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研究成果物



 

(2) セスジユスリカを用いた底質試験法の検討


〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕9802AE248
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.2.2 効率的な化学物質環境リスク管理のための高精度リスク評価手法等の開発に関する研究
〔担当者〕菅谷芳雄(化学物質環境リスク研究センター)
〔期 間〕平成10〜14年度(1998〜2002年度)
〔目 的〕OECDで検討されている底質試験法は,日本特産のセスジユスリカも試験生物として認められた。ところが本種を使っての底質試験の研究例は多くなく問題点の把握が十分でない。同ガイドラインに沿って実用試験に入る前に他の推奨種との比較検討を行う必要がある。本研究では,ガイドラインに沿って底質中の化学物質の毒性評価を行う際の問題点を検討すると同時に,セスジユスリカの生物特性に合った試験法の開発を行う。
〔内容および成果〕
 2001年2月にOECDテストガイドライン(ドラフト)の改訂版が出された。以前のドラフトとは,人工底質の馴致が加わったことなど試験実施について重要な部分が変更された。これに伴い,セスジユスリカを用いて,底質添加法(TG-218)および上層水添加法(TG-219)の両方法ついて,ガイドラインに忠実に従った実験をEtofenprox及びPenta-chlorophenolを被検物質に選んで行った。その結果,両物質ともおよび両試験法ともに暴露量と羽化率には用量反応に高い相関が得られ,回帰分析により毒性値を算出することは妥当であると判断された。計算の結果,Etofenproxの底質添加法に試験からは半影響濃度EC50は1.5mg/kgと無影響濃度NOEC1.25mg/kgを得た。一方上層水添加法では,EC50とNOECはそれぞれ0.09と0.0032mg/Kgとなった。
 対照区の羽化率は両試験法とも80%以上であり,試験の成立には問題がなく,セスジユスリカは試験生物として本試験法に使用できることが確認された。
 なお暴露期間中に餌を発生源とするアンモニアの濃度が10mg/lを越える場合があることがわかり,この濃度ではユスリカ弱齢幼虫の生存にpHが中性域にある限りは無影響であることを確認したが,投餌量の検討が必要であることが明らかになった。さらに,テストガイドラインでは羽化に要する日数を元にdevelopment rateの報告を義務づけているが,この値は雌雄で差があることが分かった。この傾向は対照区でも観察され,現ガイドラインでは雌雄を区別しない数値を採用しているがこの点は改善の余地があると判断された。今回の試験ではdeve-lopment rateに差がないかもしくは羽化率に明らかな差が出ている場合に差がでているので,development rateを単独に毒性値を推定する必要がなかったが,試験を重ねる中で羽化率では差がないが,development rateでは差を生じるという場合には,雌雄差を考慮した数値との比較が必要であると判断された。
〔備 考〕


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