長期曝露に伴う健康影響が懸念されている。従って,これらの物質の長期曝露の影響や経年変化に関する知見の蓄積が対策を講ずる上で重要になってきている。また,発生源や大気中での挙動も複雑であることから不明な点が多い状況にある。そこで本研究では,汚染そのものを総合的に,また比較的高感度にとらえ得る変異原性試験などの生物評価試験法および代表的な化学物質分析法等を用い,浮遊粒子状物質の長期モニタリングに関する知見を収集することを目的としている。
〔内容および成果〕
 長期間継続的に採取した浮遊粒子状物質を生物試験及び化学分析に供し,その結果から空気中発がん関連物質の発生要因や曝露要因を把握するとともに長期曝露評価に必要な基礎資料を得るために,本研究では1)浮遊粒子状物質及びそれに含まれる有害物質による都市部大気汚染トレンド(20〜25年)を長期低温保存試料等を用いて明らかにする。2)生物評価試験(変異原性試験など)を測定に適用し,汚染そのものの総合的評価を試みる。3)都市部浮遊粒子状物質を大量に採取し,それを標準比較試料として用いることにより生物評価試験法,高感度化学分析法の規格化や測定精度管理手法についても検討する。4)隔日サンプリング等,試料採取の基礎資料を作成するとともに,生物評価試験や当該化学物質分析に適した試料調製や試料保存法を作成する。及び5)ガス/粒子間の成分組成や浮遊粒子の粒径分布に及ぼす各種要因及び当該物質のリアルタイム測定法について発生源などを含めた検討を行うこととしている。
本年度は,主に以下の検討を行った。
 (1)ハイボリウムエアサンプラーにより約20年前から採取し超低温保存してきた浮遊粒子試料を用いて,ダイオキシン類を測定(欠測年あり)し,経時変動等について検討を行った結果,PCDDs/DFsの年平均毒性当量は,採取年度によって異なる値(ほぼ横ばい)を示したが,1994年頃からは低下する傾向にあること,Co-PCBsでは,1980年から低下する傾向にあることを認めた。
 (2)アンダーセン型ロープレッシャーインパクターを用いて浮遊粒子を粒径ごと(12.1μm以上〜0.13μm以下)に分級採取するとともに,ポリウレタン樹脂を用いてガス状試料を採取し,それらのダイオキシン類を測定した結果,粉じん濃度は粒径3.9〜5.7μm付近の小さなピークと0.52μm付近にピークを持つことやダイオキシン類は0.52μm付近にピークを持つことを認めた。
 (3)多検体処理に適した生物評価試験法として,これまで検討してきた発光umuマイクロプレート法の適用能について検討した。その結果,アンダーセン型ロープレッシャーインパクターによる分級試料にも適用し得ることやその比活性が粒径0.76μm付近にピークを持っていることなどを認めた。
 (4)BALB/3T3系細胞による形質転換フォーカス形成試験を用いて1980年,1981年,1983年に採取された浮遊粒子状物質の発がんプロモータ比活性(1mg当たりのフォーカス数)を求めたところ,すべて良好な用量反応関係を示した。また,春季に比べ秋季の試料の方が高い活性を示す傾向にあった。
〔備 考〕


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