(8) 内分泌かく乱化学物質の分解処理技術に関する研究
〔区分名〕重点特別
〔研究課題コード〕0105AA168
〔重点特別研究プロジェクト名,政策対応型調査・研究名〕
V.1.3.1 内分泌かく乱化学物質の総合的対策に関する研究
〔担当者〕安原昭夫(内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトグループ)・橋本俊次・中宮邦近
〔期 間〕平成13〜17年度(2001〜2005年度)
〔目 的〕ダイオキシン類やPCBなどの有機塩素化合物を中心とした内分泌かく乱化学物質による環境汚染を修復することは,これからの循環型社会の形成にとって極めて重要かつ緊急の課題である。本研究では,これらの内分泌かく乱化学物質で汚染された土壌などを対象として,以下の手法による内分泌かく乱化学物質,特にダイオキシン類を中心に効率的な分解処理技術の開発を行う。(1)高温・高圧の熱水による抽出・分解 (2)超音波照射による分解 (3)微生物による分解。
〔内容および成果〕
(1)高温・高圧の熱水による抽出・分解については,現在も実験中であるが,今までの成果をまとめると,次のようになる。ここで研究した水熱反応を利用して土壌中のダイオキシン類を効率よく除去できることが証明された。除去されるダイオキシン類は,単に水に抽出されるだけでなく,容器中で一部が分解することが確認された。除去率は,350℃,250気圧の場合,PCDDが99.3%,PCDFが98.7%,Co-PCBが91.4%であった。また,洗浄水からは,それぞれ6.5%,16.5%,79%のPCDD,PCDF,Co-PCBが検出されたが,検出されなかった残りの部分は,分解したものと判断した。また,除去率には,ダイオキシン類の異性体あるいは同族体によって違いが見られた。土壌中のダイオキシン類同族体組成は洗浄前には高塩素置換体が多かったが,洗浄後には低塩素置換体の量及び割合が増加していた。なお,洗浄水中ではさらに低塩素置換体が中心の組成となっていた。条件を変えた実験でも,同様の結果が得られており,脱塩素反応が起きている可能性が示唆された。
(2)超音波照射による分解については,いくつかの有機塩素化合物を対象に実験を行ったが,200KHz,200W出力の超音波照射では4時間でたかだか数%が分解するにとどまり,画期的な分解には至らなかった。現在,添加物を加えて分解率の向上を検討している。
(3)微生物による分解では,当研究所の敷地内にある林あるいは公園の土壌数10サンプルから,130℃で培養されてくる微生物を集積したところ,いくつかのロットに微生物が増殖していることを顕微鏡下で確認できた。ビスフェノールAを基質として培養を行ったところ,12時間で約95%が消失することが分かった。この時,培養液中から微生物が確認された。また,ブランクの培地には微生物が存在しなかったことを考慮した結果,この菌体はビスフェノールAを基質として増殖したものと思われた。ノニルフェノールに対しては,ブランクのノニルフェノールと培養液を添加したものについて,その消失速度はほぼ同等であり,菌体接種した効果を見ることができなかった。しかし,12時間培養後の培養液には微生物の増殖が確認された。このことから,少なくともノニルフェノールの分解物を基質として増殖する微生物の存在が確認された。
〔備 考〕
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