(4) ヒトのダイオキシン類曝露と子宮内膜症に関する疫学的研究
〔区分名〕経常
〔研究課題コード〕9802AE070
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
〔担当者〕宮原裕一(環境健康研究領域)
〔期 間〕平成10〜13年度(1998〜2001年度)
〔目 的〕近年,各国で子宮内膜症の増加が産婦人科医によって指摘されている。一方,動物実験でダイオキシン投与によって子宮内膜症の発症率が増加することも確認されている。しかし,ヒトにおける子宮内膜症発症とダイオキシン類曝露との因果関係は明らかになっていない。本研究では,生体試料中のダイオキシン類濃度を測定し,その生体負荷量と子宮内膜症との因果関係を明らかにすることを目的とする。本年度は,ヒト雌性生殖器官のダイオキシン類曝露量を明らかにすることを目的とし,羊水および胎脂のダイオキシン類濃度の測定を行った。
〔内容および成果〕
ヒト生体試料(羊水(n=17)および胎脂(n=22))は,妊婦の了解後,東京大学医学部産科婦人科学教室にて採取した。ヒト羊水および胎脂を定法に従い処理し,ダイオキシン類(PCDDs,PCDFsおよびCo-planar
PCBs)濃度を高分解能GC/MSで測定した。羊水および胎脂のPCDDs/PCDFs濃度は,それぞれ湿重量あたり,0.015±0.017pgTEQ/wet-g,1.57±0.68pgTEQ/wet-gであった。また,脂質あたりに換算すると,32.4±27.5pgTEQ/g-lipid,16.6±7.0pgTEQ/g-lipidであった。一方,
羊水および胎脂のCo-planar PCBs濃度は,それぞれ湿重量あたり,0.008±0.019pgTEQ/wet-g,0.87±0.55pgTEQ/wet-gであり,脂質あたりでは,10.7±9.3pgTEQ/g-lipid,9.4±5.7pgTEQ/g-lipidであった。このCo-planar
PCBsは総ダイオキシン類濃度(TEQ)の25〜35%を占めていた。一方,既に子宮内膜症の診断と脂肪試料の分析は済んでおり,統計処理するには症例数が少ないが,子宮内膜症の症状が重い患者の方が軽症患者よりもダイオキシン類濃度が高い傾向が見られた。
〔備 考〕
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