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研究成果物



 

(9) 藍藻が生産する新規生理活性物質に関する研究


〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕0105AE252
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕佐野友春(環境研究基盤技術ラボラトリー)・高木博夫・彼谷邦光
〔期 間〕平成13〜17年度(2001〜2005年度)
〔目 的〕アオコの有毒物質による飲料水源及び湖沼の汚染は世界中で問題となっており,WHOからも藍藻の数および肝臓毒ミクロシスチンの濃度について勧告がなされた。ミクロシスチンは藍藻が生産する環状ペプチドで,タンパク質脱リン酸化酵素を阻害し,肝発がんプロモーターであることが知られている。藍藻中にはミクロシスチンだけでなく,様々な種類の生理活性物質が含まれており,それら生理活性物質の生態系への影響や,人への健康影響を調べるためには単離・構造決定することがまず重要である。本研究ではアオコを形成する藍藻中の新規生理活性物質の構造を解析することを目的としている。
〔内容および成果〕
 Planktothrix属の藍藻株を大量培養し,凍結乾燥後,ミクロシスチン分画を抽出したところ,リン酸化タンパク質脱リン酸化酵素を阻害する物質,oscillamide BおよびCを発見した。逆相のHPLCおよび順相のHPTLCを用いて,これら阻害物質を精製した。精製した阻害物質はNMRスペクトルから,ペプチドであることが示唆されたことから,酸加水分解後,アミノ酸分析を行い,含まれるアミノ酸の種類および立体構造を解析した。また,分子量および分子式は高分解能FABMSスペクトルにより決定した。oscillamide B およびCの構造は,1H-,13C-NMRスペクトルおよび2次元NMRスペクトルを詳細に検討することにより決定した。oscillamide Cの蛋白質脱リン酸化酵素PP1およびPP2Aに対する阻害の強さは,IC50値でそれぞれ0.9および1.33μMであった。また,類似の化合物と蛋白質脱リン酸化酵素阻害活性の構造活性相関を検討したところ,分子内にN-メチルホモチロシンとアルギニンいうアミノ酸残基があるときに活性が強くなることが判明した。
〔備 考〕


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