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研究成果物



 

(11) 環境有害物質が雄性生殖機能に及ぼす影響評価に関する研究


〔区分名〕文科-振興調整
〔研究課題コード〕9802CB179
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕

〔担当者〕米元純三(内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトグループ)・曽根秀子・遠山千春・青木康展・大迫誠一郎・宮原裕一・石村隆太・西村典子
〔期 間〕平成10〜14年度(1998〜2002年度)
〔目 的〕我が国においては,70年代以降,環境・公害対策が行われた結果として激甚な局地的な公害問題の新たな発生は認められなくなった。しかしながら環境中にはディーゼル排ガス粒子,アスベスト,ダイオキシン類などの有機塩素化合物,重金属類など,多種類の有害な化学物質が人為的な活動に伴い放出され続けており,その健康へのリスクが懸念されている。また,我が国においては,ごみを焼却により処分する量が欧米に比べてけた違いに多く,食生活の面では,米および魚介類の摂取量が多いという特徴があり,このことは環境中からの有害化学物質の取り込み量の増大をもたらす危険要因となっている。近年,野生生物において様々な生殖影響が報告され,環境有害物質の内分泌撹乱作用によるとの指摘がされている。また,ヒトにおいても精子数の減少,精巣腫瘍の増加,停留精巣の増加など男性生殖機能への影響が見られ,環境有害物質との関連が懸念されている。本研究では,このような背景をふまえ,環境有害物質が雄性生殖機能に及ぼす影響を実験的に検討し,そのリスク評価のための基礎資料を得ることを目的とする。
〔内容および成果〕
 妊娠15日(GD15)のラットにTCDDを経口一回投与して,生まれてきた雄性仔の前立腺重量の減少,肛門生殖突起間距離の減少がきわめて低濃度で起こることを報告してきた。これらの影響がAhレセプター(AhR)遺伝子依存的であるかを検討するため,AhR遺伝子ノックアウトマウスを用いた。AhR(+/−)雌雄を交配し,GD12.5に10 gTCDD/kgを経口投与し,生後14日にAGDの測定と尿生殖器複合体内のProbasin発現を観察した。その結果,AhR(+/+)およびAhR (+/−)のTCDD投与群でAGDが減少し,Probasinの発現が抑制された。AhR(−/−) のTCDD投与群では,AGDの減少,Probasinの発現抑制が見られなかったことから,ダイオキシンによる雄性生殖器発生影響はAhR依存的であることが明らかとなった。
〔備 考〕


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